Jasmine Audio(ジャスミン オーディオ)の「バーティカル レコードプレーヤー」は超シンプルな機構にして、モダンなデザインに仕上げられている。本体が薄型の割に、ステージが広がって気持ちのいい音楽に包まれた。レコード機器メーカーらしく、動作の精度も高いと感じた。
今回のテストアイテムはこちらJasmine Audio「バーティカル レコードプレーヤー」
実売価格例:7万4800円
●プロフィール
見た目が楽しい、縦置きレコードプレーヤー。ベルトドライブ方式で、トーンアームはカーボンファイバー製。アンプとスピーカーを内蔵し、本体のみでアナログサウンドが楽しめるほか、ブルートゥース機器からの再生も可能だ。
SPEC
●最高出力/40W●スピーカー/1.5インチフルレンジ×2、4インチミッドバス×1●接続/RCA、Bluetooth●対応レコード/LP(33 1/3回転)、EP(45回転)●サイズ/幅440mm×高さ410mm×奥行き268mm(レコードセット時)●重量/6kg
■ミッドバスユニットを底部に搭載
ターンテーブルは垂直ではなく、85度の傾斜
普通のレコードプレーヤーは、水平なターンテーブルの上にレコード盤を乗せる。それを縦置きにしてしまったのが、Jasmine Audio(ジャスミン オーディオ)だ。過去にもこのタイプはあったが、本機は超シンプルな機構にして、モダンなデザインに仕上げている。
箱から取り出し、組み立てる作業は難しくない。ゴムベルトをターンテーブルに掛けるだけでよく、レコード盤は付属のホルダーでしっかり固定する仕組みだ。ターンテーブルは垂直ではなく、わずかに傾斜している(85度)のがポイント。
縦型で難しいのがトーンアームだが、カーボンファイバー製の高級品が用いられ、最適な針圧をかけている。カートリッジはオーディオテクニカ製なので、信頼が置けて、針の交換も安心だ。
操作のポイントは、右側のつまみ。長押しすると「パワー・オン」のアナウンスで知らせ、レコードが回り出す。アーム操作はマニュアルで、盤に落とすとトレースが始まる。デュアルパワーアンプとスピーカーも内蔵(2.1チャンネル)するから、本体だけでレコード再生が楽しめる。
自宅のオーディオ装置と接続して楽しめる
インパクトたっぷりなデザインと手軽さは大きな魅力。サウンドも、ボーカルがすっきりとクリアに抜け、ドラムなどのリズム系楽器を豊かな低音が支えるウェルバランスな表現だ。本体が薄型の割に、ステージが広がって気持ちのいい音楽に包まれた。
さらに発展的な使い方としては、スマートフォンなどからのワイヤレス再生や、自宅にオーディオ装置があれば、RCA出力とつないで本格的なアナログサウンドが楽しめる。本体が4色から選べるのもうれしい。価格は高めだが、新スタイルのプレーヤーとして満足感が得られるはずだ。
■RCA出力端子も搭載する
おすすめ度…A
インパクトたっぷりのデザインが魅力。薄型ながら、バランスのいいサウンド
ココが〇
家に帰るのが楽しくなるチャームなルックスだ。サイズの割にバランスのいいサウンド。レコード機器メーカーらしく、動作の精度も高い。
ココが✖️
高級感はいま一歩の印象。つまみの操作など、パッと見ではわかりづらい(日本語の取説は直販サイトでの購入時、頼めばPDFで送ってくれる)。
※文中の「オススメ度」は、「A+」から「C-」までの9段階評価になっています。
※価格は記事作成時のものです。
●解説/林 正儀 (AV評論家)