高性能なノイズキャンセリング機能も搭載しており、電車内や雑踏での効果は明らかだ。充電ケースにイヤホンを入れると磁石で固定され、充電ミスが起こらず安心して使える。バッテリーのもちは6時間、充電ケースがフル充電の状態で3回充電できるが、10分間ケースに入れるだけで90分再生できる急速充電機能もあって便利だ。
「今どきオーディオ」徹底辛口テストソニー WF-1000XM3
実売価格例:2万7950円
プロフィール
新型ブルートゥースチップを採用。左右のイヤホンに同時伝送することで、音切れが起こりづらくなった完全ワイヤレスタイプだ。高性能なノイズキャンセリング(NC)性能を実現し、音楽配信もハイレゾ相当に高音質化するDSEE HXも搭載。周囲の音を取り込むモードも用意する。
デュアルマイクで高性能NCを実現
機能性新型チップと左右同時伝送で音切れが減少
左右ハウジングをつなぐケーブルがない左右独立型のワイヤレスイヤホンを完全ワイヤレスイヤホンと呼ぶが、混雑している駅構内など、環境によって音が途切れがちになるのが弱点。本機は、左右イヤホンへそれぞれ端末から同時伝送させることで、安定接続をアピール。実際に電車の車内や駅で使ってみたが、確かに音の途切れは少ない。
ハウジングは大きめだが、とても安定していて、落としそうな感じはしなかった。付属イヤピースは、サイズ・素材とも豊富。充電ケースから出して耳に装着すると端末と接続され、耳から外すと音楽再生が止まるなど、使い勝手はとてもいい。充電ケースにイヤホンを入れると磁石で固定されるので、充電ミスが起こらず安心して使える。バッテリーのもちは6時間、充電ケースがフル充電の状態で3回充電できるが、10分間ケースに入れるだけで90分再生できる急速充電機能もある。
また、高性能なノイズキャンセリング機能も搭載。電車内や雑踏での効果は明らかで、不自然さもない。
操作性街中で使いやすいクイックアテンションモード
本体の操作は、ハウジングのタッチセンサーで行う。再生/停止や曲送りなど、基本的な操作のほか、左ハウジングを押さえている間だけ周囲の音が聴こえるクイックアテンションモードは、実用性が高い機能だ。ただし、音量の調節ができないのは残念。
タッチセンサーの機能は、スマホアプリでカスタマイズ可能。アプリも多機能で、持ち主の行動を解析し、ノイズキャンセリングなどのモードを自動的に切り替えたり、片耳だけで使ったりもできる。
音質は、低域は十分豊かで心地いい重みがあり、楽器のディテールがわかりやすい。圧縮音源をハイレゾ相当に高音質化できるDSEE HXを、完全ワイヤレスで初搭載したのも見逃せない。ただし、ブルートゥースのコーデックはAACとSBCで、apt(アプト)XやLDAC(エルダック)には非対応。
採点表
安定接続&強力NCが売り。音質は低域が心地いい
音質 | ★★★★★ |
---|---|
装着感 | ★★★★★ |
操作性 | ★★★★ |
機能性 | ★★★★★ |
コメント
本体で音量調節ができないことを除くと、音質も使い勝手も、完成度が高い。完全ワイヤレスでNCが欲しいなら、本機がおすすめだ。
※執筆時が2019年9月のため、製品の「実売価格例」は、消費税8%込みの額を表記しています。ご了承ください。
解説/大坪知樹(フリーライター)