鮮やかなケルヒャー・イエローでおなじみの高性能高圧洗浄機の代名詞、ケルヒャー。憧れるけど日本の住宅事情には合わないよな…と筆者はずっと思っていましたが、今回のケルヒャーは、ケルヒャー史上最小のモバイル高圧洗浄機『ハンディエア(OC Handy Compact/オー シー ハンディ コンパクト )』。折りたたむと手のひらサイズ、重さはわずか780gという革新的な製品で気になってたところをズバッとお掃除してみました。
高圧洗浄機の名品・ケルヒャーとは

ペットボトル取り付けアダプター・ノズル、バケツ給水用(自給用)ホース、洗浄剤ボトル、充電用USB Type-Cケーブルが付属。
ケルヒャーは、創業者アルフレッド・ケルヒャーが1935年にドイツで創業した世界最大手の清掃機器メーカーです。1950年にヨーロッパ初の温水高圧洗浄機を開発し、1984年には世界初のポータブル高圧洗浄機を発売して消費者市場に参入しました。現在では「今世界で最も売れている高圧洗浄機ブランド」として2024年にギネス世界記録に認定され、世界約80カ国で愛用されています。

しまうときは折りたためる。
確かにすごい水の勢いで汚れを吹き飛ばしてくれるのは良いのですが、広大で洗車も余裕で可能な庭がない、集合住宅住まいででかいケルヒャーはそもそも置いておく場所にも困るし、盛大に水まきをしたら近所迷惑になってしまうと言う日本の住宅事情には合わない場合も多い、良い意味で狭い一車線の道路をポルシェで走るようなオーバースペック感を感じていた人も多いと思います。
待望の手乗りケルヒャー参上!持ち運べる手軽さとペットボトルでも使える簡便さが持ち味の『ハンディエア』

従来の高圧洗浄機は自宅での据え置き使用が中心で、効率的なライフスタイルを好む都市生活者の「もっと手軽に清掃したい」というニーズには必ずしも応えきれていなかったのが現実。ケルヒャー ジャパン『ハンディエア(OC Handy Compact)』(184×71×186mm/780g・税込14,982円・2025年9月15日発売)は、こうした声に応えるかたちで誕生した製品で、もともとは応援購入サービス「Makuake」発。2025年6月22日にプロジェクト開始からわずか約20分で2,500台が完売、応援登録者が2万人を超えるなど大きな反響を呼びました。

2Lサイズのペットボトルが取り付けられる!
コンセプトは、大型で電源・水源が必要な従来の高圧洗浄機のイメージを覆し、高圧洗浄をより日常的で身近にするというもの。一般発売後も計画の7倍を受注するほどの人気ぶりで、2025年度グッドデザイン賞「ベスト100」や日経トレンディ「2025年ヒット商品ベスト30」11位、家電部門大賞を受賞しています。
日本の住宅事情にぴったり~小さくてもケルヒャー品質の洗浄力を手のひらに

おすすめはエッジの効いた水流の「傾斜モード」と、ピンポイントで汚れを狙える「ポイントジェットモード」。
最大の特徴は、コンパクトでありながら最大許容圧力1.5MPaというパワフルな洗浄力。これは一般的な水道の水圧と比較して約7.5倍の圧力。その勢いで、頑固な泥や砂汚れも高圧洗浄で簡単に洗い落とすことができます。また、衣類に入り込んだ泥汚れもこすらずに高圧の水流で洗い落とせるため、洗濯前の予洗いにも活躍するとか。
小さくはなったけれど、ケルヒャー独自の効率的なノズル技術と4-in-1マルチジェットにより、節水しながらもパワフルな洗浄を実現しているのが『ハンディエア』。ノズルの先端部分を回すだけで4つのモードに簡単に切り替えができ、用途に合わせてすぐに使用できます。洗浄剤ノズルも標準装備されており、泡洗浄にも対応しています。
バッテリー内蔵式、ペットボトル装着可能で、自由な使い心地

浴室にて、バケツ用給水ノズルで給水すると、本体が軽くなってラク。
見た目はしっかりごつくてかっこいいことこの上なし。ゴツいわりには軽いけれど、ペットボトル2Lサイズ(約2kg)を装着するとかなり重い。バケツに水を入れて給水させる方が遙かに軽くなります。
バッテリー内蔵式で電源を気にする必要がなく、水源は2リットルサイズのペットボトルに入れた水や、バケツからの給水が可能です。内蔵式リチウムイオンバッテリー(7.2V 2.5Ah)は通常モードでは、シャワーモードが25分だけれど、他は約12分と短め。
ただ実際に使ってみると、ペットボトル使用の場合は約50秒で中身がなくなってしまう。つまり14本分以上分なので使いではあるが面倒くさい。たっぷり使いたいならバケツ給水一択です。

