レコードを楽しむとき、スピーカーとともに、最も大きく音質を左右するのがカートリッジだ。スピーカーを交換するよりもずっと手軽だが、国産あり、海外製品ありで、価格もピンキリなのでどれを選べばいいか迷ってしまう。ここでは、「エントリー向けのMM型」「上級者向けのMC型」2製品ずつおすすめを紹介しよう。
音楽ジャンルや音の傾向など、好みで選びたい
スピーカーとともに、最も大きく音質を左右するのがカートリッジだ。
「音の宝石」とも呼ばれ、カートリッジごとに音の輝きと色合いが違う。カートリッジを5個、10個、それ以上とたくさん集めて楽しむコレクターもいるほどだ(筆者もそれに近い)。
スピーカーを交換するよりもずっと手軽だが、国産あり、海外製品ありで、価格もピンキリなのでどれを選べばいいか迷ってしまう。
目安になるのが、「エントリー向けのMM型」「上級者向けのMC型」という分類だ。
とはいえ、実際の音質・音調は千差万別。ここでは、2製品ずつおすすめを紹介しよう。
まず、高出力で使いやすいMM型から。中電のMG-3675だ。中央電子工業のカートリッジ部門で、新しいMG-36シリーズの兄貴分となるMMタイプ。
特殊磁気回路により、7.5ミリボルトも出力があるのが特徴(弟機のMG-3605はなんと9.5ミリボルト!)。普通の倍近い高出力が効いて、厚くスケールの大きなサウンドが持ち味だ。
中電
MG-3675
実売価格例:1万3300円
※「カンチレバー」とは、レコード針の振動をマグネットに伝えるパーツ。
「レコード針のナガオカ」が80周年記念で発売したのが、ジュエルトーンブランドのJT-80BKと80LB。外観はそっくりだが針が違い、80BKはより高価でハイファイ指向だ。クラシック音楽で自然な音質を楽しみたい人向け。ポップスやジャズ、ロックを聴きたいなら80LBがおすすめ。出力は5ミリボルト。
ナガオカ
JT-80LB
実売価格例:2万2000円
一方、低出力でより高音質なのが、MC型だ。出力を10倍に高める昇圧トランスが別途必要となる。
デノンの110周年記念モデル、DL-A110は、専用のヘッドシェル付き。そのおかげで、名機、DL-103よりもタイトでキレのあるサウンドとなっている。
デノン
DL-A110
実売価格例:7万2600円
オーディオテクニカの高級モデル、AT-ART9XAは、現代的かつワイドレンジな再生で、非常に解像度が高く音場を緻密に再現する。それぞれに魅力があり、好みと合わせて選んでほしい。
オーディオテクニカ
AT-ART9XA
実売価格例:14万8500円
※価格は記事作成時のものです。
■解説/林正儀 (AV評論家)
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