オーディオ界で今、新たな盛り上がりを見せている「仮想アース」。”グランドスタビライザー”を名乗るサエク「SGS-042」は、アナログレコードやハイレゾ再生での効果が顕著で、微細音領域での歪みや濁り成分が、吸い込まれるように消滅。高純度銅素材のノイズ吸収力もすごい。
本稿は『極上 大人のオーディオ大百科 2023』(マキノ出版)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
グランドスタビライザー
サエク「SGS-042」
今、このキーワードに注目!
【仮想アース】
オーディオ機器の理想的なアース電位(ゼロ電位)を作り出すのが、今、オーディオ界で話題となっている「仮想アース」だ。大地にアースを落とす代わりに、電位の安定した「仮想アース装置」につなぐことで、強制的に電位の乱れを正す。めざましい音質の向上が期待できる。
オーディオ界で今、新たな盛り上がりを見せているのが「仮想アース」。そんな中、高級ケーブルメーカーのサエクから刮目の新製品が登場した。
それが、”グランドスタビライザー”を名乗る「SGS-042」だ。本体は、幅96ミリ、高さ41ミリ、奥行き115ミリで、重量は約760グラム。実際に手にすると、ずしっとくる。一品ごとのハンドメイドだ。
オーディオ機器のグラウンドアースを安定化させる仕組みは難解だが、本機は、電気的な特性を持つ鉱石に、カーボンの微粉末を凝固させた素材を加え、マイナスイオンを大量発生させるところに特徴がある。そして、内蔵する高純度銅素材にノイズを吸収し、アース電位を安定させるという。オーディオコンポのアース端子と本機を接続することで、アース電位の逆流現象を低減。アース側で発生するノイズを効果的に抑えることができる。
アースケーブルを使ってコンポ機器と接続するだけ
使い方は簡単で、アンプやフォノイコライザーなどに備えられたアース端子と本機を、アースケーブルでつなぐだけだ(アースケーブルは別売)。実際に音を聴くと、電位がずれた状態からピタリと安定するためだろうか、場の空気が澄みわたるように静寂になった。雑味や濁り成分がどこかに消えて、S/Nと透明度がアップしたのだ。
とりわけ効果が顕著なのが、アナログレコードやハイレゾ再生だ。針でピックアップされる微細音領域での歪みや濁り成分が、吸い込まれるように消滅。これはマイナスイオンの御利益だろうか。高純度銅素材のノイズ吸収力もすごい。クラシックや声楽でも、音場全体の静寂感が増し、力強く滑らかなサウンドとなった。
ハイレゾの最新録音ソースでは、情報量が2〜3倍になったよう。96kヘルツ音源が192kヘルツっぽく、より高密度に精密に感じられた。まるでミュージシャンが眼前にいるようで、スタジオそのままの生々しい鮮度や立体的な実在感に圧倒されっぱなしだ。
使いこなしのヒントとしては、アースケーブルに、ハイクオリティなものを使用することだ。
グランドスタビライザー
サエク「SGS-042」
実売価格例:19万8000円
【SPEC】
●本体サイズ/幅96mm×高さ41mm×奥行き115mm
●重量/760g
※アースケーブルは別売
オーディオ機器の理想的なグラウンドアース生成をサポートする装置だ。マイナスイオンを最大限に発生させ、内蔵の高純度銅素材にノイズを吸収し、アース電位を安定させる。
■解説/林 正儀(AV評論家)
※情報は記事作成時のものです。
※この記事は『極上 大人のオーディオ大百科 2023』(マキノ出版)に掲載されています。