【コンデジの今後】売り場が激減…生き残れるカメラってどんなもの?

知識

SNSの普及とスマホカメラの高画質化でコンデジ需要が減り、カメラ市場全体に大きな影響が出ている。そんな状況下で、スマートフォンが苦手としている領域をカバーするモデルもある。オリンパス・Tough(タフ)TG-6などの防水&タフネス仕様、ニコン・COOLPIX(クールピクス)P1000のような超高倍率ズーム搭載などがあげられる。

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コンデジの売り場減少。今後、どうなる?

読者から質問

家電量販店に行ったら、コンデジ(コンパクトデジカメ)のスペースが少ないことに驚き、かつてデジカメが、フィルム売り場を隅に追いやった光景を思い出しました。コンデジは今後どうなるのでしょう?(F.Sさん 埼玉県 64歳)

専門家の回答

編集部:
これは、カメラライターの北村智史さんに聞きます。

専門家:
いわゆるコンデジの市場が現在は大幅に縮小しているのは知っていても、家電量販店やカメラ店の売り場の狭さを見ると、やはり愕然としてしまいますね。

かつては飛ぶように売れていたコンデジですが、2000年を過ぎたあたりから一眼レフのデジタル化が始まって、カメラ好きや写真好きの趣味層がデジタル一眼レフへと移行しはじめました。2003年にはキヤノン・EOS Kissデジタルが登場。デジタル一眼レフが低価格化したことで、コンデジ市場を支えていた熱心なファンが一気に減ってしまうことになりました。

その後、アップルのiPhoneをはじめとするスマートフォンが出現。カメラ業界に暗い影が落ちました。何しろスマートフォンはSNSなどとの親和性が高く、写りのよし悪しに対するこだわりの薄い人たちにとって十分な性能を備えていましたし、それが今ではデジタル一眼レフやミラーレス一眼に迫る高画質を発揮するようにもなりました」

編集部:
SNSの普及とスマホカメラの高画質化で、コンデジが売れなくなってしまったわけですね。

専門家:
「今や、コンデジ市場だけではなく、カメラ市場全体に大きな影響が出ているわけです。そんな状況で生き残っているのは、スマートフォンが苦手としている領域をカバーするモデルとなっています。

まず、オリンパス・Tough(タフ)TG-6などの防水&タフネス仕様のカメラ。今のところはまだスマートフォンが対応しきれていない水中撮影が可能で、ぶつけたり落としたりしても壊れない頑丈さが強みとなっています。

ニコン・COOLPIX(クールピクス)P1000のような超高倍率ズーム搭載モデルも、熱心なファンがいます。一眼レフなら大砲のような巨大なレンズが必要なところを、コンデジなら片手で持てるサイズに収まりますし、スマートフォンが苦手とする望遠域をカバーできていることから、共存・棲み分けが可能といえます。

それから、デジタル一眼と同等の大型撮像センサーを搭載した高級・高性能モデルは、カメラメーカーも熱のこもった製品をラインアップしています。画質面でデジタル一眼並み、あるいはそれ以上の実力を持つうえ、操作性も高く、写真を撮る行為にこだわりを持つ趣味層に支持されています。

一方、液晶モニターを持たないキヤノンのアソビカメラ、iNSPiC REC、デジタル記録も可能なインスタントカメラの富士フイルム・instax mini LiPlayといった、従来のカメラの枠に収まらないモデルも登場しており、新しい楽しさが発見できそうです」

編集部:
コンデジも、まだまだ個性派や高画質モデルは生き残れそうですね。了解しました!

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特選街web編集部

1979年に創刊された老舗商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を起源とし、のちにウェブマガジン「特選街web」として生活に役立つ商品情報を発信。2023年6月よりブティック社が運営を引き継ぎ、同年7月に新編集部でリスタート。

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