日本でもっともウイスキーの蒸留所が多い都道府県である北海道。ですが、デイリーユースには高すぎて地元のウイスキーには手を出していませんでした。しかし「サッポロウイスキーSS 43%」と「サッポロウイスキー 40%」はどちらも2,000円前後とリーズナブル。そんな2本を試してみました。
地元北海道札幌で90年以上の歴史を誇る「札幌酒精工業」のウイスキー
ずっと気になっていた「サッポロウイスキー」を実際に試してみた
本サイト、特選街WEBで「沖縄ウイスキーが今熱い!泡盛入り「新里WHISKY」は旅行初日に買って飲むのがおすすめだった」(https://tokusengai.com/_ct/17684824)を執筆し終わった際に担当編集のTさんにいわれたのが「地元北海道のウイスキーのレビューは書かないのですか?」というもの。
確かに北海道は日本の47都道府県のなかでもっともウイスキーの蒸留所が多いのです。有名どころでいえば、余市の「ニッカウヰスキー」、厚岸の「厚岸蒸留所」などがあります。残念ながら、これらの蒸留所で造られる北海道製造のウイスキーは、その希少性や価格の面でも筆者がデイリーで楽しめる価格帯ではありません。
しかし、それでも筆者のなかで気になる北海道製造のがありました。それが、今回試してみた「サッポロウイスキーSS 43%」と「サッポロウイスキー 40%」です。筆者のよく行くスーパーでは化粧箱入りの「サッポロウイスキーSS 43%」が2,000円をちょっと超える程度、「サッポロウイスキー 40%」が2,000円をわずかに切る程度の価格で販売されています。その差はパッケージなどからはアルコール度数以外ハッキリいってよくわかりません。
1本2,000円前後のウイスキー1本にそんなに悩まなくてもというご意見はもちろんなのですが、ウイスキーを1本購入すれば、筆者の場合、だいたい1週間は付き合うことになります。飲み比べのために2本買えば約半月です。
大きく外せば、半月も後悔しながら毎日晩酌をすることになります。そこで調べてみたところ、「サッポロウイスキーSS 43%」と「サッポロウイスキー 40%」は、北海道札幌市西区発寒にある「札幌酒精工業」のウイスキーであること。
焼酎甲類メーカーとして昭和8年(1933年)に創業。「ニッカウヰスキー」の余市蒸留所は1934年なので、ほぼ同時期から北海道で焼酎を製造する超老舗です。代表的な銘柄としては「サッポロソフト」や「本格焼酎喜多里」があります。
そんな「札幌酒精工業」が自社北海道製造のグレーンウイスキーに、イギリス産のモルトウイスキーとグレーンウイスキーをオリジナルでブレンドしたのが「サッポロウイスキーSS 43%」と「サッポロウイスキー 40%」。
なかでも「サッポロウイスキーSS 43%」はロックやストレートでウイスキーの香りと味わいをそのまま楽しむ飲み方に向いており、「サッポロウイスキー 40%」は水割りやハイボールにして食事といっしょに楽しむ飲み方がおすすめだといいます。
北海道の老舗焼酎メーカーが造る北海道製造のグレーンウイスキーをブレンドしたウイスキーであることがハッキリしたので、筆者はこの2本を実際に比べてみたわけです。
ストレートで試す
思った以上に甘みがあり、パンチもある「サッポロウイスキーSS 43%」
「サッポロウイスキーSS 43%」と「サッポロウイスキー 40%」ですが、ビンやパッケージからは違いがアルコール度数以外わからないので、筆者はブレンドの際の加水量が違う程度の違いしかないのでは? とも思ってました。
しかし、実際にストレートで2つを飲み比べてみると、明らかに味わいが異なるのです。とはいえ、まったく違うウイスキーといえるほど系統が違うかといえば、そこまででもない。それほどの華やかではないのものの無骨で甘みの強い香りは共通。
口に含むと、想像以上に甘みが感じられるのもの共通。ですが、アルコール度数の違いもあるのでしょうが、パンチというかアタックの強さは「サッポロウイスキーSS 43%」が一歩抜きん出ています。
そして、甘みの余韻も「サッポロウイスキーSS 43%」が強く感じます。「サッポロウイスキー 40%」のほうが後味がスッキリビターな印象です。ボディの強さも「サッポロウイスキーSS 43%」のほうに感じ、ストレートは確かに「サッポロウイスキーSS 43%」がおいしく感じました。
ロックで落ち着いて楽しむ
飲むペースによっても好みがわかれそう
ストレートで飲んだ際に、確かに「サッポロウイスキーSS 43%」のほうが、全体に味が濃いというか、甘みもアタックもしっかりしており、余韻も長く、よりウイスキーらしさを感じました。そのため、酒好きの筆者は氷を加えたロックでも「サッポロウイスキーSS 43%」のほうが好みです。
