【電動化した車両とは】HV・PHEV・EV・FCVの大きく4タイプ 自動車のEV化は現実的?

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電動化や自動運転など、次世代へ向けてクルマの進化が止まらない。電動化では、ソニーをはじめスタートアップ企業による参入を促し、新たな競争も生まれている。ここでは、日々、変化し続けるクルマの最新事情を紹介する。

※本記事に掲載の価格は、税込みの車両本体価格または実売価格例です。

2021年はEVが主役!? 国産、輸入を問わず各社から新型車が続々登場!

2020年暮れ、「経済産業省が、2030年代半ばにも国内新車販売をすべて電動車とする方向」との報道が流れ、世の中は騒然となった。「電気自動車(EV)以外は販売禁止になるのか?」と勘違いした人もいたからだ。

実際には、ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、水素を燃料とする燃料電池車(FCV)も含まれ、純粋に内燃機関のみで走るクルマは終わりにしようという話が正解だった。

「電動化」した車両には大きく四つのタイプがある!

HV:HEVともいう。エンジンとモーターを搭載し、両者の出力を適正にコントロールしながら燃費を向上させて走行。
PHEV:PHVともいう。エンジンとモーターを搭載するのはHVと同じだが、電池を容量アップして外部充電を可能にした。
EV:電動モーターによって走行する。走行中は排ガスを排出しない一方、リチウムイオン電池のコストの高さがネック。
FCV:車載タンクの水素と酸素の化学反応による電力を使った電動モーターで走行。燃焼時も水しか排出しない。

電動化で議論されるのは航続距離。HVやPHEVであれば燃料が調達しやすく実用性は高い。EVは電池コストが高く、充電時間も課題になる。

しかし、日本自動車工業会の豊田章男会長は、「画期的な技術ブレークスルーなしに一気に進めるのは難しい」と釘を刺す。

実際、EV化を性急に進めても、大半の電力を火力発電に依存する日本では脱炭素につながらないし、バッテリーの製造で多大な電力を必要とすることも忘れてはいけない。

とはいえ、電動化がこれからのクルマの行く末を左右するのは間違いないと見ていいだろう。自動車業界はすでに動き出している。

世界中でEV人気が年々高まっている!

テスラ Model 3 /511万円〜

代表的EVメーカー、テスラのEVセダン。ADAS(先進運転支援システム)を搭載し、同社としては低価格設定で世界的に大ヒットした。

2020年には、ホンダがEV専用車「Honda e」を発売したのに続き、レクサスも「UX」のEV版「UX300e」を限定発売。2021年に入り、マツダがガソリン車で先行発売した「MX-30」のEV版を、日産もEV専用SUV「アリア」を発売することを発表している。

そのほか、2020年から欧米メーカー製のEVが相次いで輸入され始める一方で、ソニーが独自にEVセダンの試作車を披露。

さらに、そうした社会を象徴する形でデビューするのが、トヨタ「e-Palette」だ。移動や物流、物販など多目的に活用できるモビリティサービスを目指す乗り物で、トヨタの新時代の武器の一つともなるモデルだ。

多目的に活用される自動運転EVも登場!

トヨタ e-Palette
/2021年に運用検討

次世代モビリティサービスの領域に、事業の軸足を移すために開発された自動運転EV。静岡県裾野市の実験都市「Woven City」でも、走行予定だ。

トヨタ「C+pod」はEV界の救世主となれるか?

EVを筆頭に新型車の販売が相次ぎ、電動化へ向けた動きは激しさを増すばかりだが、一方でこれらが普及へつながるかといえば、なかなか難しい。

というのは、電動化に欠かせないリチウムイオン電池が高く、このままでは車両の販売価格が上昇するのは避けられないからだ。特に、“庶民の足”として使われる軽自動車クラスで、EVがガソリン車並みの価格を実現するのは難しい。

EVのメリット、デメリット
航続距離はバッテリー容量アップで延ばせるが、車重が重くなって”電費”効率はどうしても下がる。

メリット
走行時にCO2などを排出せず環境にやさしい
走行時の騒音や振動が少ない
災害時などに非常用電源として使える

デメリット
航続距離がガソリン車に比べて短い
充電スタンドが少なく、充電時間も長い
車両価格がガソリン車に比べて割高

そんな中、一つの朗報として受け取られているのが、トヨタが昨年末に発表した超小型EV「C+pod」(一般販売は2022年から)だ。

搭載バッテリーを9キロワットアワーにとどめ、乗車定員は2名で最高速度も60キロだが、販売価格は165万円からという、手の届きやすい価格を実現。こうした手本があれば、これをベースとした車両の開発もしやすくなるというわけだ。

割り切りがEV普及の近道か?

トヨタ C+pod/165万円〜

EVが航続距離に難があるなら、それを生かした使い方を積極的に提案。価格も下がり、街乗りとしてのサイズ感もいい。

発売中または発売予定のEVカタログ

ホンダ Honda e

2020年10月発売/451万円〜

スクエアボディでキビキビとした走り
コンパクトなボディに、ハンドルの切れ角を大きく取れる後輪駆動を採用。バッテリーを床下に収めて重量配分を50対50とし、キビキビとした走りを実現した。

レクサス UX300e

2020年10月発売/580万円〜

レクサス初のEVで限定135台を抽選販売
レクサスのSUV「UX」のEV版として2020年度分は、135台が抽選販売済み。最高出力150キロワットを発生するモーターを搭載し、航続距離367キロ(WLTCモード)を確保した。

マツダ MX-30

2021年1月発売/価格未定

マツダ初の量産EVは1月デビュー
観音開きドアを採用。EV版モーターは35.5キロワットアワーのバッテリーを搭載し、1回の充電での走行距離は200キロ。2022年には発電専用エンジンを搭載予定。

日産 アリア

2021年発売予定/価格未定

ガソリン車並みの航続距離610キロを達成
前輪駆動と複数のモーターを用いるAWDの「e-4ORCE」搭載。先進的な走りが期待できると同時に、航続距離はガソリン車に匹敵する最大450~610キロを実現。先進的なデザインも魅力だ。

アウディ e-tron 50 quattro

2021年1月発売/993万円〜

e-tronシリーズに早くも新型車投入
昨年9月の「e-tron Sportback」に続き、SUV版が登場。同社ならではの電動4WD「クワトロ」により、力強く高品質の走りをもたらしている。航続距離は316キロ。

ベンツ EQC

2021年発売予定/1080万円〜

4WD採用で408PSのハイパワー
同社初の量産型EV。前後2基のモーターで駆動する4WDでシステム最高出力は408PS。航続距離は400キロ。AIを活用した「MBUX」では専用メニューも用意。

BMW iX3

2021年発売予定/価格未定

BMW初の電動SUVは航続距離458キロ
BMWブランド初のSUV型EV。第5世代の「eDriveテクノロジー」により、EVシステムの出力密度は従来よりも30%アップで、設置スペースと重量を大幅に削減。航続距離も458キロを達成した。

ソニー VISION-S

2021年公道走行テスト/開発車

お得意のセンサーで自動運転も視野
同社が得意とするセンサーを実装したEVで、自動運転も視野に入れて開発。EVプラットフォームこそマグナ・シュタイヤー製だが、車内はソニーらしいエンタメを満載した。

※価格は記事作成時のものです。

■解説/会田肇 (自動車評論家)

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特選街web編集部

1979年に創刊された老舗商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を起源とし、のちにウェブマガジン「特選街web」として生活に役立つ商品情報を発信。2023年6月よりブティック社が運営を引き継ぎ、同年7月に新編集部でリスタート。

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