ハイレゾやストリーミング音楽配信などデジタル音源が主流となっている中、音楽ファンから熱い視線を集めているのが「アナログレコード」だ。手軽に始められるプレーヤーも続々登場。在宅時間が増えた今、ぜひ趣味のオーディオを見直してみよう!

アナログレコードの魅力って何?

穏やかでヒューマンな感触のレコード

レコードに活気が戻ってきた。近年、年を追うごとに売り上げが伸び、世界的にソフト・ハードとも大盛況だ。アメリカでは、アナログレコードの売り上げが30年ぶりにCDを抜く可能性があると発表(RIAA=全米レコード協会)。

それを引っ張っているのが、昔から楽しんでいた世代と、初めてアナログオーディオに触れる若者世代だ。“懐かしさ”と“新しさ”で人気が再燃しているのだ。

改めて、アナログの魅力とは何だろう。

デジタルの音楽配信やストリーミングにはない、モノとしての実在感。それはもちろんだが、音溝の微細な信号をそのまま針で拾い上げるデリケートさが再生音に現れる。

ターンテーブルの回転を見ながらゆったりと好きな音楽に浸る。そんな穏やかでヒューマンな感触が、共感を呼ぶのだ。

レコード再生は、CDと比べて少々手間がかかる。それがまた楽しいのだが、トーンアームを含め、プレーヤーの仕組みやセッティングの知識も必要とされる。

また、カートリッジ(針)の交換で音の違いを楽しんだり、使いこなしの腕を上げたりと、趣味の幅が実に広いのがアナログの世界なのだ。一生の趣味になるだろう。

画像: レコード盤の音溝に静かに針を落とし、アナログでカッティング(記録)された音楽情報を再生する。

レコード盤の音溝に静かに針を落とし、アナログでカッティング(記録)された音楽情報を再生する。

レコードプレーヤーの設置って難しくないの?

調整箇所は多いが、手順どおり進めれば簡単

設置までの大まかな流れを見てみよう。まず、製品を箱から出したら、プレーヤー本体やターンテーブル、ベルト、カートリッジなどの付属パーツを確認。

本体をラックに置いたら、最初にターンテーブルをセット。ベルトドライブ方式(下項参照)の場合は、ベルトをターンテーブルとモータープーリーに引っ掛ける。

本体の設置で特に重要になるのが、本体が水平に置かれているかどうかだ。

本体が傾いていると、針がレコードをトレースする際、盤の溝にアンバランスな力がかかり、音質に影響する。水準器を使って、プレーヤーの脚部の高さを調整して水平を取ろう。

画像: 水平を取る

水平を取る

プレーヤーがしっかりセットできたら、次に、カートリッジが装着されたヘッドシェルをアームに取りつける。ここで、もう一つ重要なのが、アームの水平バランスと針圧調整だ。

ちょっと繊細な作業になるが、説明書を参考にしながらアームのバランスが取れるようにウェイト(アームの後端にある重り)を調整し、カートリッジごとに決められた適正針圧に合わせればいい。

画像: 針圧の調整

針圧の調整

このように、いくつか細かな調整は必要になるが、手順どおり進めていけば意外と簡単だ。

しまってあったレコードをメンテナンスして聴いてみよう!

まずは、ホコリや油分をしっかりクリーニング!

「昔聴いていたレコードが保管してあったはず……」という人も少なくないだろう。だが、長くしまっておいたレコード盤は、ホコリや油分が溝に付着していたり、保存状態によってはカビが生えてしまったりということがある。

それをしっかりメンテナンスして、きれいな状態で聴いてみたい。

まず、クリーニングパッドを使おう。これには乾式と湿式とがあり、軽いホコリならベルベットを使った乾式クリーナーが手軽だが、やはり、パッド部分に専用の液を滴下して、丁寧にクリーニングできる湿式がおすすめ。

中には両面にパッドが付いた乾・湿両用タイプもあり、汚れ取り用や仕上げ用などと使い分けられる。

それでも取りきれない汚れや指紋は、クリーニングマシンを使うといい。洗浄液とブラシを備え、ハンドル操作でクリーニングできる手動式から、全自動式、さらにはブラシを使わない超音波式まで製品はさまざまだ。

