日本の家屋では、家の密閉度が高くなっている上に、コロナ対策で換気をすることが求められています。そう、今こそサーキュレーターが活躍する時なのです。今回はBONECO(ボネコ)のサーキュレーター「AIR SHOWER FAN」をテストしてみました。3種類の中から私が使ったのはF120。アシンメトリーのデザインが特徴のサーキュレーターです。
BONECO(ボネコ)のサーキュレーターをレビュー
BONECOとは?
『色男 金と力は なかりけり』有名な川柳です。これ人だけでなく、モノにも当てはまると思いませんか?デザインばかりすごくて、性能が足らないものがあります。ここで言う性能は、いろいろなことができるという意味ではありません。そのカテゴリーで持つべき性能がきっちり出されていることが重要なのです。今回は、イケメンなのに、ド硬派な、BONECO(ボネコ)のサーキュレーターのお話です。
BONECOはメーカー名ではありません。ブランド名です。
1956年に創設されたスイスのPlaston社は、当初業務用のプラスティック製品の製造を行っていましたが、1963年に、最初の民生用加湿器をBONECOブランドで発売を開始しました。
何故、空気がきれいなスイスで加湿器とは言え、空調製品を上市したのでしょうか?
創業者であるハンス・フライの息子、ローランド・フライは「空気がきれいなスイスでも、屋内の空気は、湿度や有害物質の含有により決して最適ではない」ことに着目して、「室内空気の質を上げるための方法」をAachen応用科学大学に論文として提出しました。前述の最初の加湿器は、彼の研究に沿った形で、商品開発されたものです。
スイスは寒いところですから、家の密閉性が高い。意識して換気をしない限り、室内の空気は悪くなりますね。特に閉めっぱなしの部屋で暖炉を一晩中炊くと頭が痛くなると言います。スウェーデンは、冬の夜は窓を開け、換気ができる様にして寝ると言いますが、それと同じ理由です。
ウイルス対策で必要な「換気」
この初夏発売されたのは、サーキュレーター3機種。エアーシャワーファンと呼ばれるものです。日本では余り換気に気をつける人は少ないですが、欧州の冬場は、ストーブ、暖炉など火を使うことも多い。暖炉などは、「落ち着ける」と趣味で使う人も多い。(スウェーデンで、YouTubeのアクセス数が最も多いのは、ただ単に暖炉が燃える様子を延々録画したものだとか。キャンプファイヤーの様なものですから、わかる様な気もします。)部屋の空気は汚れます。
サーキュレーターは上下の空気を入れ替え、暖房の効率を上げるのにも使えますが、短時間で換気するのにも役立ちます。
日本でも、家の密閉度が高くなっている上に、今回のコロナの様に換気もすることが求められています。今からは、猛暑の夏。サーキュレーターが活躍する時です。
BONECOのサーキュレーターの魅力
美しいデザインと質実剛健な性能
さて今回、私がテストしたのは、F120。アシンメトリーのデザインが特徴のサーキュレーターです。
扇風機、サーキュレーターはモーターでファンを回します。このモーターが非序に重い。このためモーターを中央に置く、シンメトリーデザインが当たり前です。しかし、今回のエアーシャワーファンは、アシンメトリー。ユニークにして、優雅なデザインです。
そして、性能は、質実剛健。より遠くへ空気の流れを作ります。またヘッドは、思った方向で固定できます。風の強さは、弱、中、強の3段階。ただし、サーキュレーターですから、弱でも強いです。
で、これだけです。サーキュレーターとして必要なものは全てありますが、扇風機としても使うには不向き。風も強いですし、その分喧しい。当然、首振りなどしません。リモコンもありません。実にシンプル。
しかし、本来、サーキュレーターはつけっぱなしにはしません。と言う意味でも、確実に使え、それ以外の時は、部屋のオブジェにもなるF120、すごーく、魅力的です。
BONECOの代理店になったシロカ
このエアシャワーファンを、日本で販売しているのは家電メーカーのシロカです。
シロカは中堅の家電メーカーですが、得意なのは調理家電。そして今、次のステップとして空調家電に力を入れています。以前レポートした様に、携帯扇風機などはアイディアをいろいろ盛り込んでいます。そしてBONECOの扱いも始めたわけで、エアシャワーファンはその第一弾です。
BONECOは、今回のサーキュレーター以外に、定評ある加湿器、空気清浄機、ハイブリット加湿空気清浄機を持っています。これらも順次市場導入されることでしょう。
またシロカ自身も空調に力を入れているとのこと。この両ブランドの成長も今後も楽しみです。
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。