最新の人気キャンパーが一堂に集結する国内最大級のキャンピングカーイベント「ジャパンキャンピングカーショー2021」が4月2日から4日まで幕張メッセ(千葉市)で開催された。ここではイベントで特に注目されたキャンピングカーをピックアップした。
俳優・山崎育三郎がイベントに登場!
イベント初日は恒例のオープニングイベントで、キャンピングカーアワード授賞式が開催された。今年は俳優の山崎育三郎が受賞。副賞として1年間のキャンピングカー貸与が送られた。インタビューで山崎は、「僕はインドア派だと思われることが多いが、実はアウトドア派。アメリカ留学時代はファミリー達と一緒にキャンピングカーに乗って出掛けていた。休みができたらまず、家族でキャンピングカーに乗って遠出したい」と、早くもキャンピングカーでの計画を練っている様子だった。
今年は300台以上のキャンピングカーが3ホールを使って展示され、約100施設のキャンプ場や快適に安心して車中泊ができる「RVパーク」なども準備された。中でも目を引いたのは、テレワークや防災にも活用できる車両展示コーナーに新設された「新生活様式×キャンピングカー」だ。災害時に活躍する軽タイプ「かるキャン ナゲット」や簡単に組み立て・分解が可能なドーム型ハウス『イージードームハウス』も出展されて人気を集めていた。
イージードーム
医療機関や自治体から非常時施設としても注目
イージードームハウスは会場の中でも大きな注目を浴びた。このハウスの側面は耐水性、耐衝撃性、耐熱性、耐寒性などに優れた高密度ポリエチレンで、ペグを使うことで強風にも耐えうる仕様となっている。ライフスタイルに合わせて、キャンプ施設やオフィススペース、子供部屋など多彩な用途に対応できるだけでなく、最近は医療機関や自治体から非常時の施設として活用する動きも増え始めているという。
特にコロナ禍の今、新型コロナウイルスの対策品として最適とされ、医療現場だけでもすでに320棟ほどが利用されているという。組み立て式なので普段は収納しておき、組み立てに要する時間は標準モデルで90分程度。必要な時に組み立てられる使い勝手の良さも好評のようだ。外寸全高は2550mm、最大外径は3360mm。重さは約300kg。床面積は7.1平方メートル(約4.5畳)。価格は86万9000円(税込、配送料別)となっている。
コイズミ
被災地での自活拠点機能を盛り込んだ「かるキャン NUGGET」
レジャーだけではなく、様々な制約を受けがちな被災地などで災害ボランティアの自活拠点としての活用を念頭に置いて開発されたモデルだ。スズキ・キャリイをベースに、荷台にはボランティア機材や被災地での自活の為の用品を収納できる「Dプロイボックス」を搭載。上部にはがっしりとしたキャリアも装備されており、就寝スペースとしてルーフ・トップテントも装着されていた。
トイファクトリー×カリモク
天然木を使い安らぎを演出したキャンピングカー
限りなく家庭での雰囲気をそのままキャンピングカー仕立てとしたのがトイファクトリーの「BADEN カリモクver.」だ。BADENはこれまでに数々のキャンピングカーアワードを受賞した同社ブランドで、初のカリモク家具とのコラボレーションとした第一弾は発売直後に完売。今回のモデルはその第二弾として、細部にわたり精密に設計されたファニチャーデザインの中に、カリモク家具ならではのエッセンスを散りばめた。
特に高品質かつ木目の美しいナラ材(オーク)を主に使用し、曲線を基調とした家具はエッジや張り出しを極力抑えた安らぎを感じさせる丸味で演出。自動車用としての耐久性を高められているのは言うまでもない。また、シートやベッドのファブリック素材には、肌さわりが良く耐久性に優れる生地を採用し、カラーリングは優しい色使いのトパーズイエローとシックで落ち着いた空間を醸し出すサファイアネイビーの2色から選べる。
スマイルファクトリー
軽キャンに快適な広さ「横開きポップアップルーフ仕様」
軽キャンパーでもっと広く快適に過ごしたい! そんな願いを込めてスマイルファクトリー(島根県益田市)が新開発したのが軽キャンパー『オフタイムトラベラー2』の「横開きポップアップルーフ仕様」だ。ポップアップルーフを横開きにし、テントのフレームを内側からロックさせることで、テーブルを使用できる大人2人のリビング空間(長さ1800mm×幅1070mm×高さ1000mm)を展開可能とした。