圧力モードは、「ブーストモード」と「エコモード(ブーストの約半分の圧力)」の切り替え式。
エコモード時には最大約30分の作動が可能。充電時間は3時間で、USBタイプCの充電ポートを搭載しているため、車の中やモバイルバッテリーを使えば外出先でも手軽に充電できます。本体の後ろのボタン押して、LEDライトがオレンジならブースト、青ならエコモードです。そのLEDでバッテリーの充電残量もわかります。
実際に使ってみた!筆者の体験レポート

ケルヒャー・イエローの鮮やかなカラーリング、本当にかっこいいですよね。ただ、狭めのマンション暮らしの筆者にとって、高圧洗浄機は「憧れはあるけど縁のないもの」だとずっと思っていました。それが今回は、日本の住宅事情にもぴったりな「手のりケルヒャー」。うれしくなります。

重いので両手持ち推奨。

軽い汚れは水だけでも吹き飛びます。
とりあえずバスルームで使用方法を試し、ペットボトルを装着して、これまで見て見ぬふりをしてきたベランダ汚れ落としに挑戦です。ただ通常の水だけだとやはりそれほど強力には落ちません。大通りが近いので排気ガスの汚れが付着しているのですが、油汚れなので手強いのかも。

一度本体ハンドルを折り曲げてから、洗浄剤ボトルを取り付ける。
そんなときには洗浄剤ボトルを装着します(はめるのは結構力が入ります)。専用洗浄剤も各種発売していますが、今回はキッチン用の中性洗剤を少し薄めて使いました。すると、もう、ブックブク。これは盛大で驚きました。もちろんそのままだと永遠に泡が出てしまうので、ほどよいところで洗浄剤ボトルを取り外し、エッジの効いた傾斜モードの水で泡を流していくと、泡がグレーになって汚れが落ちているのがわかります。

ペットボトルと同時装着は重いけれど、泡がドバッ。
単純に楽しい射撃感
2Lペットボトルと、洗浄剤ボトルを両方付けるともはやマシンガンの趣き。かなりの重量になるため、非力な方は両手でしっかり持つことをおすすめします。警察官が拳銃を両手で構えるあのスタイルです。これはこれで、ちょっとテンションが上がります。ピンポイントでいろいろ狭いところを狙えるのが、掃除云々よりも楽しくて、テンションが上がりました。ずっと気になっていた黒ずみや水垢が、みるみる落ちていくのは気持ちいいです。

泡は洗浄ボトルを取り外し、ふたたびベットボトルの水で流します。
もちろん集合住宅でベランダに水を流せないという方も多いと思いますが、ペットボトル2リットルなら近所迷惑にならない範囲で使えそうです。その分狙いは正確に、少ない量で汚れを落とす必要があるのもゲームとして楽しいです。
使用感はまるで水鉄砲遊びのようで、掃除なのに楽しくなってきます。ただし注意点もありました。ペットボトル2リットルを装着すると本体と合わせて3kg近くなるので重いので、両手で持ちましょう。

ハンドルのたたみ方は、引っ張って回す。それなりの力が必要です。
製品の作りはさすがケルヒャー品質でしっかりしているのですが、その分パーツのはめ込みや取り外しには少し力が必要です。ハンドルを伸ばす際も、最初はグッと引っ張るコツをつかむまで戸惑いました。とはいえ、一度慣れてしまえば問題ありません。あの本物のケルヒャーを、こんなに細かい部分や狭いところで使えるなんて、待っていた人は本当に多いはずです。
広がる活用シーン

ベビーカーやショッピングキャリーの車輪部分の汚れ落とし。
自転車、ガーデニングやキャンプ用品、ペット(犬)、車の部分洗いなど、様々な用途に柔軟に対応します。スポーツやキャンプ、釣り、自転車など、あらゆるアウトドアシーンの持ち帰りたくない汚れも、「帰るまえに、10秒ケルヒャー。」でサッと取り出し洗浄すればあっという間にリセット。汚れを気にすることなく、思い切りアクティビティに没頭できます。
付属の自吸用ホースは長さが5mあるので、移動や取り回しやすく自由度を最大限に高めます。ゴミ箱、ベビーカー、ブラインドなど、家庭内での細かい洗浄にも大活躍します。

まとめ:入手困難だったお手軽ケルヒャー。大掃除でラクしたいならこれ!
発売後は予想を上回る人気で品薄状態が続き、ケルヒャー公式オンラインストアでは予約抽選販売が実施されていました。その他、全国の家電量販店、ホームセンター、ケルヒャー直営店、オンラインショップにて順次入荷・販売されているようです。
本来ケルヒャーのような高圧洗浄機は、自宅の庭での使用が常識でしたが、『ハンディエア(OC Handy Compact)』は、「高圧洗浄機を出先に持っていく」という新しい洗浄習慣を生み出しました。手のひらサイズの携行性と折りたためる収納性、そして電源・水源不要の手軽さを実現し、これまで高圧洗浄機は他人事と思っていた都市生活者や、アウトドア愛好家からも広く支持される製品となるはず。年末の大掃除シーズンまでに入手しておけば、作業がグンと楽になるはずです。
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