地上デジタルで4K放送を行うという話を全然聞かないが、これはできないのだろうか? 読者からのギモンに専門家が回答してくれた。ハイブリッドキャストによる4K番組の配信については、NHK地上放送(総合テレビ、Eテレ)と4K放送の制作を一体化する体制を整えている。その流れで、地デジ用の番組でも4Kで制作されるケースが増加。準備が整い次第、放送と同時に楽しめる4Kハイブリッドキャストをスタートするようだ。

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地デジで4K放送を行うのは無理?

読者から質問

地上デジタルで4K放送を行うという話を全然聞きませんが、できないのでしょうか? 今は、4Kカメラで撮影したものをHDにダウンコンバートして地デジで放送しているとも聞きますが……。

専門家の回答

編集部:
これは、AV評論家の藤原陽祐さんに聞きます。

専門家:
「まず、地上デジタル放送の4K化という話ですが、現段階では、まったく決まっていません。技術的には、より高効率のデータ圧縮が可能なH.265(HEVC)コーデックの採用によって、地デジの4K化を実現できるのですが、この場合、互換性の確保が難しく、テレビの買い替え、あるいはチューナーの追加が不可欠になります。

現在の地デジは2003年に導入が開始され、2011年にアナログからの完全移行となったわけですが、この時の混乱を覚えている人も多いと思います。もし今、地デジを4K化するとなると、あの混乱から10年もたたないうちに、また国民にテレビの買い替えを強いることになるので、これは現実味がありませんね。

ただ、地デジの4K化が絶対不可能かというと、そうともいえません。最も有力なのが、ハイブリッドキャストによる4K番組の配信です。

ハイブリッドキャストとは、放送と通信(インターネット)を連係させたサービスで、すでに対応テレビも多く存在し、実際、4K動画のネット配信サービスも行われています。これを使えば、現状の地デジに手を付けることなく、地デジ番組を4Kで楽しめるというわけです。

特にNHKについては、地上放送(総合テレビ、Eテレ)と4K放送の制作を一体化する体制を整えており、その流れで、地デジ用の番組でも4Kで制作されるケースが増えています。従来、放送法の関係で放送と同時にインターネットで番組を流すことができませんでしたが、昨年の5月、放送法の改正により、その問題も払拭されました。準備が整いしだい、放送と同時に楽しめる4Kハイブリッドキャストをスタートするものと思われます」

編集部:
NHKは、いち早くハイブリッドキャストを始めるわけですね。民放のほうはどうでしょう?

専門家:
「民放については、現在の4K衛星放送でも2K収録素材からの4Kアップコンバートの番組が大半を占めています。4Kという器は使えるのに、その器にふさわしいコンテンツが十分ではないという、寂しい状況ですね。ただ、民放にも、徐々に4K撮影や4K制作の番組は増えていますから、将来的には地デジ番組を4Kハイブリッドキャストで同時配信することも十分、考えられます。

ちなみに4K収録の番組も、地デジでの放送時には、HD解像度(1440ドット×1080ドット)にダウンコンバートされてしまうわけですが、それでも映像のきめ細かさ、輪郭のキレ、あるいは質感の描き分けといった部分で、画質面の優位性を感じられることが少なくありません。2K放送でも、4K収録のメリットが存在することは明らかです」

編集部:
了解しました。民放にも4K収録番組が増えてくれるとうれしいですね。

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文/特選街編集部

イラスト/はやし・ひろ

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