カートリッジとは、簡単にいうとレコード針だ。音質はカートリッジの選び方で大きく変わってくる。。MM型とMC型は、磁石が動くかコイルが動くかの違い。針交換も自分でできるなど、初心者にピッタリなのはMM型だ。
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「カートリッジ」とはいったい何なのか?
カートリッジとは、簡単にいうとレコード針だ。アナログのレコード盤から音を拾う部分であり、「ピックアップ」と呼ばれることもある。
カートリッジは「小さな発電機」と考えよう。発電の仕組みによってMM(ムービングマグネット)型とMC(ムービングコイル)型に分かれるが、働きとしては、レコード盤の溝に刻まれた音楽情報をなぞって、その振幅を電気信号に変換している。
信号はとても微弱で最上流にあるため、音質はカートリッジの選び方で大きく変わってくる。
MM型とMC型は、磁石が動くかコイルが動くかの違い。MM型はシンプルで高出力、針交換も自分でできるなど、初心者にピッタリ。レコードプレーヤーに付属してくるカートリッジは、ほぼMM型と思っていい。
MC型はその反対で、一品一品が熟練者による手作りの高級品だ。針交換はめんどうで、操作もデリケートなため、初心者には扱いにくい。
▶︎カートリッジの2大方式
MM型
針の動きでマグネットが振動して発電する方式。出力電圧が大きく、針交換も簡単で、入門者に向いている。
MC型
針の動きでコイルが振動して発電する方式。レンジが広く高音質だが、低出力のためMC(昇圧)トランスが必要。
シティ・ポップならMM型かVM型を!
手軽にシティ・ポップを聴くならMM型や、オーディオテクニカが特許を持つVM型(MM型の仲間)がおすすめだといえる。ここでは、3モデルほど紹介しよう。
日本のオーディオテクニカは明るくパンチの効いた、すがすがしいサウンド。海外製品の中でも英国のゴールドリング、デンマークのオルトフォンは、品格のあるしっとり系だ。
お国によってボーカルも楽器の表情も違い、それぞれに個性があっておもしろい。アナログならではの楽しみを味わってほしい。
▶︎おすすめのカートリッジ
オーディオテクニカ
AT-VM95E/H VM型
実売価格例:1万450円
シェル付きのVM型カートリッジだ。トレース性能のいい接合だ円針を採用。4ミリボルトの高出力で、針先が見やすいのもいい。
ゴールドリング
E3-MM MM型
実売価格例:1万9380円
同ブランドのエントリーシリーズでMM型モデル。交換針も安く、コスパが高い。帯域バランスが整い、音楽をすなおに楽しめる。
オルトフォン
2M-RED MM型
実売価格例:1万3600円
2Mシリーズの中核モデルで、各社のプレーヤーに採用されている。高性能な小型エンジンで、再生音はナチュラル。
※価格は記事作成時のものです。
■解説/林 正儀 (AV評論家)