一台に、CD、カセットデッキ、ラジオを搭載し、SDカードとUSBメモリーに保存したハイレゾ音源も再生可能なCDラジカセ。多彩な音源を再生・録音できるうえに、ハイレゾ相当の音質で楽しめるアップコンバート機能も搭載するなど多機能だ。
東芝
Aurex TY-AK1
実売価格例:2万2500円
慣れるまでは操作に迷うかもしれない
カセットテープが、音楽メディアとして再び注目を集めている。コンパクトに機能がまとまったラジカセを、現代的な製品に買い替えたいというニーズもあるだろう。そんな中、懐かしのAurexブランドから登場したTY-AK1は、万能感の高いCDラジカセである。
本体はシンプルなデザインで、音に合わせて光るレベルメーターも懐かしく、楽しい。ただ、操作ボタン類は形状がほぼ共通で、表示も英字のため区別をつけにくい。CDやカセットなど、個別の再生ボタンは用意されず、先にモードを切り替えてから共通のボタンで操作するため、慣れるまではちょっと迷うかもしれない。
一方、ラジオ局をプリセットできる専用ボタンが三つあるのは、ラジオ派には便利。ワイドFM放送にも、もちろん対応している。なお、大型ハンドルで持ち運びは簡単だが、コンセントは必須で電池駆動はできない。
カセットは録・再対応。ハイポジテープも再生可
カセットデッキは録・再対応で、CDダビングやラジオ録音も可能。ハイポジションテープの再生にも対応するので、過去のテープ資産も安心だ(録音はノーマルテープのみ)。音質は、低域から中域に自然な重みがあり、聴きやすく、テープ特有のヒスノイズも目立たない。
■ハイポジテープも聴ける
SDカードとUSBメモリーは、最高192kヘルツ/24ビットのWAVとFLACに対応。また、CD、ラジオ、カセットなどをハイレゾ相当に高音質化するアップコンバート機能を搭載し、ボタン一つで切り替えて楽しめる。アップサンプリングされる具体的な数値は公表されていないが、実際に聴くと高域の透明感が増した印象。本体のサイズ感か、超高精細というほどではないが、確かに効果は感じられた。なお、カセットやCDから、SDカード/USBメモリーへのワンタッチダビング機能もあるが、その場合は、ハイレゾではなく、MP3の192kbps固定となる。
ほかにも、ボーカルを抑えたり、エコーをかけたりできるカラオケ機能や、語学学習に便利な再生速度調整なども搭載する。
■背面にはバスレフを搭載
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さまざまな音源をハイレゾ相当で楽しめ、サウンドも聴きやすい。テープ資産を生かせ、デジタル化も簡単。カラオケ好きには付加機能も便利。
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ハイレゾが売りだが、デジタル化はMP3固定なので、用途によっては物足りないかも。本体の操作ボタンは、慣れるまでは操作に迷いそう。
SPEC●再生メディア/CD、カセット、ラジオ、SD、USBメモリー●最大出力/20W+20W●スピーカー/6.4cmコーン型、2cmドーム型×2●電源/AC100V●サイズ/幅350mm×高さ126mm×奥行き218mm●重量/3kg
解説/大坪知樹 (フリーライター)
※価格は記事制作時のものです。