パナソニックは、Technics(テクニクス)ブランドからブックシェルフスピーカーの新製品として「SB-C600」を発売した。本製品は、新開発となる同軸2ウェイユニットを採用しているのが特徴で、このユニットの導入により明瞭な音像定位と広いサウンドステージを実現している。
パナソニック
SB-C600
●価格:11万円(ペア)
明瞭な音像定位を再現し、立体的な音場を実現するブックシェルフスピーカー
パナソニックは、Technics(テクニクス)ブランドから、新開発の同軸ユニットを搭載したブックシェルフスピーカ「SB-C600」を発売した。
「SB-C600」は、点音源・リニアフェーズ思想を受け継いだ2ウェイ2スピーカー構成のブックシェルフ型のスピーカーシステムで、新開発の同軸ユニットの採用により、明瞭な音像定位と広いサウンドステージを実現している。
新開発の同軸ユニットにより、明瞭な音像定位と広いサウンドステージを実現
新開発となる同軸2ウェイユニット「Advanced Phase Precision Driver」は、高域の位相特性を補正する「Linear Phase Plug」や、振動板からバッフルまでスムーズにつながる形状の「Smooth Flow Diaphragm」を新たに導入することで、明瞭な音像定位と、コンパクトながら広いサウンドステージを実現している。
●高域の位相ずれに起因する特性の乱れを補正する「Linear Phase Plug」
「Linear Phase Plug」は、振動板のドームの高さに起因する位相差を補正する機能や、到達時間の速い振動板中心部の波面の進行を遅らせ振動板周辺部の波面と揃える機能、さらには生成した球面波を整える機能の3つの機能を持つ独自形状となっている。同軸ユニットの位相ずれを補正し、指向性が広く透明感のある高域再生を可能としている。
●広いサウンドステージと滑らかな中高域を実現した「Smooth Flow Diaphragm」
「Smooth Flow Diaphragm」は、同軸2ウェイユニットのウーハー部に採用した浅型振動板と、バッフルまでをスムーズにつながるようにするために工夫された形状のことで、音波は、伝達する面に凹凸があるとその形状によって波面が乱され周波数特性の劣化にもつながることから、劣化を抑えるために、この形状を採用している。
浅型振動板には、振動モードや周波数応答解析に基づき、外周部に折り返しの補強構造を設けたり中心部にサブコーンを追加したりするなどの工夫を加え、低い周波数で分割共振が発生しにくい構造となっている。
「SB-C600」同期ユニット周囲の断面図
●振動板素材をアルミニウムとし、音色を統一
同軸2ウェイユニット「Advanced Phase Precision Driver」のウーハーとツィーター部の振動板素材は、どちらもアルマイト処理されたアルミニウムを採用し、音色の統一性を図っている。リニアフェーズ思想と相まって、2ウェイスピーカーでありながらフルレンジユニットのようなまとまりの良い音に仕上げている。
不要な振動を抑制し、音の粒立ちに優れ、立体的な音場を実現する「重心マウント構造」を採用
●スピーカーマウントバッフルにユニットを重心位置で固定・支持
「SB-C600」では、「重心マウント構造」を採用しており、エンクロージャー内部にスピーカーマウントバッフルを設けることで、ユニットを重心位置で固定・支持している。これにより、振動板が振幅したときのユニット自身の揺れを低減し、上下左右にブレの少ない正確な振動板のストロークを実現している。
スピーカーマウントバッフルは振動モード・応力解析などを基に、強度を保ちつつエンクロージャー内部の空気の流れを損なわない形状に最適化することにより、レスポンスに優れた、粒立ちの良い音・立体的な音場を実現している。
●強固な構造を実現し、エンクロージャーの振動を低減
エンクロージャー内部に設けたスピーカーマウントバッフルにより、エンクロージャーの構造もより強固なものとなり、ユニット自身の揺れを低減する重心マウント構造と相まってエンクロージャー全体の振動を低減しています。
これにより、従来のブックシェルフ型スピーカーと比べ、設置したラックなどへの振動の伝播も大幅に低減されるため、音や他の機器への影響を抑えることができる。
本体サイズは、幅173mm、奥行き283mm、高さ293mm、質量は約6.3kg/本。スピーカのサイズは、ウーハーがコーン型で15cm、ツィーターがドーム型で2.5cmとなっている。
※価格は記事作成当時のものです。