日常のメンテナンスとしては、クリーニングのほか、除電ブラシなどによる静電気対策がある。愛用のレコードを大切に、よい音で末永く楽しんでほしい。

ノスティ
DISCO ANTISTAT GENERATION2
実売価格例:2万2130円

画像: ハンドルでレコードを回転させれば、洗浄液とブラシによりクリーニングが完了する。

ハンドルでレコードを回転させれば、洗浄液とブラシによりクリーニングが完了する。

初めてでも安心! 10万円以下で買える注目8モデルを紹介

さて、ここでは、入門クラスの注目プレーヤーを8モデル、セレクトしてみた。選ぶうえでのキーワードは、「買ってきてすぐにレコードが聴ける」こと。

まず、アーム/カートリッジ付きで、フォノイコライザーを内蔵したモデルが便利だ。

また、USB出力付きのモデルなら、パソコンと連係して、音源のデジタル化が可能。さらに、ブルートゥース機能やネットワーク再生を売りにする製品も増えているので、使い方しだいでセレクトするといい。

操作面についても、演奏が終わるとアームが自動で上がるオートリフトアップ機能付きなど、オート化もトレンドとなっている。

レコードプレーヤー選びのポイント

ドライブ方式の選択
ダイレクトドライブ
ターンテーブルの直下にモーターを置く直接駆動式で、強いトルクとクオーツ制御による回転数の正確さが特徴。
ベルトドライブ
モーターの回転力をゴム製のベルトを介してターンテーブルに伝える。振動を吸収して、回転も滑らかだ。
カートリッジ付属
入門モデルには、カートリッジ(MM型/VM型が大半)が最初から付いているタイプが多い。パーツの買い足しが不要で、すぐにレコードが聴ける。
フォノイコライザー内蔵
これも入門モデルに多い。RIAAカーブを補正するフォノイコライザーをプレーヤー側に内蔵するタイプで、そのままアンプのライン入力につなげばOK。
USB端子の有無
パソコンでレコードの音声をデジタル録音可能なUSB端子搭載機も増えている。内蔵A/Dコンバーターで性能が決まり、ハイレゾ出力が可能なモデルもある。
ブルートゥース対応
ブルートゥース機能を搭載したスピーカーやヘッドホン、イヤホンなどにレコードの信号をワイヤレス出力して楽しむことができる

オーディオテクニカ「AT-LP60X」

簡単操作でレコード再生が楽しめる初心者に優しいフルオートプレーヤー

アナログ初心者に優しいフルオートプレーヤーだ。前面パネルにあるスタート/ストップボタンを押すだけの簡単操作。VMカートリッジとフォノイコライザーも装備して、セッティングすれば、すぐにレコード再生が楽しめる。

オーディオテクニカ
AT-LP60X
実売価格例:1万1220円

画像: ●サイズ/幅359.5mm×高さ97.5mm×奥行き373.3mm ●重量/2.6kg

●サイズ/幅359.5mm×高さ97.5mm×奥行き373.3mm ●重量/2.6kg

ドライブ方式ベルトドライブ
カートリッジVM型付属
フォノイコライザー内蔵
USB出力-
Bluetooth-
回転数33 1/3・45

レガ「Planar3-Red」

見た目よし、音よし、操作性よしと、三拍子そろったハイCPモデル

英国はレガ・Planarシリーズの伝統的モデル。見た目よし、音よし、操作性よしと、三拍子そろったハイコストパフォーマンスプレーヤーだ。プラッターやトーンアームなど自社製の高精度なパーツを用い、手堅くまとめている。

レガ
Planar3-Red
実売価格例:8万7320円(Elys2付き)
※50Hz/60Hzモデルあり

画像: ●サイズ/幅447mm×高さ117mm×奥行き360mm ●重量/6.0kg

●サイズ/幅447mm×高さ117mm×奥行き360mm ●重量/6.0kg

ドライブ方式ベルトドライブ
カートリッジMM型付属
フォノイコライザー-
USB出力-
Bluetooth-
回転数33 1/3・45

ティアック「TN-400BT」

カートリッジ付きで、ブルートゥース、USB、フォノイコなど全部入り

豊富な製品ラインアップを持つティアックの、ブルートゥース&USB対応モデルだ。フォノイコもカートリッジも全部入りで、3スピードのベルトドライブ方式。SPレコード再生専用の78回転対応なのも珍しい。

