毎年この時期になると頭を悩ませる確定申告。特に年金受給者や配当金などの収入がある方にとって、「申告が必要なのかどうか」「どうやって手続きすればいいのか」という疑問は尽きないものです。
今回は、確定申告が必要な年金受給者・配当金収入者の方々に向けて、マイナポータルを活用した簡単・スピーディーな申告方法をご紹介します。
確定申告が必要なケースとは?
まず、確定申告が必要となる主なケースは以下の通りです。
– 公的年金等の収入金額が400万円を超える
– 公的年金等以外の所得が20万円を超える
– 複数の公的年金を受け取っている
– 各種控除(医療費控除など)を受けたい
特に注意したいのが「公的年金等以外の所得が20万円を超える」というポイントです。株式の配当金、不動産収入、副業収入などが合計で20万円を超えると、年金収入の額に関わらず確定申告が必要になります。
マイナポータルで確定申告が劇的に簡単に
従来の確定申告では、源泉徴収票や医療費の領収書などを揃えて入力する必要がありましたが、マイナポータル連携を使うと、多くの情報が自動で入力されます。
マイナポータル連携のメリット
1. 年金情報の自動取得 – 公的年金等の源泉徴収票情報が自動で取り込まれます
2. 配当金情報の自動取得 – 特定口座の年間取引報告書情報が自動で取り込まれます
3. 医療費情報の自動取得 – 医療費の領収書情報が自動で取り込まれます(対応医療機関の場合)
4. 生命保険料控除等の自動取得 – 生命保険料や地震保険料の支払情報も自動で取り込まれます
これにより、従来何時間もかかっていた確定申告作業が、わずか5分程度で完了することも可能になりました。
5分で完了する確定申告の手順
事前準備
1. マイナンバーカードを取得している
2. マイナポータルアプリをスマートフォンにインストール
3. ICカードリーダーまたはマイナンバーカード対応スマートフォンを用意
具体的な手順
1. e-Taxの「マイナポータル連携」を選択
– 国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセス
– 「マイナポータル連携」を選択
2. マイナンバーカードで認証
– マイナンバーカードのICチップを読み取り
– 暗証番号(4桁)を入力
3. 自動取得する情報を選択
– 年金収入情報
– 配当金・株式譲渡損益情報
– 医療費情報
– 各種保険料控除情報
4. 不足情報の入力
– 自動取得できない情報があれば追加入力
5. 申告内容の確認と送信
– 内容を確認して電子署名
– e-Taxで送信
20万円超えの配当金収入対策
配当金収入が20万円を超えそうな場合、以下の対策を検討してみましょう。
1. 特定口座(源泉徴収あり)の活用
特定口座で「源泉徴収あり」を選択していれば、証券会社が自動的に税金を徴収してくれます。ただし、他の所得と合算した総合課税を選択したほうが有利なケースもあるため、状況に応じて判断しましょう。
2. NISA口座の活用
NISA口座で保有している株式の配当金は非課税となり、確定申告の対象外です。年間の非課税投資枠を活用することで、申告の手間を減らせます。
3. 損益通算の活用
株式の譲渡損失がある場合、配当金と損益通算することができます。これにより、課税対象額を減らせる可能性があります。
まとめ
マイナポータル連携を活用することで、年金受給者や副業・配当金収入のある方でも、確定申告をスムーズに行うことができます。特に「公的年金等以外の所得が20万円を超える」ケースに該当する方は、期限内に申告を済ませるようにしましょう。
マイナンバーカードとマイナポータルアプリがあれば、従来のような煩雑な書類集めや複雑な計算をすることなく、簡単に確定申告を完了することができます。この機会に、ぜひデジタル技術を活用した新しい確定申告のあり方を体験してみてください。
今年の確定申告期限は3月17日です。余裕をもって準備を始めることをおすすめします。