パソコンに搭載されているカメラによるのぞき見は、すでに報告されている。カメラの操作権限が第三者に乗っ取られ、カメラ映像が第三者の元にネット経由で送信されるのを阻止しよう。Windows10のWindows Defender作動や「設定」からカメラを無効化したり、シールで目隠しする対策もある。
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ウェブカメラののぞき見が心配!
読者から質問
ほとんどの市販ノートパソコンには、ウエブカメラが内蔵されていますが、「ウエブカメラがハッキングされ、のぞき見された」という事件が話題になってから、自分のパソコンのカメラは大丈夫なのかと心配です。もともと使ってなかったので、カメラ機能を無効にしようと思いますが、どうすればいいですか?(M・Yさん 神奈川県 54歳)
専門家の回答
編集部:
これは、フリーライターの福多利夫さんに聞きます。まずは、のぞき見の可能性があるのかどうか、教えてください。
専門家の回答:
「パソコンに搭載されているカメラによるのぞき見は、実際に報告されています。
まず、パソコンがウイルスに感染して、その結果、カメラの操作権限が第三者に乗っ取られ、カメラの映像が第三者の元にインターネット経由で送信されるというものです。
なので、パソコンがウイルスに感染していなければ、盗み見されるおそれはありません。
現状では、Windows10でWindows Defenderが作動していれば、カメラを乗っ取るウイルスは検出されるので、心配いりません。
とはいえ、いつWindows Defenderが検知できない新型ウイルスが登場するかわかりませんから、使っていないカメラを無効にしたいという気持ちはわかります。結論としては、パソコンに搭載されているカメラは、簡単に無効化できます。
Windows10の場合、一つめの方法は『設定』→『プライバシー』→『カメラ』で『このデバイスのカメラへのアクセスを許可する』の『変更』をクリックして『オフ』にすることです。これにより、Windows10がカメラを制御する権限がなくなります。
もう一つの方法は、スタートボタンを右クリックして『デバイスマネージャー』を開き、『カメラ』→『USB Camera』を右クリックして『デバイスを無効にする』を選択します。これにより、カメラがハードウエア的に認識されなくなります」
編集部:
設定でカメラを無効化することができるんですね。
専門家の回答:
「そうです。でも、設定で無効にしていても、カメラ自体は存在していますし、強力なウイルスに感染したら……と心配になりますよね。
実は、設定をいじるより簡単で確実な方法があります。
それは、カメラのレンズ部分にシールを貼って目隠しをする方法です。
これなら設定をいじる必要がありませんし、カメラを使いたくなったときにはシールをはがせばいいだけです。
レンズにこびりついた糊を拭き取るぐらいの手間は必要になるかもしれませんが、レンズさえふさいでいれば、ウイルスに感染してものぞき見されることはないので安心です。
乱暴な方法ですが、レンズを油性ペンで塗ってしまうという方法も考えられるでしょう」
編集部:
さすがにペンで塗るのはやりすぎだと思いますけど、シールを貼るのはすぐにできて、簡単なのぞき見防止策ですね。
イラスト/はやし・ひろ