【個性派カメラで撮ってみた・第3回】中判フィルムカメラ by 大浦タケシ

文具・ホビー・カメラ

現在、新品で入手できるフィルムカメラはごくわずか。さらに、35ミリ判に比べて大きい中判カメラとなるとないに等しい。そのため、中判カメラを入手するには、中古をねらうのが一般的。価格はピンからキリまであるが、フィルムカメラは、相当古いものでも動作に支障のない場合が多い。今回は、手ごろな価格で中判入門にもピッタリな富士フイルムのGS645Sを紹介しよう。

富士フイルム
GS645S Professional
実売価格例:3万円前後(10年ほど前中古で購入)

レンズは37ミリ相当(35ミリ判換算)で、交換不可。鏡筒部に絞り/シャッター速度/フォーカスの各リングを備える。
●サイズ/幅147mm×高さ114mm×奥行き90mm ●重量/766g(電池別)

横で構えると縦に撮れるので、人物撮影にも向く!

モデル名に645という数字があるように、本機は、6センチ×4.5センチのフォーマットを持つ中判カメラである。

ボディはコンパクトで、外装がプラスチックのため、重量は766グラムと、中判カメラとしては軽量で、持ち運びも苦にならない。

初めてファインダーをのぞくと、画面が縦位置であることに驚かされるはずだ。

実は、カメラに装填したフィルムに対し、記録する画像が縦になる仕様なのだ。

少々慣れが必要だが、縦位置で奥行き感を演出したい撮影や人物撮影などでは都合がいい場合もある。

フィルム装填は、裏紙のスタートラインをカメラのスタートマークまで巻き上げるのがコツ。

なお、富士フイルムには、645判フィルムカメラとして、本機をはじめとするGS645シリーズのほか、AFとAEを搭載するGA645シリーズがある。

いずれも、中古市場では3万円台から入手できるので、ぜひ探してみてほしい。

中判らしい余裕ある写りが楽しめる!

中判の中でも645判(別名セミ判)は、最も画面面積が小さいが、それでも35ミリ判の約2.7倍で、中判らしい余裕ある写りが楽しめる。

レンジファインダー式のため、近接撮影では正確なアングルが決めづらいが、それもまた、このカメラの楽しさ。

前述したように、本機は横位置に構えると縦写真となるため、人によっては最初のうちは戸惑うかもしれない。

レンズには富士独自のコーティングが施されており、下の写真のように抜けがよく、コントラストの高い描写が得られる。

ピントも露出もマニュアルのみだが、撮る楽しさ十分!

古い機種なので、ピントや露出の設定はマニュアルのみだ。

ただし、連動距離計と露出計を内蔵しているので、ピント合わせも露出設定もさほど難しくはない。

フィルムの巻き上げも当然手動だが、デジカメでは決して得られない、撮影する楽しさが存分に味わえるだろう。

中判フィルムカメラを試すのに持ってこいの一台だ。

モデル●横河未彩季(エフ・ファクトリージャパン)

解説&写真/大浦タケシ
◆Profile/宮崎県都城市生まれ。雑誌カメラマン、デザイン企画会社を経てフォトグラファーとして独立。初めて使った中判カメラはペンタックス67。我流でフィルム装填をやったら、大失敗した経験あり。

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