難しそうなイメージだけど、実際に使ってみると、とっても便利なのが「クラウドサービス」。どれを選べばいいのか? どうやって使えばいいのか? 目的別の活用法を、数回にわたって、お届けしよう。
目的 ❶ 仕事などのファイルを管理したい
仕事で活用するなら大手クラウドサービスが盤石!
仕事向けのクラウドストレージを選ぶ際、特に重要となるのが、「使いやすさ」と「安定性」の二つ。クラウドに保存したファイルを探し出すのに手間取ったり、ダウンロードやアップロード速度が遅くて頻繁に待たされたりするようでは困る。
しかし、こうした厳しい基準を満たせるクラウドは、実は思いのほか少ない。自信を持ってすすめられるサービスとなると、やはり高い技術力を備えた大手が安心だ。
中でも、パソコンとスマホとの連係を重視するなら「Googleドライブ」と「iCloud Drive」が頭一つ飛び抜けている。
GoogleドライブはGoogle、iCloud Driveはアップルと、両社ともにスマホの開発元でもあるため、当然ながら、自らが手掛けるクラウドストレージとスマホの相性は抜群にいい。
例えば、スマホ用のアカウントはそのままクラウドでも流用できるため、余計な手続きも一切なし。
ファイル同期の速度も安定しており、パソコンとのファイルのやり取りも極めてスムーズに行える。
また、両サービスともにブラウザーからクラウドにアクセスできるので、書類や資料などが急遽必要になっても慌てずに済むはずだ。
パソコンからクラウドに書類を保存する
❶Googleドライブの公式サイトからパソコン向けの同期アプリを導入し、クラウドと同期するフォルダーを選択する
❷Windowsのエクスプローラーから「Googleドライブ」フォルダーを開いて、そこに書類ファイルを保存する
❸クラウドにアップロードした書類ファイルは、スマホアプリからも利用することができる。形式によっては編集にも対応する
❹もちろん、スマホアプリからファイルをクラウドにアップロードして、それをパソコンから利用することも可能だ
ブラウザーからクラウド上のファイルを利用
❶ウエブブラウザーでiCloudサイトにアクセス。ツールアイコンの中から「iCloud Drive」を選択する
❷「保管フォルダー」が開くので、その中から目的のデータを開く。対応形式なら、サムネール表示にすることも可能
❸保管フォルダーの上に並ぶツールアイコンからは、ファイルのアップロードやダウンロード、削除を実行できる
❹画面(1)の「メール」アイコンからiCloudメールを起動して、クラウド上のファイルをメール送信することも可能だ
目的 ❷ オンラインでファイルの編集や共有をしたい
OneDriveなら「オフィス」アプリが使える
クラウドストレージにはさまざまな機能が備わっているが、まず最初にマスターしてほしいのが、ファイルの編集や共有の方法である。
この二つの機能を組み合わせれば、あらかじめ誰かと書類を共有しておいて、あとでオンラインで編集を加えたりしても、常に最新の状態のファイルをお互いに見ることができる。
最近は、大半のクラウドストレージで共有や編集の機能を用意しているが、とりわけ使いやすいのが「OneDrve」と「Dropbox」だ。
OneDriveの魅力は、何といってもマイクロソフト純正の「オフィス」文書の編集に対応しているという点。
スマホで「ワード」や「エクセル」「パワーポイント」形式の文書を作成して、ほかの人と共有することが可能だ。
「オフィス」文書を編集する
❶まずスマホの「OneDrive」アプリで、クラウドに保存されている「ワード」や「エクセル」などの「オフィス」文書の一覧を表示する
❷プレビューが表示されたら、画面上にある「オフィス」アプリのアイコンをタップして編集画面を開く
❸画面をダブルタップして拡大表示に変更。するとキーボードが起動して、編集モードに切り替わる
❹ファイルは自動保存されるので、保存操作は不要。編集画面を終了するには、画面左上の「←」をタップする
一方、Dropboxは、同社独自のドキュメント作成アプリ「Paper」を提供。
簡単操作でワープロ文書を手軽に作成できるほか、ほかの人との共有も可能。複数のユーザーで企画案を出し合ったり、推敲を協力し合ったりすることもできる。
クラウドに文書を作成して共有する
❶まず、アプリストアから「Paper」アプリを導入して起動。「Paper」へのサインインは、Dropboxのアカウントを流用できる
❷文書の新規作成は、画面右上のアイコンから行える。文書は自動保存されるので、保存操作は不要だ
❸文書を共有するには、編集画面右上にある「…」をタップし、一覧から「ドキュメントを共有」を選ぶ
❹共有したい相手のメールアドレスなどを記入して送信を実行すると、相手に共有の招待メールが届く
解説/篠原義夫(ガジェットライター)