スマホ決済はコード決済とFeliCaを利用した非接触決済の2つに分かれる。この記事では、FeliCa決済の中から現時点においてユーザーや対応店舗数の多いサービスをピックアップ。ここではiD、QUICPay、Suica、WAON、nanacoの5つのサービスの特徴を解説していこう。
FeliCa決済(1)iD
●運営会社:NTTドコモ
●決済方法:FeliCa
●公式URL:https://id-credit.com/index.html
FeliCa上で提供されるクレジット決済サービスのブランドで、運営元はドコモ。おサイフケータイを推進するためのサービスとして生まれ、スマホにも受け継がれている。早くから加盟店を開拓してきたこともあり、利用可能な店舗数は約90万と多い。Androidはもちろん、iPhoneでもApple PayとしてiDを利用できる。
評価
幅広い店舗で使えてタッチするだけと簡単なドコモのサービス
汎用性 | ★★★★★ |
利便性 | ★★★★☆ |
お得度 | ★★★☆☆ |
決済可能な場所が多い。ただし、プリペイド型として登録できるカードの種類は限られる。
FeliCa決済(2)QUICPay
●運営会社:JCB
●決済方法:FeliCa
●公式URL:https://www.quicpay.jp/
iDと同じ、FeliCa上で展開されるクレジット決済ブランドだが、こちらは運営元がJCB。2万円未満までしか支払いができないQUICPayと、2万円以上に対応したQUICPay+の二つが存在する。利用可能な場所は80万カ所を超え、iDに迫る。LINE Payやじぶん銀行スマホデビットなど、プリペイドカード的なサービスも充実。
評価
JCBが運営するFeliCa決済サービス。加盟店も拡大中
汎用性 | ★★★★★ |
利便性 | ★★★★☆ |
お得度 | ★★★☆☆ |
加盟店数はiDにリードを許すが、LINE Payなどの最新サービスと連係している。
FeliCa決済(3)Suica
●運営会社:JR東日本
●決済方法:FeliCa
●公式URL:https://www.jreast.co.jp/suica/
JR東日本が鉄道の支払い手段として導入したSuicaだが、今では街中の店舗での決済にも利用できる。他のJR地域会社が発行するICカードとも互換性があるため、全国区で使えるのも強み。残高をチップ側に記録しておくので、決済が高速。電車やバスなどに乗れるのはこのサービスだけで、一つは持っておきたいが、店舗数は50万とやや少なめ。
評価
交通機関で使うならこれ。街中で使えるシーンも増え、チャージ方法も多彩
汎用性 | ★★★★☆ |
利便性 | ★★★★☆ |
お得度 | ★★★☆☆ |
スマホなら、JR東日本エリア以外でも発行可能。券売機で現金チャージできるなど、利便性も高い。
FeliCa決済(4)WAON
●運営会社:イオンリテール
●決済方法:FeliCa
●公式URL:https://www.waon.net/
評価
イオン系列の店舗でお得に使える。コンビニやドラッグストアなど対応店舗多数
イオングループの電子マネーとして誕生した経緯があるため、系列の店舗ではもれなく利用できる。お客様感謝デーでは、5%オフになるなど、お得さも際立っている。電子マネーとして加盟店も積極的に開拓しており、コンビニやドラッグストアなど、対応している店舗も多い。’19年3月時点では46万カ所で利用可能。スマホでは、Androidのみが対応。
汎用性 | ★★★☆☆ |
利便性 | ★★★★☆ |
お得度 | ★★★★☆ |
FeliCa決済(5)nanaco
●運営会社:セブン・カードサービス
●決済方式:FeliCa
●公式URL:https://www.nanaco-net.jp/index.html
セブン&アイグループの電子マネーで、コンビニはセブンイレブンなどの系列店舗しか対応していないが、100円につき1ポイントと還元率が高い。ただし、7月1日からは200円で1ポイントに。コンビニ以外では、飲食店やドラッグストアなど、幅広い店舗が対応しており、加盟店の数も40万を超える。スマホ決済は、Androidのみの対応。
評価
セブン&アイグループでお得に使えるが、スマホ決済はAndroidのみ
汎用性 | ★★★☆☆ |
利便性 | ★★★★☆ |
お得度 | ★★★☆☆ |
セブン&アイグループでの還元率低下は残念だが、対応店舗は多い。キャンペーンも充実している。
Apple PayやGoogle Payと各サービスとの関係は?
Apple Payはアップルの、Google PayはGoogleのウォレット(財布)サービスという位置づけ。どちらも店舗での決済には、端末に内蔵されたFeliCaを使う。iDやSuicaなどは、その財布に入るクレジットカードやお金と考えれば理解しやすい。なお、Androidでは、Google Payとは別に、ドコモが運営するおサイフケータイがあり、iDなどは、そのサービス上でのみ提供される。
解説/石野純也(ジャーナリスト)