ロックでも比較的ハイペースで飲んでいると、ストレートとの違いは小さく感じていたのですが、ある程度飲んで落ち着いてくると、氷の溶ける量が多くなってきます。すると、当然加水されて状態になるのです。この加水の割合が多くなってくるに従って、後味の苦みがやや強くスッキリと仕上げられている「サッポロウイスキー 40%」がさっぱりとしておいしく感じられるのです。
このあたりは好みの世界でしょうが、フィニッシュの違いで好き嫌いが別れるところかもしれません。ただし、飲み比べてわかる違いともいえるので、これも飲み比べの楽しさといえるでしょう。
定番のハイボールで比較する
和食とも合う「サッポロウイスキー 40%」のハイボール
アタックも強く、濃厚で甘みもあり、余韻も長い「サッポロウイスキーSS 43%」に対して「サッポロウイスキー 40%」はハイボールや水割りにして、食事といっしょに楽しむのがおすすめと公式サイトにも記載されているように、ハイボールにすると「サッポロウイスキー 40%」のすっきり感が際立ちます。
北海道のジンギスカン、さらには海産物といった和食ともすっきりと楽しめそうだと思います。ハイボール単体というよりも食事との組み合わせを重視したブレンドが行われているということなのでしょう。このあたりはよく出来ています。
ただし、個人的にはお酒の味に比重を置くなら「サッポロウイスキーSS 43%」のハイボールのほうがよりウイスキーらしくて好きという考え方もできます。このあたりは実際に試してみることをおすすめします。
水割りにしても楽しんでみた
水割りなら「サッポロウイスキー 40%」、トワイスアップなら「サッポロウイスキーSS 43%」
最近ではウイスキーを飲むときの9割方がハイボールになっている筆者ですが、時折水割りで飲みたくなるときがあります。ウイスキーの地元の水で水割りにするのも簡単です。
そして、氷を入れたグラスにウイスキーを注ぎ、ウイスキー1:水2くらいの水割りを作って試してみたのですが、やはり氷を入れて割って飲むなら「サッポロウイスキー 40%」のすっきり感が好印象です。食事のときの水割りなら「サッポロウイスキー 40%」がおすすめといえます。
逆に常温のウイスキーに、常温の水を1:1の割合で加えるトワイスアップで飲むなら、酒好きの筆者は「サッポロウイスキーSS 43%」のほうが好み合っています。ウイスキー主体か、それとも食べ物と楽しみたいかの差ともいえるでしょう。
北海道を訪れたら、ぜひ2本とも購入してみてほしい
数量限定の「サッポロウイスキー 700ml 2本セット」もおすすめ
「サッポロウイスキーSS 43%」と「サッポロウイスキー 40%」がコストパフォーマンス最高で、普段から飲んでいる「バランタイン ファイネスト」や「ジョニーウォーカー レッドラベル」の代わりになるかといわれれば、完成度や華やかさ、複雑なブレンドといった点ではインターナショナルブランドには及ばない印象です。
しかし、それらとは異なる味わいが楽しめるのも事実。サッポロスイスキーの場合、ストレートやロックでウイスキーの味わい自体を楽しんでほしい、「サッポロウイスキーSS 43%」と炭酸や水、氷などを加えてハイボールや水割りで食事といっしょに楽しんでほしい「サッポロウイスキー 40%」というラインアップになっています。
この2種類のウイスキーを作り手の明確な意図をくみながら、さまざまな飲み方で比較するのが非常に楽しい。ストレートで比較しても「ああ、そういうことなんだ」、ハイボールで飲んでも「この違いにこだわりがあるんだ」といった気付きが毎回あるのです。とても楽しい。いい大人が2本で4,000円程度のウイスキーでかなり楽しめます。
そのため、旅行や出張で北海道を訪れたら、ぜひ2本まとめて買ってみて、その違いを実感してみてください。予想以上にパンチが強く、甘みも強い味わいは、公式サイトなどに記載されているように「北海道の自然をおもい浮かばせる」かもしれません。
また北海道に行く予定はないが、予想以上にリーズナブルな北海道製造の「サッポロウイスキーSS 43%」と「サッポロウイスキー 40%」を味わってみたいという方は数量限定ではありますが「札幌酒精オンラインショップ」の「サッポロウイスキー 700ml 2本セット(SS43%、40%)」(https://sapporoshusei.stores.jp/items/665e6c15db80ba002c072f98)を購入してみるのもありでしょう。
北海道ウイスキーのエントリーとしてサッポロウイスキーがかなりおすすめです。ぜひ試してみてください。
<公式サイト>
サッポロウイスキー https://www.sapporo-whisky.jp/
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