レトロなスタイルで、撮影はシャッターを押すだけ!
ロモグラフィーは、味のある描写で人気を博したロシア製35ミリコンパクトカメラ「Lomo LC-A」に端を発したブランドだ。
現在はフィルムカメラ、交換レンズ、フィルムなどを積極的に展開している。
今回紹介する「Lomo’Instant Square」は、富士フイルム「チェキ」用のフィルムが利用でき、「インスタグラム」のような正方形の写真が楽しめるインスタントカメラである。
ロモグラフィー
Lomo’Instant Square
実売価格例:2万8980円(Pigalle Comboパッケージ)
本機は、撮影スタイルも独特だ。
撮影時はまず、ボディに折り畳まれたレンズ部を手で引き起こす操作が必要。すると、ゴム引きの蛇腹がのぞく、レトロなスタイルに変わる。
この仕組みは、見た目の楽しさだけでなく実用性も高く、折り畳んだ状態はとてもコンパクトなので、可搬性もいい。
撮影も、極めて簡単だ。
ピント合わせこそ目測となるが、基本的にはシャッターボタンを押すだけ。
露光が終わるとカメラ上部からフィルムが出てくる。
多重露光撮影が行えるほか、カメラの裏ぶたを交換すれば、スクエア(画面62ミリ×62ミリ)だけでなく、通常のチェキ用フィルム(画面62ミリ×46ミリ)も使用可能。
カメラ内に収納できるシャッターリモコンが用意されているのも、便利だ。
ロモらしく、アングルは成り行き任せで楽しみたい!
アスペクト比1対1の正方形フォーマットは、アングルが決めづらいといわれる。
最初は被写体を真ん中に置くように撮影してみるといい。
もっとも、本機のファインダー精度は緩く、アングルは成り行きに任せるところも少なくない。
撮影の際、忘れがちなのがピント合わせ(80センチ/1〜2.5メートル/無限遠)。
レンズの焦点距離は95ミリと長く、ピンボケになりやすいので、ピント位置を確認して撮影に臨みたい。
撮影は基本的に勘が頼りになるが、それもまた楽しい!
本機は、実にスローなカメラだ。
ファインダーの画角は正確とはいいがたいし、ピント合わせは目測。
露出補正機能はあるが、画像が完全にフィルム上に再現されるまでには時間を要するので、基本的には勘が頼りとなる。
しかし、それも撮影する楽しさの一つととらえてしまえば、これほど遊べるカメラはないといえそうだ。
解説&写真/大浦タケシ
◆Profile/宮崎県都城市生まれ。雑誌カメラマン、デザイン企画会社を経てフォトグラファーとして独立。ドローンは一昨年から本格的に取り組むが、静止画よりも動画を撮ることが多くなっている。
※価格は記事制作時のものです。