【私の偏愛品】30年使い続けているセーラー万年筆『プロフィットスタンダード21万年筆』+『極黒』にたどり着いた理由とメンテナンス方法

レビュー

30年間使い続けている1本の万年筆があります。それが、セーラー万年筆『プロフィットスタンダード21万年筆』。著者の人生の半分以上を共にしている1本。どうやってその1本に決めたのかなど、万年筆の選び方やメンテナンス方法などをご紹介します。

愛用歴30年。筆記することを楽しむ万年筆の魅力

子どものころから「文字を書くこと」が好きだった筆者。ノートを書くのも、手紙を書くのも大好きでした。現代は筆記用具の進化も目覚ましく、書きやすいツールが増えています。そんな中、あえて「万年筆」を語りたいのは、筆者が30年愛用している1本があるから。ただ“おしゃれ”という理由だけではない、書き心地の良さや文字から伝わる温かみがあるのです。

 

デジタル時代の世の中だからこそアナログなツールの良さがある

「万年筆」とは、その名の通り「万年」(長く)使えるツール。インクがペン先に送られていく毛細管現象により筆記をします。今から30年前、学生だった筆者に、祖父母が万年筆をプレゼントしてくれることになりました。「自分に合う1本を見つけなさい」と万年筆売り場へ。様々なメーカーの万年筆を試し、「これ!」と思ったのが今回ご紹介する万年筆です。

セーラー万年筆『プロフィットスタンダード21万年筆』(税込30,800円)は、30年前と変わらぬデザインで、現在も発売されています。

 

どうやって万年筆を選んだのか

文具店などに行くと、様々なメーカーの万年筆が集まった万年筆売り場があります。そこでお気に入りの1本を見つけるためには「試し書き」をするのが1番! 予算や万年筆メーカー、デザインなど、様々な万年筆を目の前にすると、自分のこだわりたいポイントが段々とはっきりとしてきます。

 

試し書きをして自分に合う1本を見つける

当時の筆者は海外ブランドに憧れていたので、試し書きも海外ブランドの万年筆ばかりでした。数本程度試してみると、なぜか海外ブランドはしっくりとこない。ペン先の固さ、しなり具合など、万年筆の個性がそれぞれあまりにも違い、自分の求めている文字が書けなかったのです。その日はカタログなどをもらって帰宅。また別日に改めて万年筆売り場へと向かいます。

筆者が書くのは「日本語」。これはやはり国産ブランドの方がいいのではないかと思い、次は国産ブランドの試し書きをさせて頂きました。ローマ字などの筆記は横書きのみですが、日本語は縦書きの動きも入ります。ここが見極めるポイントでした。

 

最終的にはあれこれ考えずに「書きやすい」と思うものを選ぶ

ちなみに試し書きをする時は、簡単なストロークや自分の名前にある文字など、普段当たり前のように書く文字を書いてみるのがおすすめです。自分の手のクセに対してペン先がどうやって動いていくか、万年筆の本体の重さ、持った時の安定感など、候補を絞っていきます。最終的には何も考えないで書いた時に「書きやすい!」と思えるものが1番です。著者の場合はそれがセーラー万年筆『プロフィットスタンダード21万年筆』でした。

 

書き味に重要なのは「ニブ」

万年筆のペン先のことをニブと呼びます。ここがもっとも大切なパーツ。この部分が何で出来ているかで、それぞれ違った書き味になります。当時の筆者が選んだのは、21K(21金)。金で出来ているものを選びました。14K、18Kなどがあり、数値が大きいほどペン先に柔らかさがあります。筆圧によってしなるので、線幅に抑揚が出やすくもなります。

さらにペン先には極細、細字、中字、太字、ズーム、ミュージックといった字幅の種類があります。繊細な文字を書くのが好みだったので、細字を選びました。

 

インクの補充は周りを汚さないように注意しながら落ち着いて

インクはカートリッジで補充するタイプです。ペン軸と胴を外して、カートリッジを交換します。カートリッジを変えることで別の色のインクにすることもできますが、愛用中の1本は黒インクのみで使い続けています。

 

『極黒(きわぐろ)』お気に入りの黒で文字を書く

『万年筆用カートリッジインク 極黒(きわぐろ)』(12本・税込660円・発売中)。これはもう何本リピートしたか分からないくらいお気に入りのインクです。

セーラー独自開発による超微粒子顔料インク。超微粒子顔料インクは、水に強く、にじみにくい、裏抜けしにくいのが特徴です。

「極黒」というネーミングにもグッときますが、くっきりと艶やかな黒。これは実際に目にしてみると分かるものなのですが、一般的なボールペンやゲルインクペンとは発色感が違い、文字の美しさを引き立ててくれる黒なのです。

長く使い続けるためのメンテナンスに『万年筆サポートキット』

長く使い続けるためには、メンテナンスも必要です。そう聞くと面倒だと感じる人もいるかもしれませんが、全く難しいことはありません。サポートキットなども販売されているので、そちらを使っていきましょう。

セーラー万年筆『万年筆サポートキット』(税込1,320円・発売中)※著者が購入したものはリニューアル前のものです。

万年筆が書けなくなるのは、インクがペン芯内部で固まり流れにくくなってしまうことにあります。定期的に水で洗浄することで、ペン先の状態を良好に保つことが出来ます。

 

サポートキットを使ってみよう 〜使い方

カートリッジを取り外して、ペン先を水に浸します。

そのまま一晩浸しておきましょう。

サポートキットの洗浄器を使うと、しっかりキレイになります。

水の中でゆっくりと洗浄器のピストンを上下させて、水の吸入と排出をします。

細かな汚れも落とすことができるのであると便利ですね。

ペン先の水気を拭き取って、新しいカートリッジをセットしましょう。

胴にセットして使うことで、またなめらかなインクの流れで筆記を楽しむことができます。

 

1番のメンテナンスは毎日使うこと

特別な時に使うのではなく、とにかく日々の筆記具として使うこと。それが万年筆にとっての一番のメンテナンスです。常に書いていることで、ペン先が乾かずにインクがとどまらない。日々のメンテナンスも楽になります。

 

ちなみに、万年筆を使う時には「下敷き」にもこだわっています。著者のお気に入りは、リサイクルレザー素材のITOYAオリジナル「デスクマット」です。

 

まとめ:万年筆愛 ~書くためのツールを大事にして、人生を丁寧に歩む

気がついたら30年を共にしている万年筆。もしかしたら、筆者が1番人生を共にしているモノかもしれません。パソコンやスマホなどが登場して、現代は書く機会が圧倒的に減りました。そんな時に万年筆があると、手を動かして自分の文字を書こう、アナログも大事にしようと思えたりします。

筆記するツールにこだわって使い続けること。これが自分自身との対話にもなっていると思います。アナログなツールだからこそ、「物を大切にする」という想いを生活に宿してくれるのも魅力かもしれません。

公式サイト

Amazon販売ページ

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櫻よう子

さくら・ようこ◎暮らしとアートのマルチクリエイター。美術大学でデザイン/マーケティングを学び、卒業後は数々の商品開発やレシピ開発に携わる。レシピコンテストグランプリを2度受賞。Webメディアでの執筆・連載多数。調理、アートワーク制作、撮影すべてをこなす。アート講師、マクロビオティックセラピストなどの顔も持つ。食や美容にも関心が高く、自然散策、美術鑑賞が趣味。

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