DVDがなくならないのはなぜ?BDとDVDのメリット・デメリット

家電・AV

画質のいいBD(ブルーレイディスク)が主流の今、なぜDVDソフトがまだ売られているのでしょうか?

【読者から質問】

ハイビジョン解像度で、画質のいいBD(ブルーレイディスク)が主流の今、なぜDVDソフトがまだ売られているのでしょうか?(M・Hさん 長崎県 53歳)

編集部:この質問は、AVライターの鳥居一豊さんに聞きましょう。

【専門家から回答】

「DVDソフトはSD画質で映像を記録し、解像度は720ドット×480ドット。映像圧縮はMPEG-2で、転送速度は約10Mbpsです。一方、BDソフトはHD画質で解像度は1920ドット×1080ドット、圧縮効率をさらに高めたMPEG-4AVCで、転送速度は54Mbps。このように、スペックでは明らかに後継メディアであるBDのほうが優れています。実際の画質もSDとHDなので、その差は瞭然。 それなのに、画質で大きく劣るDVDが今でも発売されているというのは、確かに不思議です。

DVDおそらく、DVD再生機の普及率の高さが最大の理由といえるでしょう。DVDは、サイズがコンパクトなうえ、ディスク再生ならではのクイックアクセス(見たいシーンにすぐ移動できる機能)や、見終わったあとに巻き戻しが不要なことなど、利便性が高く、従来メディアのVHSテープを圧倒してしまいました。パソコンでも、Windows、Macを問わず再生ができましたし、当時のゲーム機もその多くがDVD再生に対応するなど、再生可能な機器が非常に多いのです」

編集部:確かに、多く分野の製品がDVD再生に対応していましたね。

イラスト/はやし・ひろ

専門家: 「一方、BDは、パソコンではWindowsが対応していますが、Macは正式には対応していません(再生アプリを用意し、BDドライブを増設すれば再生は可能)。また、地デジなどのハイビジョン番組をBDに録画できるBDレコーダーは、テレビにHDDを接続して録画するという方式が一般的になったこともあり、DVDレコーダーに比べると、普及率は決して高くありません。また、再生機器を必要としない動画配信サービスも数多く存在しており、『DVD再生はできるが、BD再生機器を持っていない』という人も意外に多いのです。そのため、自分の家だけでなく親戚や友人宅など、どこでも安心して再生できるDVDのほうが使いやすいと考える人もいるでしょう。

また、誰もが大画面テレビやホームシアターで映画などのソフトを見ているわけではなく、パソコンの画面で見ている人もいます。その場合、BDの画質・音質のメリットは少なく、ソフトの販売価格も1000円ほど安いDVDで十分と考える人は多いでしょう。レンタルビデオを利用する人にも同じことがいえるかと思います。

これらの理由のため、今でもDVDを愛用する人は少なくありません。そういったユーザーのニーズにこたえるため、DVDソフトも数多く発売されているのでしょう」

編集部:なるほど。個人的には、画質の低いDVDソフトはほとんど見ませんが、もうしばらくは今の状況が続きそうですね。ありがとうございました!

スポンサーリンク
家電・AV知識
シェアする
特選街web編集部

1979年に創刊された老舗商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を起源とし、のちにウェブマガジン「特選街web」として生活に役立つ商品情報を発信。2023年6月よりブティック社が運営を引き継ぎ、同年7月に新編集部でリスタート。

特選街web編集部をフォローする
特選街web

PR

【ドライブ中に純正ナビでテレビ視聴!】データシステム・テレビキットシリーズから最新車種対応のカー用品『TTV443』が登場!
長時間のドライブで同乗者に快適な時間を過ごしてもらうには、車内でテレビや動画を視聴できるエンタメ機能が欠かせない。しかし、純正のカーナビは、走行中にテレビの視聴やナビ操作ができないように機能制限がかけられているのがデフォルト……。そんな純正...

PRガジェット