寒さが徐々に増し、体調を崩しやすくなるこれからの季節。バランスの取れた食事や適度な運動も大切だが、住環境や生活リズムをしっかり整えることでトラブルの回避ができる。今回は、さまざまな角度から、秋~冬の健康維持に寄り添う空調家電や睡眠時サポートのアイテムを集めてみた。
目指せ!家電選びの達人今回は「室内環境と健康を考える」
秋・冬は空清、除菌・脱臭、加湿と総合的に空気の質を整えて、快適に過ごそう!
寒さが徐々に増し、体調を崩しやすくなるこれからの季節。バランスの取れた食事や適度な運動も大切だが、住環境や生活リズムをしっかり整えることも、トラブルの回避に大きく役立つ。今回は、さまざまな角度から、秋~冬の健康維持に寄り添うアイテムを集めてみた。
ウイルスに負けない環境作り
部屋の環境を快適に保つための家電を紹介
相変わらず、新型コロナ感染症の猛威が懸念される昨今。特に秋以降は、気温や湿度が下がってウイルスが活発化し、さまざまな感染症の不安が高まる時季だ。
家庭でも、部屋の環境を快適に保ち、体調をしっかりと整えておきたいもの。そこで特に意識したいのは、空気の質と睡眠だ。空気のきれいな室内で、適切な温度と湿度を実現し、夜はしっかりと休息。そんな生活をバックアップしてくれる家電を紹介しよう。
コロナ禍で人気拡大
次亜塩素酸を使った除菌・脱臭モデルが話題
●パナソニック〈空間除菌脱臭機〉
フィルターでホコリを集塵する空気清浄機とは異なり、本体内部で発生させた次亜塩素酸で、空気を除菌・脱臭するジアイーノ。高い除菌力を有する次亜塩素酸は、噴霧の濃度が高すぎると体にリスクがあるが、本機では安全な濃度に調節している。高い効果を発揮しながら、安心して使うことができるため、病院や介護施設、保育園でも、導入するケースが多い。
最新機種では、加湿モードが新設され、乾燥する時期の使用がより有効になった。水回りの本格お手入れも、月に1回だったものが半年に1回となり、使いやすさが増している。
パナソニック
ジアイーノ
F-MV4300
実売価格例:16万5000円
本体内で生成した次亜塩素酸水溶液を使い、吸い込んだ部屋の空気を水洗いするようにスッキリ除菌&脱臭。コロナ禍で注目され、今年に入って累計販売台数20万台を突破した。
次亜塩素酸 空間除菌脱臭機
塩タブレットを自動で投入して、次亜塩素酸を生成
▶次亜塩素酸 空間浄化技術
水道水と塩を電気分解することで、本体内部で次亜塩素酸を生成。安全な濃度ながら高い除菌効果を発揮する次亜塩素酸を放出し、浮遊菌や付着菌を内側から分解する。
塩タブレット自動投入
塩タブレットを自動で投入する機能を搭載するので、自分で入れたり、混ぜたりする手間は不要。
▶除菌フィルターとタンクの手入れ
(1)除菌フィルターは、週に1度軽く水ですすぐだけ。
(2)押し洗いをする本格ケアは、半年に1回でOK。
(3)タンクは手がすっぽり入るデザインで、奥まで洗いやすく、乾きやすい。
●日立〈除菌脱臭機〉
日立が、2021年4月月に発売した次亜塩素酸除菌脱臭機。家庭用の初代ジアイーノが発売されてから約3年半が経過しての登場だが、そこに、次亜塩素酸の濃度コントロールの難しさがうかがえる。
本機は、次亜塩素酸の発生システムに加え、集塵フィルターを搭載しているのがポイント。吸い込んだ空気から、花粉やPM2.5などの汚れも除去し、空気を二重に浄化する。
また、ホコリで汚れがちなプレフィルターには、自動おそうじユニットを搭載するなど、高機能な一台に仕上げている。
次亜塩素酸除菌脱臭機
ジアクリン
ZP-GA1000T
実売価格例:11万円
一般的なフィルター式の空気清浄機能と、次亜塩素酸による除菌脱臭機能を併せ持つ一台。搭載しているアレルオフHEPAフィルターは、捕獲したアレル物質の活動を抑制する効果がある。
HEPA&脱臭フィルター+次亜塩素酸で除菌・脱臭
