スマートフォンが広く普及しているが、さあこれからスマホデビューという人も少なくない。そんなときに悩みがちなのが、「iOSとAndroidのどっちがいい?」とか、「ドコモ、au、ソフトバンクなど、会社はどう選ぶの?」といった点だろう。そんな素朴な疑問にお答えしよう。
iPhoneか? Androidか? スマホのOSはどっちを選べばいい?
現在、日本で購入できるスマホは、搭載されているOS(基本ソフト)によって二つに大別できる。一つはアップルが開発したiOSで、それを搭載するスマホがiPhoneだ。もう一つは、Googleが開発したAndroidで、誰もが利用できるオープンなプラットフォームとして提供されているため、多くのメーカーが採用している。
どちらのOSを選んでも、できることに大差はない。ただし、Androidはメーカーによるカスタマイズが施されているため、機種によって操作性が若干異なり、搭載されている機能にも差がある。
日本では、iPhoneが約半数のシェアを占めているが、海外ではAndroidが優勢。OSの種別というより、メーカーごとの操作性を比べて選ぶのが賢明といえる。
iPhone iPhone X
Android Xperia XZ2
ドコモ、au、ソフトバンクなど、電話会社って、何を重視して選ぶべき?
携帯電話サービスを提供する会社は、キャリアとMVNO(格安SIM事業者)に大別できる。キャリアは、自社で通信ネットワークを所有し、端末と通信サービスをセットで提供している。ドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクが3大キャリアと呼ばれている。
どのキャリアも、iPhone端末とAndroid端末を扱っており、料金も横並び。独自のサービスもなくはないが、共通している点のほうが多いのが実情だ。料金的には差がないので、「家の近くにショップがある」「欲しい端末を扱っている」といった観点で選び、まずは訪ねてみるといいだろう。
画面は何インチ、容量は何Gバイトがいい?
自分に最適なスマホを選ぶうえで、まず重視したいのは、画面サイズだ。現在は5〜5.2型が平均的で、画面が大きいほうが視認性が高い。
カメラは、1000万画素を超える高画素が当たり前になってきたが、最近は標準+広角、標準+望遠など、二つのレンズを搭載する機種が増えてきたので、自分のニーズに合う機種を選ぼう。
CPUとRAM(メモリー)は、数値が大きいほど、軽快な動作が見込める。また、ストレージ容量は、保存する写真や動画、アプリの量にもよるが、標準的な使い方であれば、32G〜64Gバイトで足りるはずだ。
キャリアのショップ、量販店、小規模店……、スマホを買うときどこに行ったらいい?
スマホは、携帯電話会社の系列店(ドコモショップ、auショップ、ソフトバンクショップなど)、家電量販店、または携帯電話を専門に扱う小売店などで購入できる。新機種の場合は、どこで買っても端末の代金は同じであることが多い。ただし、型落ちモデルの場合は、販売店独自の割引施策が行われることもあるので、複数の店で、価格を比べてみる必要があるだろう。
購入時に、料金プランなどについて相談したい場合は、携帯電話会社の系列店がおすすめだ。ただし、紛失・故障などで相談に来る客も多いため、待ち時間が長くなってしまう可能性も高い。
複数のキャリアのスマホを比べて選びたい場合や、SIMフリーのスマホも検討している場合は、家電量販店に行こう。スマホに詳しい店員に機種選びを相談できる。独自のポイントサービスを利用できることも、量販店の利点だ。
なお、iPhoneはアップルの実店舗で購入できるし、キャリアの契約も行える。また、機種変更で、店舗での相談などが不要なら、キャリア各社のオンラインストアを利用するのも便利だ。
格安スマホを初心者が使っても大丈夫? 導入は難しくない?
スマホの料金を安く抑えたい人には、MVNOが提供する格安スマホという選択肢がある。しかし、格安スマホは原則として端末とSIMカードを別々に準備する必要があり、利用開始の初期設定も自分でしなくてはならない。万一、通信できないといった不具合が生じた場合のサポートも、大手キャリアより手薄になるおそれがある。よって、初めてスマホを買うなら、大手キャリアの製品を選ぶのが賢明だ。
ただし、多くの格安スマホは、端末とSIMのセット販売を行っており、必要最低限の初期設定をしてくれる店もある。キャリアのスマホを使いつつ、一定期間、格安スマホを併用して、格安スマホで問題ないと判断した時点で、キャリアのスマホを解約するといった安全策を講じるのもいいだろう。
格安スマホのメリットとデメリット
メリット
データ通信料が圧倒的に安い
豊富なSIMフリー機種から選べる
大手キャリアより“縛り”がゆるい
海外渡航時に現地のSIMを使える
デメリット
通信速度が遅くなりがち
アフターサービスが弱い事業者もある
リアル店舗が少ない
海外データローミングを利用できない
解説/村元正剛(ITライター)