展開時は大人2人が対話できる広さを確保し、軽キャンパーとは思えない広さが確保できるという。この広さによって実現するのは、気兼ねなく上下で別行動パターンを実現できる使い方だ。このスタイルはまさに流行のワーケーションにも最適。さらに、ルーフ全体が高くなることで、下ベッドから天井までの高さは2mにもなり、立って着替えをすることもできる。軽キャンパーの悩みだった高さの問題も見事に解決できたというわけだ。
リンエイプロダクト
装備を一人用に割り切り贅沢な“ひとり旅”軽キャンパー
家族や仲間とキャンプするイメージが強いキャンピングカーの中で、あえて「ひとり旅」用とした「マイクロバカンチェス」軽キャンパーとしたのがこのモデル。軽キャンパーは元々幅が狭く、スペースに余裕があまりないのが悩み。2人用とすると、就寝スペースを確保するために冷蔵庫や電子レンジといった設備を搭載できなくなってしまうのだ。そこでこのモデルではまさに1人で使用することを前提にして設計されている。
特に見逃せないのがサブバッテリーで、2000Wインバータを備えた大型のものを搭載して電子レンジが使えるようにし、さらに冷蔵庫も40Lの収容量を備える上開きのものとしている。ベッドは背が高い人でも対応できるよう、前席シートのすぐ後ろに延長用マットも追加できる設計。TVも19型の少し大きめのサイズとしている。さらにスポットクーラーの装着も可能と、1人で過ごす場合に何が必要なのかをしっかり見極めた上での装備となっているのだ。
ホワイトハウス
大人気の『ベルランゴ』と『リフター』にポップアップルーフ
大人気となっているシトロエン『ベルランゴ』と、プジョー『リフター』にポップアップルーフを装着したキャンパー仕様車がホワイトハウスから登場した。その車両は、シトロエン・ベルランゴ「キャンパー・ソレイユ」と、プジョー・リフター「キャンパー・シエル」。両側スライドドアを備え、多彩なシートアレンジを活かした広大な荷室が特徴となる。ポップアップルーフ内のベッドサイズは1100mm×1900mmと大人2人がゆったりと横になれる広さ。全ての窓に車両専用の遮光シェードを装着済みなのもうれしい。
下のフラットベッドは収納性と利便性を兼ね備えた着脱可能仕様。ベッドの下にはスライト式の収納ボックスも装備される。また、このスライドボックスにはオプションとしてスライド式アウトギャレーを装備することも可能だ。また、暖房用に微量のガソリンを燃焼させてサブバッテリーにより作動する「エアヒーター」を装備して快適性を高めている。さらにスライドドアとリアゲートには虫除け対策としてモスキーネットを装備。夏の夜間や睡眠時も自然換気によって快適に過ごせそうだ。
パナソニック
バンコン/キャブコンに多彩な車種に取り付けられる大画面ナビ
移動した先でTV番組やAVコンテンツを楽しみたいと思う人は少なくない。そんな中でパナソニックが用意したのが10型大画面を実現したストラーダ「CN-F1X10BLD」である。ダッシュパネルからディスプレイ部をフローティングすることで、2DINサイズの開口部でも大画面の取り付けを可能にした。その対象は430車種以上。しかもディスプレイには黒の沈み込みを極めることで優れた色再現性を実現した有機ELを採用した。
再生できるメディアもCDやDVDだけじゃなく、ハイビジョン画質を活かせるブルーレイにも対応。大画面によるわかりやすいルートガイドを実現しているのは言うまでもない。また、ナビとの連携が可能なドライブレコーダー「CA-DR03HTD」やリアビューカメラ「CY-RC500HD」も組み合わされていた。
ナッツRV
サブバッテリーを走行4時間で満充電する「ハイパーEVO」を開発
キャンパーにとって重要なのは何と言っても電源。その電源として使うリチウムイオンバッテリーの能力を最大限に引き出すための管理モジュールが「ハイパーEVO」だ。このモジュールによって、高効率に充電できる「ラピードモード」を用意。大容量100Ahリチウムイオンバッテリーを4個を約4時間の走行で満充電する。しかも、走行中だけでなくアイドリング時でも高効率な充電制御を可能としているのだ。
一方で、バッテリーを優しくいたわって充電する「ケアモード」を搭載し、保管時には昇圧による充電を中止して最大80%まで充電とすることができる。さらにインバーター充電モードを使用することでバッテリーを痛めにくく、バッテリー特性に最適な“いたわり充電”が可能となる。また、安全性の高いリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用。重量は1個あたり13kgと鉛バッテリーの約半分で済むというメリットも備える。