▶次亜塩素酸&フィルターの「W効果」
HEPAフィルター&脱臭フィルターの採用で、空気中のチリやホコリを集塵。さらに次亜塩素酸を含んだ加湿フィルターを通過させ、空気の汚れやニオイをダブルで浄化する。
▶次亜塩素酸生成ユニット】
水と塩化ナトリウムを次亜塩素酸生成ユニット内で電気分解。高い濃度の電解水を生成し、加湿フィルターに浸透させる。
▶自動おそうじユニット
運転48時間ごとに、プレフィルターのホコリをブラシで除去。ブラシとダストボックスは抗菌仕様で、細菌の増殖を抑え、清潔に使える。
●ダイニチ〈ハイブリッド式加湿機〉
内部にカビや雑菌を発生させないため、加湿機はメンテナンス性の高さが重要となる。本機は、水をためるトレー部に、使い捨てのプラスチックカバーを導入。1シーズンに1回交換する仕様で、めんどうな水洗いの手間を軽減した。2021年からは、下位機種(RXTシリーズ)にもこのカバーを採用し、使いやすさを広めている。
また、感染症対策として常に適湿を保ちたいというニーズにこたえ、スマホでの操作にも対応。市販のスマートリモコンは必要になるが、さまざまな箇所に独自の姿勢が見られる。
ダイニチ
HD-LX1221
実売価格例:4万1580円
加湿機シェアNo.1を誇るダイニチの新製品。加湿量最大1200ミリリットル/時のハイパワーで、広い空間をしっかり加湿。静音性も実現し、シックでモダンなデザインも人気。
ハイブリッド式加湿機
メンテなど使い勝手が良好。スマートリモコンにも対応
▶カンタン取替えトレイカバー
加湿トレーをプラスチックカバーで覆うことで、メンテナンスの手間を軽減。カバーは汚れたら交換するため、清潔な状態が維持でき、カビの発生を防ぐ。
▶大容量&持ちやすい
7リットルの大容量タンクは、上下に取っ手を装備。両手でしっかり支えられるため、給水→持ち運び→本体に戻すという動作が安定し、作業がスムーズ。
▶スマートリモコン対応
遠隔操作には、市販のスマートリモコンを使用。スマホからアプリで指示すると、赤外線を介して加湿機本体に伝わる。本体から離れた場所や、外出先からでも操作が可能だ。
●ダイソン〈空清+ファンヒーター〉
設置面積A4サイズのコンパクトボディに、空気清浄機、扇風機、ヒーターの3役が詰まった一台。毎秒320リットルの空気を送り出す「Air Multiplier(エア マルチプライアー)テクノロジー」で、きれいな空気を遠くまで届け、部屋を隅々まで温める。
本体には、PM0.1レベルの微粒子も捕獲する高性能フィルターを搭載し、小さなチリまでしっかり除去。このフィルターの性能をより生かすため、最新機では、本体内部にあったすき間を徹底的に埋め、吸い込んだ空気が確実にフィルターを通過する構造となった。浄化された風のみが放出される仕組みだ。
ダイソン
Dyson Purifier Hot+Cool 空気清浄ファンヒーター
実売価格例:8万1400円
省スペースながら、空気清浄機、扇風機、ファンヒーターの3役を兼ねる多機能モデル。最新モデルでは本体の気密性がアップ。微細なPM0.1も99.95%閉じ込め、確実に浄化された風を送り出す。
空気清浄機+ファンヒーター
空気清浄された、きれいな温風、涼風を送り出す
▶密閉性が向上した本体
本体内部の接着箇所を見直し、送風口と本体のつなぎ目などのすき間を、高い圧力で密閉。空気のわずかな漏れも逃さず、フィルターで浄化された空気のみを放出する。
▶空気清浄ファンヒーター&ディフューズドモード
冬は、パワフルな送風により、部屋全体に素早く均一に暖かい空気を届けられる。
ディフューズドモードでは、本体後方の開口部から柔らかく空気を送り出すため、風が直接体に当たることを防ぐ。
▶「Dyson Link」アプリ
