この記事ではビール好きの間で人気を集めるビアスタイル「IPA(アイピーエー)」について、成城石井で買えるおすすめビール3本のレビューとともに解説していきます。IPAは独特の風味やビールらしい強烈な苦味が魅力のビールです。普通のスーパーやコンビニでは中々目にすることがないタイプですが、人気チェーンの成城石井には国内外さまざまな種類のIPAビールが多数販売されています。今回は「IPAビール入門編」として、ビール好きのライターから万人におすすめできるイチオシ銘柄をご紹介します。
苦味が特徴のIPAビールとは?
IPA(アイピーエー)は、ビールの原料であるホップをふんだんに使用して醸造されたビールです。正式名称を「インディア・ペールエール(India Pale Ale)」と言います。
そもそもビールは、下面発酵という製法で作られる「ラガー」と、上面発酵で作られる「エール」の2種に大別されます。日本で一般的な、辛口のスッキリとした飲み口のビールはラガービールの「ピルスナー」と呼ばれる品種です。なお、日本で広く愛飲されている黒ビールは、ラガーの一種である「シュヴァルツ」というタイプです。
それに対し、エールタイプのビールには「ヴァイツェン」や「ペールエール」、「スタウト」をはじめとしたさまざまなタイプのスタイルが存在します。
IPAは「ペールエール」のひとつ
中でも「ペールエール」は、それ自体がひとつのジャンルとしてさまざまな形に派生しており、昨今のクラフトビールブームに乗って数多くのエールが製造されています。IPAはその名の通り、「ペールエール」の中でも特に香りと苦味が強いタイプのものを指す分類というわけです。
そんなIPAビールの魅力は、何と言っても大量のホップを利用することによる豊かな風味です。
18世紀末のイギリスで誕生し、インドへの長旅で劣化しないように保存効果があるホップを大量に入れ、アルコール度数を極力高めて作られたことがIPA誕生のきっかけですが、それが独特の風味をもたらすことになったのです。
成城石井は珍しいビールの宝庫!
IPAビールはその美味しさから、近年密かな人気を集めているビアスタイルです。ただ、独特の風味から万人受けするタイプではないため、一般的な量販店で売られていることはまだまだ少ないようです。
そこでおすすめしたいのが、輸入食品などを中心に扱う高級スーパーの「成城石井」です。
独特のラインナップを展開する戦略を取っているため、ビールにおいても普通のお店に無い珍しい銘柄を入手できます。特に癖が強いIPA系を気軽に入手できるのは、チェーン店ではほとんどありません。
また、チーズや生ハムといったお酒のおつまみも輸入品を中心に数多く揃えられています。IPAビールはそのパンチの効いた風味から、いわゆる「居酒屋系おつまみ」と合わないこともあります。
成城石井で珍しいお酒を買う際には、セットで見慣れないチーズやスナックなどを買うとより楽しめる)でしょう。
成城石井で買えるおすすめIPAビール3選をレビュー
ここからは、おすすめのIPAビール3種をピックアップし、それぞれを実際に飲んだ感想をレポートしていきます。
レビュー項目として「香り・苦味・味わい・オススメの飲み方」を並べつつ、味わいのレビューや商品の特徴などもお伝えします。
なお、苦味の単位としてご紹介している「IBU」は、別名「国際苦味単位」とも呼ばれるビールの苦味を数値化したものです。ちなみに、日本でメジャーなピルスナータイプのIBUは20~25程度とされているようです。
1本目(国産)
COEDO
「MARIHANA SESSION IPA」
香り:グレープフルーツのような香り、爽やか
苦味:IBU:48.3(ソフトながらしっかりした苦味)
味わい:あっさりとした味わい
オススメの飲み方:肉料理やチーズと一緒に
1本目にご紹介するのは、埼玉県川越市のブランドCOEDO(コエド)のセッションIPAです。
セッションIPAとは、IPAの旨味をそのままにより一層飲みやすさを向上させたタイプのビールです。
アルコール度数とホップの使用量を若干抑え、マイルドで飽きずに楽しめる味わいのビアスタイルとして近年人気が高まっています。
口にしてみると、確かに他のIPAには無いソフトであっさりとした苦味が広がります。とはいえ、やはりIPA特有の旨味やホップの豊かな香りが広がり、強い旨味もしっかりと感じられる味わいでした。
バランスが良く普通のピルスナーやエールには無い美味しさがある1本なので、初めてIPAを飲む方にもオススメです。
比較的優しめの味なので料理とも相性が良く、筆者は肉料理を食べながらいただきました。相性抜群です。
2本目(輸入)
BREWDOG
「PUNK IPA」
香り:スパイスやトロピカルフルーツのような香り、芳醇
苦味:IBU:40(ソフトで後味スッキリ)
味わい:あっさりとした味わい
オススメの飲み方:ナッツ類などあっさり系のおつまみと
IPAブームの火付け役としても有名で定番ポジションに立ったのがこちらの1本。
「世界一のIPAを目指す」というステートメントのもと、採算度外視でホップを贅沢に使用して製造されているそうです。
IPAながらピルスナーのような綺麗な黄金色で、お香や香辛料を思わせる豊潤な香りに惹かれます。
意外にも苦味は優しく、スパイス系のフレーバーとトロピカルフルーツのような甘酸っぱい味わいがどんなシーンにも合う美味しさです。香りを楽しむためにも、ナッツ類などの淡白なおつまみと一緒に楽しむのが◎。
とにかく「旨い!」と周りの人に伝えたくなるようなバランスの良い味で、IPA入門にも最適かと思われます。
PUNKの名前通り、音楽のある場とも相性が良さそう。家で思いっきり好きなアーティストを聴きながら、ぐいっと飲み干したくなります。
3本目(国産)
エチゴビール
「FLYING IPA」
香り:シトラス系のフレーバーとホップをしっかり感じさせる香り
苦味:IBU:55(しっかりした苦味とコク)
味わい:ホップの芳醇な香りと強烈な旨味がクリームのような印象
オススメの飲み方:ビール単体をじっくりと楽しむ
国内で最初に地ビールの製造を始め、その後の地ビールブームやクラフトビールブームの火付け役となったエチゴビールのアメリカンIPAです。
アメリカンスタイル特有の、シトラスを感じさせる豊かな香りとホップの強い苦味が魅力的な味わいを演出しています。食事のお供にゴクゴク飲むよりはじっくりと向き合う飲み方がオススメです。
実際に飲んでみると、柑橘系の香りの中にクリームを思わせる濃厚な旨味が!それでいて後味は非常にスッキリしており、品のある味わいでした。
IPAというと強烈なホップの芳香と苦味のイメージが強いのですが、これは味のパンチをそのままに、ビールらしい濃厚な甘みを感じられる仕上がりになっています。
せっかくの強烈なホップを存分に堪能するためにも、できればビール単体とじっくり向き合う飲み方がおすすめです。苦味がつらい方は、塩気の効いたチーズやビターチョコレートと合わせるのもよいでしょう。
まとめ
今回はIPAビール入門編として、成城石井で簡単に入手できるおすすめの銘柄3種をご紹介しました。癖の強さから取っつきにくい印象もあるクラフトビールですが、たくさんの銘柄の中から必ず自分にとってベストの1本を探し出せることでしょう。
まずは今回紹介した銘柄を試してみて、好みの傾向を掴んでみてはいかがでしょうか?