ティアック
TN-400BT
実売価格例:4万7280円

画像: ●サイズ/幅420mm×高さ117mm×奥行き356mm ●重量/4.9kg

●サイズ/幅420mm×高さ117mm×奥行き356mm ●重量/4.9kg

ドライブ方式ベルトドライブ
カートリッジVM型付属
フォノイコライザー内蔵
USB出力48kHz/16bit
BluetoothaptX、AAC、SBC
回転数33 1/3・45・78

デノン「DP-400」

入門者から中級・リターナー層向けのマニュアルプレーヤー

デノンとして、ほぼ10年ぶりの新規設計。入門者から中級・リターナー層向けのマニュアルプレーヤーだ。しっかりとした機構のベルトドライブ方式。アームはオーソドックスなS字型でシェル交換も可能だ。フォノイコも内蔵する。

デノン
DP-400
実売価格例:4万9500円

画像: ●サイズ/幅414mm×高さ132mm×奥行き347mm ●重量/5.6kg

●サイズ/幅414mm×高さ132mm×奥行き347mm ●重量/5.6kg

ドライブ方式ベルトドライブ
カートリッジMM型付属
フォノイコライザー内蔵
USB出力-
Bluetooth-
回転数33 1/3・45・78

ソニー「PS-LX310BT」

基本機能&装備が充実したエントリー機

PS-HX500の弟分で、ブルートゥース機能を搭載したフルオートのベルトドライブ式プレーヤーだ。フォノイコライザーとUSBタイプB端子も装備。

ソニー
PS-LX310BT
実売価格例:2万2230円

画像: ●サイズ/幅430mm×高さ108mm×奥行き367mm ●重量/3.5kg

●サイズ/幅430mm×高さ108mm×奥行き367mm ●重量/3.5kg

ドライブ方式ベルトドライブ
カートリッジMM型付属
フォノイコライザー内蔵
USB出力48kHz/16bit
BluetoothSBC、aptX
回転数33 1/3・45

ヤマハ「MusicCast VINYL 500」

ネットワーク再生機能も搭載した一台

ヤマハ27年ぶりのプレーヤーだ。独自のMusicCast対応で無線伝送できるほか、ネットワーク再生機能も備える。フォノイコライザー内蔵。

ヤマハ
MusicCast VINYL 500
実売価格例:6万9540円

画像: ●サイズ/幅450mm×高さ136mm×奥行き368mm ●重量/5.7kg

●サイズ/幅450mm×高さ136mm×奥行き368mm ●重量/5.7kg

ドライブ方式ベルトドライブ
カートリッジMM型付属
フォノイコライザー内蔵
USB出力LAN端子、Wi-Fi
BluetoothSBC、AAC〈受信
回転数33 1/3・45

ティアック「TN-4D」

機能満載のダイレクトドライブ方式モデル

このクラスでダイレクトドライブ方式とはりっぱ。薄型ボディにサエクと共同開発のトーンアームを搭載。フォノイコライザーとUSBタイプB端子も備える。

ティアック
TN-4D
実売価格例:6万6930円

画像: ●サイズ/幅420mm×高さ117mm×奥行き356mm ●重量/6.1kg

●サイズ/幅420mm×高さ117mm×奥行き356mm ●重量/6.1kg

ドライブ方式ダイレクトドライブ
カートリッジMM型付属
フォノイコライザー内蔵
USB出力48kHz/16bit
Bluetooth-
回転数33 1/3・45

テクニクス「SL-1500C」

ハイファイ入門層向けのターンテーブル

ハイファイ入門層向けのターンテーブルだ。1200シリーズ直系のDD方式で、フォノイコライザーを搭載。MM型付属で、すぐに再生できる。

テクニクス
SL-1500C
実売価格例:11万円

画像: ●サイズ/幅453mm×高さ169mm×奥行き372mm ●重量/9.9kg

●サイズ/幅453mm×高さ169mm×奥行き372mm ●重量/9.9kg

ドライブ方式ダイレクトドライブ
カートリッジMM型付属
フォノイコライザー内蔵
USB出力-
Bluetooth-
回転数33 1/3・45・78

※価格は記事作成時のものです。

■解説/林正儀(AV評論家)

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