専用アプリを利用することで、遠隔操作が可能に。空気の状態や温度、湿度、メンテナンス時期なども、リアルタイムで知らせてくれる。
健康には睡眠も重要
冷却まくらやヘッドバンドで快眠をアシスト
●アイリスオーヤマ〈快眠まくら〉
ありそうでなかった、電気式の冷却まくら。本体内のペルチェ素子で冷やした水を、冷却シート内で循環させることで、頭部を適度な温度に冷やし、快適な眠りをサポートする。夏の熱帯夜など、暑さでうまく寝つけないときもしっかり休息できるため、継続的な体力作りに役立つ。
そのほか、急な発熱時にも、氷まくらとして使えて効果的だ。心地いい冷たさが続くため、途中で起き上がって取り替える必要がなく、一人暮らしにも心強い。
アイリスオーヤマ
快眠クールまくら KCP-450
実売価格例:1万5480円
睡眠サポート冷却まくら
手持ちのまくらに装着し、長時間頭部を冷やせる新アイテム。小型冷蔵庫などに使われるペルチェ素子で冷やした水を冷却シートに循環させ、冷たい触感をキープする。
ひんやりと心地よく、眠りやすい状態を作ってくれる
▶おやすみモード/連続冷却モード
睡眠のリズムに合わせ、温度を自動コントロールする「おやすみモード」を搭載。設定した強さをキープする「連続冷却モード」は、発熱時の使用に便利。
▶本体操作パネル
冷却の強さは3段階切り替え。使用時間は0.5~12時間まで設定できる。暑さ指数(WBGT値)に基づき、熱中症の危険度を3段階で知らせるナビ機能も搭載した。
▶冷却シート
冷却シートは、まくらとまくらカバーの間に入れて使用。スイッチを入れるとみるみる冷え、頭を乗せるとひんやり心地いい。頭部を冷やして深部体温を下げ、眠りやすい状態を作る。
●フィリップス〈ヘッドバンド〉
睡眠領域の専門家との14年間の研究により開発されたという快眠ヘッドバンド。新製品では、寝ている間の脳波を計測し、熟睡時に出現する徐波を音で活性化して、深い睡眠の持続時間を延ばすというユニークな手法を取っている。短時間の睡眠でもしっかり脳を休めることができ、続けて使うことで、パフォーマンスの向上や免疫力アップが期待できる。
これに加えて、心地いいサウンドで眠りに誘うスリープ機能や、眠りが浅くなったタイミングですっきり起こすスマートアラーム機能も搭載。睡眠中だけでなく、入眠から起床まで、トータルでフォローしてくれる。
フィリップス
SmartSleep ディープスリープ
ヘッドバンド2 HH1607
実売価格例:5万1700円
ハーバード大学医学部教授など、睡眠領域の世界的な専門チームが携わり開発された、快眠促進デバイス。深い睡眠の質を音で高める「睡眠ブースト」など、独自の技術を備える。
睡眠サポートヘッドバンド
センサーを搭載したヘッドバンドが眠りの質を高める
▶ヘッドバンドを装着して睡眠
センサーを搭載したヘッドバンドを装着して就寝。深い睡眠を感知すると、500〜2000ヘルツの断続的なオーディオトーンを流し、眠りの質を高める。
▶フィット感は調整可能
骨伝導スピーカーの採用で、耳元を覆わないデザインを実現。フィット感のあるソフトな装着感で、バンドの長さを変えて微調整も可。
▶「SleepMapper」アプリ
本体は、専用アプリと連係させて使用。アラームやスリープサウンドの種類が設定できるほか、データを蓄積して、睡眠時間や睡眠の質を可視化することができる。
まとめ
本連載では、数々の家電を紹介してきた。家電の役割は家事の負担の軽減だが、本当の価値は、その先にある豊かな暮らしの創造にある。例えば空気清浄機なら、こまめな換気や掃除の負担を回避しながら、安心で快適な空間を作ることができる。しかも、微細なウイルスまで除去できるなど、メリットも多い。家電は人を幸せにする魔法の箱。自分に合うものを選んで、暮らしの向上に役立ててほしい。
※価格は記事作成時のものです。
◆取材・執筆/諏訪圭伊子(フリーライター)