新しく登場したAppleMusicの「空間オーディオ」やソニーの「360 Reality Audio」は、音自体に位置情報を持たせた「オブジェクト・オーディオ」と呼ばれるものだ。AppleMusicの「空間オーディオ」の「ダイナミックヘッドトラッキング」は、リスニング体験を激変させる可能性があり、注目の的だ。

バーチャル技術を活用して立体感が表現される

従来の「ステレオ」は、ステレオフォニックという手法に基づいて録音と再生を行うことで、主に左右の位置関係を再現できる。例えば、中央からボーカル、左手からサックス、右手からベースが聴こえるといった具合である。情報量の多いステレオ音源をうまく鳴らすと、前後方向や高さも感じることができるが、原理上、再現には限界がある。

一方、新しく登場したAppleMusicの「空間オーディオ」やソニーの「360 Reality Audio」は、ステレオとは違った考え方で、音自体に位置情報を持たせた「オブジェクト・オーディオ」と呼ばれるもの。制作者が音に位置情報を記録し、イヤホンやスピーカーといった再生機器がそれぞれのチャンネル数や特性に応じて展開することで、ステレオでは難しい上下や後方の定位および移動感も豊かに再現しようとするものだ。ちなみに、アップルの空間オーディオは、映画作品でおなじみのドルビーアトモス技術を利用している。

アップル 「空間オーディオ」

ドルビーアトモスを利用したストリーミングサービス。2021年の秋に追加された「ダイナミックヘッドトラッキング」は、リスニング体験を激変させる可能性があり、注目の的。

画像1: バーチャル技術を活用して立体感が表現される

アップル
AirPods Pro
実売価格例:3万580円

画像2: バーチャル技術を活用して立体感が表現される

空間オーディオの場合、主にヘッドホンやイヤホンでの利用が想定され、バーチャル技術を活用して立体感が表現される。また、アップルではヘッドホンやイヤホン向けの「ダイナミックヘッドトラッキング」機能の追加を予定していて、これは、リスナーが向いた方向がリアルタイムに空間再現に反映されるもの。ホームシアタースピーカーで聴くような、より自然な立体サウンドが期待できる。

2チャンネルとは明らかに異なる効果を体感

360 Reality Audioはソニー独自の方式で、「Amazon Music」や「Deezer(ディーザー)」といったストリーミングサービス経由で体験可能。効果が十分に得られる製品を認定ヘッドホンとしているほか、対応のWi-Fiスピーカーも製品化している。

実際に試聴すると、イヤホン/ヘッドホン再生は仮想的に立体音場を表現するため、聴覚が敏感な前方の定位は限定的だが、後方を中心に上下への広がりは2チャンネルとは明らかに異なる効果を体感できる。手軽に立体サウンドが楽しめる新潮流として注目で、対応コンテンツの充実も期待したい。

ソニー 「360 Reality Audio」

ソニーの独自技術で、ストリーミングサービスの「Deezer」では大瀧詠一ほか、日本のアーティストを積極的に扱っている。そのほか、「Amazon music HD」でも配信中。

画像1: 2チャンネルとは明らかに異なる効果を体感

ソニー
WH-1000XM4
実売価格例:4万2770円

画像2: 2チャンネルとは明らかに異なる効果を体感

※価格は記事作成当時のものです。

■解説/鴻池賢三 (AV評論家)

画像: この記事は『大人のオーディオ大百科2021』(マキノ出版)に掲載されています。 www.amazon.co.jp

この記事は『大人のオーディオ大百科2021』(マキノ出版)に掲載されています。

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