クォーツ方式が一般的な家庭内の置き時計や掛け時計、目覚まし時計は、毎時の時報や、テレビ放送の隅に表示されている時刻、自動的に合わせられるスマホの時計と比べると、いつの間にかズレているもの。手動で時報に合わせて調整するのもなかなか面倒だ。そこで便利なのが、自動的に時刻を修正する電波時計。電波時計とはどのようなものか紹介しよう。
電波時計とは
標準電波を受信できる電波時計
電波時計とは、各国の政府機関などが管理・送信する「標準電波」と呼ばれる電波を受信し、自動的に正しい時刻に修正、ほぼズレることがなく、いつも正しい時刻が表示される時計のこと。
日本では、国立研究開発法人情報通信研究機構の日本標準時グループが、標準電波を管理している。標準電波は、誤差が10万年に1秒レベルのセシウム原子時計を元とし、福島局と九州局の二箇所から送信されている。
この標準電波を各家庭の電波時計が受信し、正確な時刻に自動修正されるのだ。
東日本(福島局)と西日本(九州局)では使用されている周波数が異なるが、現在販売されている電波時計は両方の局に対応しているため、同じ製品を全国で使うことができる。
電波時計は一日数回の頻度で自動修正
電波時計は、手動操作で標準電波を強制受信させたり、手動で時刻合わせすることもできるが、基本的には、一日に一回〜数回程度の頻度で自動受信する。
つまり、常時、標準電波を受信しているわけではなく、通常時は、誤差が月に数十秒レベルの一般的なクォーツ時計として動作しているという仕組みだ。
そのため誤差が絶対に発生しないわけではないが、毎日時刻修正を繰り返すので、実用上はほぼ狂わないといってよい。
標準電波の受信成功は目で確認できる
現在販売されている電波時計は、福島局と九州局の両方に対応しているので、日本全国どこでも使える。
ただし、建物の構造や向きによっては、標準電波を受信しづらいこともある。
そのような場合は、時計を窓際に近づけたり、時計の向きを変えることで受信感度が上がる。
電波時計には、標準電波の受信成功インジケーターが装備されているので、受信失敗を繰り返しているときは、ちゃんと確認できるようになっている。
電波時計の選び方
いまではどんなタイプの時計にも電波時計がある
現在は、さまざまなタイプの時計に電波時計が増えており、コンパクトな置き時計に、壁にかける掛け時計、毎日使う目覚まし時計など、あらゆる種類から選ぶことができる。
時刻を数値表示するデジタル時計のほうが多めではあるものの、針表示のアナログ時計も豊富に発売されている。好みと用途に合わせて選ぼう。
なお、乾電池で駆動するタイプのデジタル時計は、照明機能を搭載していても、ライトボタンを押したときのみ点灯する製品がほとんど。
つまり、部屋の中が暗いときは、時刻を確認するためになんらかの操作が必要となる。
現在は、明るく常時点灯するタイプのデジタル電波時計も増えているので、暗闇でもひと目で時間を知りたいときは、こちらのタイプを選ぼう。こちらは基本的に電源としてACアダプターを使う。
標準電波には、日付情報も含まれているので、カレンダー機能を備えた電波時計なら、日付や曜日表示も常に正確だ。
電波時計機能とは関係ないが、温度や湿度計機能を搭載した製品は、部屋の中を快適に保つ目安となって便利だろう。
おすすめの電波時計はこれ!
セイコークロック
置き時計
BC402W
どこにでも置きやすい、コンパクトサイズでベーシックな機能を備えた目覚まし機能付き電波時計。
乾電池駆動なので移動も手軽。操作ボタン類は基本的に背面に集中しているので、デザインもスッキリ。日付表示や温度・湿度計機能も搭載されている。暗闇で時刻を確認するには、ライトボタンを押す必要がある。
素材・材質:プラスチック枠
原産国:中国
ムーブメント:電波修正機能(40kHz/60kHz自動選局・受信OFF機能つき)
付属品:単3アルカリ電池×2(電池寿命約1年間)※モニター用電池として、マンガン電池を同梱しています。
アラームオートストップ機能(約5分間) 、スヌーズつき 、ライトつき
2099年までのフルオートカレンダー機能 、温湿度表示(温度測定範囲:0℃~40℃ 測定精度: ±2℃ 湿度測定範囲:25%RH~85%RH 測定精度:±8%(25℃)
電池切れ予告機能(液晶) 、快適度表示(6段階)、12時間制/24時間制切替式
シチズン
電波 目覚まし時計
8RZ121-003
ACアダプターで駆動し、常時点灯して暗闇でも時刻確認ができるタイプの電波時計。
バックアップ用として乾電池での駆動もできるが、その場合は消灯して時刻を表示し、ボタンを押したときだけ点灯する。純粋にACアダプターのみ駆動のパターンに比べ、時刻確認ができ、移動も簡単なので便利だ。
セイコー クロック
掛け時計
KX230S
遠く離れていても時間がわかりやすい、視認性に優れた文字盤デザインの掛け電波時計。
サイズは直径30.5cm。光センサーを内蔵し、周りが暗いときは秒針の動きを停止させる「おやすみ秒針」機能を搭載しているので、寝室に設置しても秒針のカチカチ音が気にならない。
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ADESSO(アデッソ)
目覚まし時計
MY-96
寝起きが悪い人にも心強い、特徴的な目覚まし機能を備えた目覚まし時計。
3段階に音量を切り替えられ、最大100dbも選べる大音量アラームは、2つの時刻を指定できるダブルアラーム。さらに、枕の下へ入れ、強い振動で目覚められる別体シェイカーが付属。コードの長さは2メートルあるため、時計本体から離れた場所に枕があっても大丈夫だ。
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セイコークロック
置き時計
DL213K
昔なつかしの疑似デジタル表示、いわゆるパタパタ時計の動作を現代技術で再現した、フリップ式表示の電波時計。
ACアダプタ駆動のため液晶画面は常時発光で暗闇でも時刻が確認でき、表示色も70色から選んで好みに合わせられる。FMワイドラジオを搭載し、AM/FM番組を聴けるのも特徴。アラーム音としてラジオを使うことも可能だ。本体色は白も選べる。
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まとめ
日本では二箇所から発信される標準電波を毎日自動受信し、正しい時刻に自動修正する時計が電波時計。手動での時刻合わせが不要で、実用上はほぼ狂いが発生しないため、とても便利。いまではサイズもデザインもバラエティ豊富なので、好みに合った電波時計がきっとあるはずだ。
◆大坪知樹
オーディオやPCといった記事を多く手がけてきたが、ガジェットはもちろん白物家電、クルマ・バイク、模型や玩具、時計に服・靴など基本的にモノが好きな物欲系フリーランスライター。