クルマのなかをまめに掃除機で清掃していますか? ダッシュボードのホコリ、カップホルダーのなかの小さなゴミ、フロアマットの砂や土、いつも気にはなっているのですが、筆者は掃除機を車内に持ち込むのが面倒で、そのままにしています。しかし、この8月6日に発売されたケンコー・トキナーの「ハンディカークリーナー KZ-001CR」は、大きさは約175×55×146mmとコンパクト。ダッシュボードに入るほど小さいのに、強力な吸引力を発揮するといいます。これなら、すぐに取り出せて、気になるゴミやホコリをスッキリ掃除できるのでは! と考え、試してみました。
執筆者のプロフィール
齋藤千歳(さいとう・ちとせ)
元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在は昨年8月に生まれた息子と妻の3人、キャンピングカー生活にハマっており、約1カ月かけて北海道を一周するなどしている。
商品内容チェック
3.7mの長い電源ケーブルが非常にありがたい
ダッシュボードに入る超コンパクトサイズで、しかも強力な吸引力を発揮するという「ハンディカークリーナー KZ-001CR」。2021年8月6日に発売された最新のDC12V用で駆動する小型掃除機です。実勢価格は3,000円程度。
大きさは、約175×55×146mm、質量は約293g(多機能ノズル別)だといいます。また、定格電力は80W、吸引仕事率は4.8W、吸引力は5,500paということですが、筆者にはこれが、どの程度の吸引力なのかは、よくわかりませんでした。
到着した箱を開けると、ヘアードライヤーをさらにひとまわり小さくしたような本体、ブラシノズルと隙間ノズル、香りフィルターが2個、さらに取扱説明書が同梱されています。確かに小さい。そして何より気になったのは、小さい本体に対して、非常に長い電源コードです。
一般的なクルマの場合、運転席付近のシガーソケット(アクセサリーソケット)からしか電源が取れないケースがあります。約3.7mあるという電源コードは、クルマ後部のトランクルームなどの掃除を想定したものだそうです。キャンピングカーも清掃したい筆者にとっては、長い電源コードはとてもありがたいです。
実際に使ってみた
フロアマットの砂や土まで吸引してくれる
定格電力80W、吸引仕事率4.8W、吸引力5,500paというスペック表上に数値からは、「どのくらいゴミを吸い込んでくれるのか?」というイメージが、全くわきませんでした。最悪、ダッシュボード周辺のホコリを取る程度だったらどうしよう、という不安すらあったのです。
しかし、結果は予想以上。ダッシュボードまわりのホコリをきれいに吸い込んでくれるのはもちろん、サイドポケットの隅のゴミやシートの隙間のゴミも、きっちりと吸ってくれました。
そして、完全に予想を越えていたのは、フロアマットの上の土や砂といった、比重の多いゴミも吸い取ってくれることです。これはとても快適。ただし、ハイパワーのためか、「ハンディカークリーナー KZ-001CR」の連続運転時間は15分までとなっているので注意しましょう。
また、タイミングや角度などもあるのでしょうが、力を入れて掃除をしていると、透明なダストボックスが取れてしまうことがありました。フィルターは外れないので、ゴミが散乱することはありませんでしたが、少し不安な要素です。
3.7mの電源ケーブルならキャンピングカーの掃除も余裕
コンパクトな掃除機本体に対して、非常に長いケーブル。実際に使ってみると、この長いケーブルがとても役に立ちます。シガーソケットが運転席付近付近に1つしかないクルマでは、電源ケーブルが短いと、トランクルームまで掃除機が届かないということもあるでしょう。「ハンディカークリーナー KZ-001CR」の電源ケーブルは約3.7mもあるので、そんな心配はありません。実際、筆者が普段乗っているミニバン、ホンダのフリードスパイクでは、運転席脇のシガーソケットから電源を取っても、トランクスペースまで余裕で掃除機が届きました。
