コーヒーをおいしく味わいたい、いい香りを楽しみたいなら、ぜひとも自宅で豆を挽くことをおすすめしたい。一日に何度も飲みたいという人は、電動ミルがおすすめ。豆を挽く時間も香りを楽しむ時間も楽しみたいという人は、手挽きミルだ。
[別記事:【コーヒーの抽出の基本】淹れ方一つで味を大きく左右する!美味しく淹れるための様々な器具や抽出技術を解説!→]
楽しみ方に合わせたミル選びを
コーヒー豆は、粉にした直後から酸化が進み、時間とともに風味が損なわれていく。おいしいコーヒーを飲むには、やはり淹れる直前に豆を挽くのがベストだ。
さらにコーヒーが最も香り立つ瞬間は、ミルで豆を挽いているとき。香りの約60%がこのときに発生するといわれている。コーヒーをおいしく味わいたい、いい香りを楽しみたいなら、ぜひとも自宅で豆を挽くことをおすすめしたい。
そこで準備したいのが、豆を挽くための「コーヒーミル」。ミルは「電動ミル」と「手挽きミル」の2種類がある。その特徴を理解して選んでみよう。
「電動ミル」は、スイッチ一つで簡単に挽くことができる手軽さが魅力。一度に3杯分以上と多めの豆を挽く場合や、一日に何度も飲みたいという人は、電動ミルがおすすめだ。
電動ミルには、大きく分けると刃のタイプに「臼式」「ディスク式」「プロペラ式」の3タイプがある。
「臼式」は「コーン式」や「コニカル式」とも呼ばれ、円すい型の刃が回転して豆をすりつぶすように挽く。粉の粒度が均一で、価格も手に入れやすいものが多い。
「ディスク式」は、円盤状の平行刃を使って切り刻むように豆を挽いていくタイプ。価格が高めではあるが、粒度にバラつきがなく微粉が出にくいため、業務用モデルにも使用されることが多い。
「プロペラ式」は、ボタンを押している間だけプロペラ状のカッターが回転するという安価なタイプ。長い時間回転させるほど粒度が細かくなるが、その調整が難しく、粒度にバラつきが出やすいという短所もある。
「手挽きミル」は、その名のとおり手でハンドルを回して豆を挽く手動のミル。1杯分挽くだけでも数分かかるので、1~2杯分と少量の豆を挽くのに適している。その半面、時間がかかるぶん香りを楽しむ時間も増えるので、豆を挽く時間も楽しみになる。
「手挽きミル」に使われる刃は「臼式」。丈夫な金属刃のほかに、丸洗いが可能なセラミック刃のものもある。
電動ミル
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ボンマック
コーヒーミル BM-250N
実売価格例:3万800円
業務用モデルの性能をそのままにダウンサイジングした、レトロなデザインが印象的な電動ミル。
❶メジャースプーンで淹れる杯数分の豆を量り、ホッパーに入れる。挽いているとき豆が出ないようフタをする。
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❷粒度を調整するダイヤルを回し、引き具合を調整する。ペーパードリップの場合は2.5の中細挽きにする。
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❸豆を挽き終えたら、粉受け容器からコーヒー粉を取り出す。本モデルは少量でも取り出しやすい形状。
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❹調整ダイヤルの数字によって粒度が変わる。写真は右から1(細挽き)、2(中細挽き)、3(中挽き)。
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❺挽き終わった粉には、少量ながら微粉も混じる。舌触りが気になる人は、茶こしなどで振るって取り除く。
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メンテナンス方法
❶ネジ留めされているダイヤル部分を取り外したら、内側にある刃やバネなどの細かいパーツを取り外す。
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❷清掃ブラシを使って、刃や本体内側に付着した細かいコーヒー粉を丁寧に取り除く。
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❸清掃ブラシでは取れない細かい溝やネジ穴などに詰まったコーヒー粉は、竹串を使えば取り除ける。
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手挽きミル
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ボンマック
セラミックハンドコーヒーミル
実売価格例:1万500円
コンパクトながら一度に約30gの豆を挽くことができる手挽きミル。新潟県燕三条の職人が作った逸品だ。
❶ハンドル、本体、粉受け容器、フタを分割することができる。本体はステンレス、刃はセラミック製。
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❷刃に搭載された調整ダイヤルで粒度を調整。全閉から回す回数を決めておけば粒度調整も楽にできる。
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❸本体上部から、淹れたい杯数分の豆を入れる。最大容量は約30g、およそ2~3杯分を挽くことができる。
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❹フタとハンドルをセット。本体を握りながらハンドルを回して豆を挽く。グリップ付きで滑りにくい。
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❺ハンドルを挽く手ごたえがなくなったら完了。粉受け容器の中からコーヒー粉を取り出す。
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メンテナンス方法
❶本体内側にある粒度調整ダイヤルを回して刃を外す。刃はセラミック製の臼式を採用している。
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❷清掃ブラシで内側に付着した細かいコーヒー粉を丁寧に落としていく。使用後に毎回行うのがベスト。
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❸セラミック刃は水で洗うことができる。酸素系漂白剤を使用するときれいに落とせる。洗浄後はよく乾かす。
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※製品の価格は、特別に表記のないかぎり、消費税込みの総額です。
※製品の仕様や価格は制作時のもので、その後、諸事情により変更されている場合があります。
※コーヒーの抽出方法は、解説内容に合わせた使いこなしの一例であり、器具メーカーの公式な使用手順とは沿わない場合があります。
※この記事は『自宅で楽しむおいしい珈琲の淹れ方』(マキノ出版)に掲載されています。