高級ミラーレス一眼をCHECK!【富士フイルム・X-H1】

文具・ホビー・カメラ

お手軽な一眼カメラというイメージだったミラーレスカメラだが、いまでは、一眼レフを凌駕するほどの性能を持つものも少なくない。ここでは、ハイグレードなミラーレス一眼を一台ずつチェックしていこう。今回は、富士フイルムのX-H1だ。

●評価項目

(1)フルオート画質
フルオートモードで遠景の解像感やオートホワイトバランス、露出レベル、発色などについてチェックした。
(2)操作のわかりやすさ
全体的な使い勝手のよしあしや持ちやすさ、初心者向けの撮影補助機能、特徴的な部分についてチェックした。
(3)持ち歩きやすさ
カメラ本体だけでなく、キットレンズを装着しての大きさや重さ、手に持ったときの重量感などをチェックした。
(4)スマホとの連係
Wi-Fiなどを利用して簡単にスマホと接続できるかどうか、スマホアプリの機能などについてチェックした。
(5)自撮りのしやすさ
モニターを前側に向けた状態で自分撮りを行う際の機能、撮りやすさ、構えやすさなどをチェックした。自撮りに非対応のモデルは評価をしていない。
(6)コストパフォーマンス
機能や性能に対する価格の妥当性、買い得感をチェックした。ほかの機種とも比較しながら判定している。

同社初のボディ内手ブレ補正搭載モデル。グリップが深く、ボディの剛性も高まった

富士フイルム
X-H1
実売価格例:23万8070円(ボディ)

同社初のボディ内手ブレ補正を搭載したフラッグシップモデルである。

重量級のレンズでも高いホールド性が得られるようにグリップを大型化したほか、上面に液晶表示パネルも装備した。EVFも従来モデルより高精細になっている。4K動画やブルートゥースなどの最新機能も豊富だ。

富士フイルムのミラーレス一眼としては初となる、ボディ内手ブレ補正を搭載。今後登場する予定の重量級望遠レンズにも対応できる強度や剛性を備えた新しいシリーズとして誕生したのが、このX-H1だ。

同じ一眼レフスタイルを採用するX-T2と似ているところもあるが、大きくせり出したグリップや上面のサブ液晶モニターの装備などを見ると、別物感もかなりある。

上面右手側に照明付きのサブ液晶モニターを装備。表示する項目をカスタマイズできるほか、白地に黒文字の表示に切り替えることも可能だ。

手ブレ補正は、シフトブレやロールブレにも対応する5軸補正で、効果は、シャッター速度で最大5.5段分。ボディ内補正は初めてながら、スペックは高めだし、ファインダー像の安定感もいい。56ミリ(フルサイズ換算で85ミリ相当)の中望遠レンズで試してみたところ、1/8秒以上なら8割がピクセル等倍でもブレていなかったし、1/4秒でも、5割強は1/2倍縮小表示なら許容できる範囲のブレ具合だった。手ブレ補正機構を持たないレンズの愛用者や、オールドレンズの味を楽しみたい人には歓迎されるだろう。

グリップは、X-T2などと比べ、しっかりと握れる印象。手の大きい筆者でも、小指が余る感じがないのはいいところだ。外装のマグネシウム合金カバーの厚みが従来の25%増しになっているとのことで、強度や剛性も上がっている。その関係もあって、X-T2より166グラム重くなっているのは残念だが、持ち歩きが決定的に苦になるほどではないと思う。

少し気になったのは、AFの作動音だ。これはレンズにもよるのだが、レンズや絞りが動くときの音はミラーレス一眼としては割と大きい。最近は静かなカメラが増えているので、耳障りに感じる場面があるかもしれない。その一方、シャッターボタンはソフトタッチで押しやすく、音も静かでショックも少ない。ブレを抑えやすそうな印象で、これは素晴らしい。

液晶モニターが、右向き60度まで動く3方向チルト式なのもいいところ。バリアングル式に比べると可動範囲は狭くなっているものの、レンズの光軸に近い位置で画面を見られるので、快適に撮影できるのはありがたい。

●大きなグリップで安定して撮影できる

重さのあるレンズと組み合わせると、大きなグリップがありがたい。手ブレ補正を内蔵しているので安定したフレーミングで撮影できるのもいい。

こんな人におすすめ!

手ブレ補正が内蔵されたこともあって、オールドレンズのファンには要注目の一台。また、ホールド性もアップしているので、望遠系のレンズを多用する人にもおすすめだ。

主要スペック
撮像センサー:APS-C 最高感度:ISO5万1200 電池寿命(CIPA):310枚 有効画素数:2430万 最大連写速度:8コマ/秒 サイズ:幅139.8mm×高さ97.3mm×奥行き85.5mm 重量:673g

解説/北村智史(カメラライター)

※価格は記事制作時のものです。

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特選街web編集部

1979年に創刊された老舗商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を起源とし、のちにウェブマガジン「特選街web」として生活に役立つ商品情報を発信。2023年6月よりブティック社が運営を引き継ぎ、同年7月に新編集部でリスタート。

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