100均のアクリル絵具でできるサビ加工のやり方について、解説します。サビ加工を覚えると、いつものアイテムに味わいを生むことができ、それまでとは違った表情を楽しめます。難しい技術も必要ないため、「ちょっとイメージチェンジをしたいな」と思うものに、気軽に試してみてください。
サビ加工DIY
サビ加工に必要なもの
「サビ加工」と聞くと専用の塗料を塗ったりなど、何か難しそうな印象を受けますよね。でも大丈夫。サビ加工はたった二つの用具を用意するだけで、初心者の方でも簡単に作れてしまうのです。
ペンキ
1つ目はペンキ。色は黒と茶色の2色が必要です。茶色がなければ、黄色+赤+黒で色を混ぜて作れます。
サビ加工をプラスしたいものの素材によって、適したペンキの種類が異なります。
とはいえ、大体のものはアクリル絵具で問題ないでしょう。画像のペンキも100均で購入したアクリル絵具です。
スポンジ
2つ目はスポンジ。こちらも100均で販売されているメラミンスポンジです。
サビ加工をする範囲によっては、もう少し大きいタイプの方が使いやすいでしょう。
筆ではなくスポンジの理由
サビ加工では、筆ではなくスポンジを使います。
スポンジでないとならない理由は、スポンジの細かい穴がサビ特有のザラザラした質感を表すのに適しているためです。
加えてスポンジは「ポンポン」と叩いて塗料を塗るため、色の広がりがまばらになります。筆のようにまっすぐ均一に色が伸びないため、ランダムに広がるサビの表現にぴったり。
以上の2つの理由から、サビ加工には筆ではなくスポンジを用いましょう。
サビ加工のやり方
ここからは、実際のサビ加工のやり方について解説していきます。
調色をする
最初に絵の具の調色をしましょう。
サビの色は2色作ります。今回は、薄い茶色と濃いめの茶色です。黄色に赤を混ぜたあと、少しずつ黒を足していきます。
本物のサビをよく見てみると一言で「茶色」とは言えないほど、複雑なグラデーションになっていることに気づきます。サビ加工も微妙に色を変えてグラデーションにすると、本物らしくなりますよ。
さらに、サビは素材によって赤茶になったり黒になったりするもの。サビ加工を加えるものが実際にサビたらどのような色味を出すのか、イメージをしながらサビ色を作ります。
茶色カラーでサビ加工
できあがったサビ色は、最初に薄い方から塗っていきます。
サビが実際にできそうな場所はどのへんか、イメージをしながら少しずつスポンジで絵の具を叩いていきましょう。
基本は
- 面と面の境目のライン
- 雨にもっとも打たれる上部
- 雨がたまりやすそうなところ
- 雨の雫がよく落ちてきそうな場所
を意識して塗ると、本物のサビっぽくなりますよ。
濃い茶色→黒で範囲を狭めて塗っていくサビ加工
その後、もう片方の濃い色のサビを薄い色のサビよりも狭い範囲で塗っていきます。
薄い茶色に馴染ませるように、かといってお互いの色が混ざりすぎない程度に……調整が難しいですが、ここをていねいにやるとサビらしさが増します。
最後に、黒をほんの少しだけプラス。全体のサビのバランスを見ながら、とくにサビがひどくなりそうな部分にだけ黒をのせます。
乾かして完成!
その後、乾かせば完成です。
おもちゃの古い車が、雰囲気のあるクラシックカーに生まれ変わりました。
その他のアイテムもサビ加工してみた
次に、せっかくなので何の変哲も無いセロハンテープにもサビ加工をしてみました。
ベースカラーをスポンジで満遍なく塗る
まず、ベースのブラウンカラーを深めのモスグリーンに塗り替えます。広い面積ですが、筆ではなくスポンジを使うのがおすすめ。
スポンジの細かい凸凹がペンキに写り、鉄素材のような印象になります。
サビができそうなところにがあるところにサビ塗装を
ベースのモスグリーンが乾いたら、次はサビ加工です。車の時と同様に、サビの色は2種類用意します。
面と面の境目や凹凸部分など、サビができやすそうなところにグラデーションでサビ色を足しました。
インダストリアルなセロハンテープ台が完成!
すべて乾いたら完成。
インダストリアルな、かっこいいセロハンテープ台になりました。
ベースの色が濃い場合、サビの色は目立ちにくいです。そのため「もっとサビ色を明るくしよう」「もっとサビの面積を足そう」と思ってしまいがちですが、不自然なサビはリアルさに欠けます。
無理に明るい色のサビをプラスしたり、サビの場所を増やしたりしようとせず、あくまで「本体の素材にサビがついたらどのような色になるか」「どこにサビが付くのか」を意識して色をつけていきましょう。
サビ加工を上手にやるポイント
サビ加工は、赤茶・茶色のサビ色をプラスするだけで完成するため、失敗は少ないです。
しかしサビが発生するポイントをイメージできなかったり、どのような色のサビが付くのかわからなかったりすることもあるでしょう。
サビのイメージがうまく湧かないときは、本物を見ながらやるのがおすすめ!
「サビ加工をプラスしたい素材+サビ」で検索をして実物を見れば、サビのイメージが湧きやすくなります。たとえば今回なら「車+サビ」「セロハンテープ台+サビ」など。
もし検索で出てこない場合は、「素材+サビ」でもOK です。「金属+サビ」「鉄+サビ」など、サビ加工をしたいものの素材名を入れて検索をしてみましょう。
まとめ
サビ加工はとても簡単です。スポンジでサビ色をほんの少しプラスするだけで、実際に錆たような表情に変化します。
難しいポイントがないため、不器用な人や普段はDIYをしない人、絵の具など塗料を扱う機会のない人でも、大丈夫。まずは身近な品からチャレンジして、楽しんでみてくださいね。