【林正儀セレクト】魅惑のコンポ(6)真空管アンプで愉悦のレコード再生を堪能する

家電・AV

人気が再燃しているアナログレコード。ここでは、スマートな海外製ターンテーブルと、雰囲気的にも似合う真空管アンプで魅惑のシステムを組んでみたい。 それにピッタリなのが、ロクサンのプレーヤーとトライオードのKT88管プリメインアンプだ。ほんのりとした真空管の明かりを見つつ、今夜もお気に入りの盤に針を落とすのだ。

本稿は『極上 大人のオーディオ大百科 2023』(マキノ出版)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。

[別記事:【林正儀推奨】おすすめコンポ6セットはコレ!テーマ性を大切に目標を掲げよう→]

スピーカー モニターオーディオ「Silver 300-7G」

イギリス
実売価格例:40万7550円(ペア)
●幅274mm×高さ1045mm×奥行き389mm
●19.3kg(1本)

第7世代のSilver 300だ。25ミリ・ツイーター、76ミリ・ミッド、150ミリ・バスのすべてがC-CAMユニットで構成される3ウェイ機で、音楽ジャンルを選ばない対応能力が魅力。

レコードプレーヤー ロクサン「ROKSAN Attessa Turntable」

イギリス
実売価格例:21万9450円
●幅432mm×高さ115mm×奥行き353mm
●6.3kg

ロクサンの新しいシリーズ、Attessaのターンテーブルだ。MM型カートリッジとフォノイコを搭載。音のよさと使いやすさが持ち味だ。

プリメインアンプ トライオード「TRV-88XR」

日本
実売価格例:26万1250円
●幅345mm×高さ185mm×奥行き320mm
●17kg

人気モデル、TRV-88SERの進化型として登場。KT88管、AB級プッシュプル回路のプリメインアンプで、魅力は出力管の差し替えが簡単にできることだ。

組み合わせ価格:88万8250円

真空管アンプで愉悦のレコード再生を堪能する

人気が再燃しているアナログレコード。ここでは、スマートな海外製ターンテーブルと、雰囲気的にも似合う真空管アンプで魅惑のシステムを組んでみたい。

それにピッタリなのが、ロクサンのプレーヤーとトライオードのKT88管プリメインアンプだ。Attessa Turntableはロクサンの新しいシリーズで、一点支持のユニピボット型トーンアームに、厚さ10ミリの強化ガラスプラッターを搭載。タッチ式の操作部を持つシンプルでカッコいい製品だ。

自社製のMMカートリッジとフォノステージ(フォノイコ)回路付き。プレーヤー自体のS/Nがよく、音溝の信号が緻密にピックアップされる。名機、XERXES譲りの音楽性の高い気持ちいい音、といえば往年のファンも納得だろう。女性ボーカルのみずみずしさやまとまりのよさが実に魅力的だ。

TRV-88XRは人気のTRV-88SERの改良バージョンだ。KT88管のプッシュプルで35ワット×2という基本仕様を引き継ぎつつ、バイアスメーターを装備。EL34管への差し替えも簡単にできるのがいい。88XR自体の音は、穏やかでまったりとした往年の真空管サウンドとは違う。1つ1つが明快でドライブ力が高く、音の積極性を感じさせるものだ。

スピーカーは、3ウェイ・トールボーイ型のSilver 300-7G。C-CAMという新世代のハイブリット型ユニットを、すべてに採用しているのがポンイントだ。モニターオーディオが最も力を入れる中堅シリーズの第7世代機で、上位のGoldシリーズを抜いたのでは、と思わせる会心の出来栄え。ダブルウーハーのゆとりある低音再生で、ハイスピードだし、広帯域なフルレンジのように音楽の切れ目がないことが素晴らしい。

こうした個々のパフォーマンスが、アナログ再生システムとしてみごとに結実してくれた。ノラ・ジョーンズの20周年記念盤をかけると、リマスター盤のみずみずしい鮮度と、都会的で、スモーキーなボーカルが聴けた。ほんのりとした真空管の明かりを見つつ、今夜もお気に入りの盤に針を落とす。それが似合う1枚だ。

■解説/林正儀(AV評論家)

※情報は記事作成時のものです。
※この記事は『極上 大人のオーディオ大百科 2023』(マキノ出版)に掲載されています。

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特選街web編集部

1979年に創刊された老舗商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を起源とし、のちにウェブマガジン「特選街web」として生活に役立つ商品情報を発信。2023年6月よりブティック社が運営を引き継ぎ、同年7月に新編集部でリスタート。

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