さらに筆者は、全長約5mのキャンピングカーも所有しています。こちらはさすがに、運転席脇のシガーソケットから電源を取って、クルマの最後部まで掃除機を伸ばすことはできません。ただし、キャンピングカーの場合、後部スペースであるキャビンには、バッテリーから電源を供給されているシガーソケットが装備されていることが多いのです。実際、筆者のキャンピングカーでは、バッテリーから電源が供給されているシガーソケットから電源を取って、アイドリングすることなく「ハンディカークリーナー KZ-001CR」を使用できました。キャンピングカーのなかで、ちょっとした空き時間に掃除ができるのがうれしいところです。
2種類のノズルで掃除エリアを分けるのが便利
「ハンディカークリーナー KZ-001CR」には、ブラシノズルと隙間ノズルの2種類のノズルが付属しています。
マニュアルでは、ブラシノズルはカーペットに入り込んだゴミをかき出して吸い取り、隙間ノズルは狭い場所や隅のゴミを吸い取るのに使うと解説されています。
しかし、実際のところ、筆者は別の使い方をしています。ブラシノズルはダッシュボードやスイッチ類といった、比較的汚れが軽度な部分の清掃に使用。隙間ノズルはフロアマットなど足元周りを中心に、汚れの激しい部分を清掃するのに使っています。また、ドリンクホルダーやサイドポケットの中は、隙間ノズルの先にブラシノズルを装着して使います。
使い方は人それぞれでしょうが、筆者は、外を歩き回った靴で踏みつけているフロアマットと、飲み物を入れるドリンクホルダーを同じノズルで清掃するのが嫌なので、ブラシノズルと隙間ノズルで清掃するエリアを分けています。2種類のノズルが付属していると、こんな使い方も重宝です。
また、「ハンディカークリーナー KZ-001CR」は、本体のスイッチを入れると、連動して清掃している部分を照らすLEDライトがオンになります。シートの下など、暗い部分のゴミが見えやすくなっています。
HEPAフィルターは水洗い可能なのもうれしい
透明なダストボックスの中に取り付けられているのがHEPAフィルターです。吸い込んだゴミをキャッチしてくれる、重要なパーツになります。
ちなみにHEPAフィルターは、空気清浄機やクリーンルームのメインフィルターとして使用されるレベルの高性能フィルターだそうです。そういわれると、車内で掃除機を使うことにも安心感が増します。
この高性能フィルター、掃除を繰り返して汚れた場合は、水洗いが可能なのです。メンテナンスが簡単なのも、使い続けるうえで非常にありがたいです。
香りフィルター機能はもうひとヒネり欲しい
「ハンディカークリーナー KZ-001CR」には、香りフィルターも付属しています。排気口部分の取り付けて、掃除中の嫌な臭いを緩和してくれるというものです。レモンの香りとオーシャン(海洋)の香りの2種類が付いていました。
掃除機の排気臭を緩和するという発想は、すごくよいと思います。しかし、このフィルター、ちょっと香りが強烈なのです。レモンもオーシャンも、筆者が子ども時代(1970年代)にあった、蛍光色の入浴剤みたいな匂いがします。狭い車内で使うには抵抗がありました。もうひとヒネり欲しいとこころです。
まとめ
ダッシュボードに収納できるのが最大のポイント
クルマに乗るたびに、あちこちの汚れやホコリが目に付き、「掃除しなきゃ」と憂うつになる人は多いのではないでしょうか。しかし、自宅から掃除機を持ち出してクルマを掃除をするのは、なかなかできないのが現実だと思います。クルマのトランクに小型の掃除機を入れていても、それを取り出して掃除するのは、けっこう面倒でしょう。
その点「ハンディカークリーナー KZ-001CR」は、クルマのダッシュボードに収納できるのが、本当に素晴らしいのです。ダッシュボードに入れておけば、例えばクルマで人を待っている間に、チョコッと手早く掃除ができます。実際、家族がいると、妻や子どもをクルマのなかで待つ時間は、意外とあるものです。そんなときにサッと掃除ができると、待ち時間のストレスも、クルマの汚れに対するストレスも、すっきり解消します。
筆者の場合、普段乗るクルマはもちろん、キャンピングカーのダッシュボードにも、それぞれ1台ずつ、常備しておきたいと感じました。おすすめです。