キャンピングカーを仕事場に、普段からさまざまなアウトドアグッズや100均グッズをテストしている筆者。なかには稀にですが、「これはダメだろう」と思うものがあります。実は今回紹介する「アルミプレート(たこ焼き用、9穴)」は、そう思っていたアイテムです。「アルミのプレートでは薄すぎて、鉄板の代わりにはならない。きっと焦げてしまう」と。そこで、実際にカセットガスコンロに「アルミプレート(たこ焼き用、9穴)」を乗せて、たこ焼きパーティ(タコパ)に挑戦してみたのです。
執筆者のプロフィール
齋藤千歳(さいとう・ちとせ)
元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9平方メートルの仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。
3枚セット税込110円のたこ焼き器?
つまりは「使い捨てのアルミプレート」
100均ショップのアウトドアグッズのコーナーでたびたび見かけ、「こんな薄いアルミのプレートでは絶対うまく焼けない!」と思っていたのが、「アルミプレート(たこ焼き用、9穴)」です(以下、「アルミプレート9穴」)。税込で110円。いくら安くても、たこ焼きが楽しめるどころか、材料を焦がして無駄にするだけだと、倦厭していたわけです。
しかし、自宅のたこ焼き器の後始末をしているときに、「洗わずに使い捨てにできるなら、110円は安いな」と気付いたのです。自宅で試せば、たとえ失敗しても普段使っているたこ焼き器に差し替えればいいわけです。早速、「アルミプレート9穴」を購入。
ガスコンロで使うには焼き網などが必要
「アルミプレート9穴」を開封してみると、3枚も入っています。パッケージを見直すと、大きく「9穴 3枚」と書かれているのに、完全に見落としていました。「税込110円で3枚も!1枚37円弱?」と安さに感激したのですが、それはある意味、「3枚重ねても、この薄さ」ということです。不安は増すばかり。
しかし、裏面の「ご使用のポイント」を確認すると「●バーベキュー等、直火でない炭火での使用を前提としています。」「カセットコンロの場合、遠火が基本です。五徳に直接乗せず、足付き焼き網などで五徳から3cm 程度上げて直火を避けてください。」との表記が。「カセットガスコンロは直火禁止!遠火が基本!そういうことなのだ」と納得、安心した次第です。
とはいえ、足付き焼き網などは我が家にありません。タコパの前に、足付き焼き網を求めて近くのホームセンターに向かいました。
焼き網を購入
「焼きつ゛つみ 万能焼き 角型」をホームセンターで発見
カセットコンロで使用できる足付き金網などという都合のよいものが、近所のホームセンターで売っているのだろうか?不安に駆られながらも店舗内を探したところ、足付き金網はありませんでしたが「焼きつ゛つみ 万能焼き 角型」(和平フレイズ株式会社)を発見。価格はなんと税込360円。破格です。
足付きではないが五徳から3cm離すことができる
大きさは約225×225×30mm。カセットコンロの五徳に乗せると「アルミプレート9穴」を五徳から約3cm離すことができ、しかも直火の状態も避けられます。ほぼ理想のアイテムといえるでしょう。ちなみに購入した「焼きつ゛つみ 万能焼き 角型」は、わずか360円のアイテムとは思えないほど、現在我が家で活躍してくれています。この件は、また別途どこかでお話しできればと思っています。とにかく、近所のホームセンターなどで見つけたら即買いをおすすめする、便利でコストパフォーマンスの高いアイテムです。
実際にたこ焼きを焼いてみた
焼き網の上にアルミプレート9穴をセット
炭火焼肉を楽しんだあとなどなら、その網の上に「アルミプレート9穴」を乗せて、たこ焼きが楽しめます。しかし、後片付けが嫌いな筆者は、アウトドアでも基本は炭火は使わず、カセットガスコンロです。
まずは、カセットガスコンロの上に焼き網を乗せ、その上に「アルミプレート9穴」をセット。滑ったり、ガタついたりしないか心配しましたが、予想以上に安定感はバッチリです。
生地は「たこ焼き こだわりセット」などにおまかせ
たこ焼きに入れる材料は…と言いたいところですが、筆者はたこ焼き初心者。レシピなどをご紹介する能力はありません。
おいしいたこ焼きのレシピなどは、ほかの情報をご覧いただけると幸いです。ちなみにナマケモノの筆者は、オタフクの「たこ焼き こだわりセット」をそのまま使用しました。
着火は油を敷いて生地を入れてから
普段であれば、「まずは鉄板を加熱して……」と思うところです。ところが、「アルミプレート9穴」の場合、まずはプレートの穴と平らな部分にも油を敷き、生地を流し込んで、ここで初めて着火。加熱を開始します。生地を入れる前に加熱すると、プレートに穴があくことがあるそうなので注意してください。
たこ焼きの場合、穴の半分程度まで生地を入れ、タコや青ネギなどの材料を入れて、最後に穴からあふれる程度の生地を入れるのがおすすめだそうです。
また、火加減にも注意が必要です。「カセットコンロでの強火はプレートが熱くなりすぎる恐れがあります。必ず中火以下で使用し、プレートから煙が出るようでしたら火を弱めてください」と書いてありました。中火以下で加熱すると、うまく焼けるようです。
ひっくり返して、しばらく待てば完成!
しばらくして片面が焼けたら、竹串などでひっくり返します。焼けたものから順番にひっくり返していきましょう。火元に近い、中央部分のたこ焼きから焼け始める傾向があります。
また、注意書きにもありますが、ピックや竹串等とがったものを使用する際は、プレートを突き破らないようにご注意ください。プレート自体が薄いアルミ製なので、力を入れると竹串でも穴が開くことがあるといいます。力加減には注意しましょう。
筆者は数年ぶりにたこ焼きをひっくり返してみましたが、しっかり油を引いておけば、思ったよりも簡単に回転させることができました。
ひっくり返したあとしばらく焼けば、たこ焼きの完成。皿に取って、ソースなどをかけていただきました。
たこ焼き専門店の味には及びませんが、冷凍食品に比べると、作る過程も含めて美味しくて楽しい。今回は家族で楽しみましたが、1人でゆっくりビールを飲みながら焼いても、楽しい時間を過ごせそうです。たこ焼き器を洗うことを考えなくて済むだけで、ほんとうにリラックスできます。
まとめ
ベビーカステラなどのスイーツ系に挑戦するのもあり!
「こんな薄いアルミのプレートで、ほんとうに大丈夫?」と心配でしたが、商品裏面の注意書きをしっかり守れば、かなり上手にたこ焼きを焼くことができました。予想以上です。なにより使い捨てなので、洗い物が減るというのが嬉しい。後片付け嫌いの筆者にはぴったりです。ほかにもシューマイやアヒージョなどもできそうなので、料理の幅も広がります。
ただし、アウトドアで調理するには、たこ焼きは用意する材料が意外と多く、材料を切る手間もかかります。もしかすると、鉄板で焼肉などを楽しんだ後に、ホットケーキミックスなどを使ってベビーカステラなどのスイーツを楽しむ方が喜ばれるかもしれません。
自宅でもアウトドアでも、「アルミプレート9穴」を用意しておくと、ちょっとした楽しみが増えるでしょう。繰り返しになりますが、洗い物のことを考えずに済むのは、ほんとうに幸せです。