ウェアラブルエアコン「Cómodo gear(コモドギア)」は、首回りにヘッドホンを掛けるように密着させて頸動脈を通る血液を効率的に冷却できるという。腰につけるラジエーター部を合わせた重量は約840グラムと軽量だ(ネック部の重量は、約170グラム)。両手があくので作業がしやすい。
「しまった!」金田一耕助のように思わず駆け出し、そのまま飲み屋に駆け込み、勢いよく話したくなる!そんな事件な製品を毎月ファイリング。その事件性を“スゴ腕”家電探偵こと滝田勝紀が丹念に捜査して暴く!
首に装着することで効率的に体を冷やすウェアラブルエアコン
ようやく外出も許される夏を迎えたが、家にこもっていた時期も長く、多くの人は身体の鈍りに驚いていることだろう。ほんの少し歩いただけで、こんなに疲れたっけ? と、汗だくになった自分を疑っている人もいるはず。
そんなときに頼りになる相棒としてハンディ扇風機が挙げられるが、いい大人が使うには、正直かっこ悪いし、ややチープで気が引けるのも事実。
そんな折に発表されたのが、ウェアラブルエアコン「Cómodo gear(コモドギア)」だ。
ウェアラブルエアコンと聞くと、着用ベストに冷えた保冷剤でも入れて、内側で風を吹かせるような大掛かりなものを想像するかもしれないが、実際はもっとスマートだ。
首回りにヘッドホンを掛けるように密着させることで、頸動脈を通る血液を効率的に冷却できるという。
今回の事件家電ファイル
富士通ゼネラル
「Cómodo gear」
価格(レンタル)は、1台につき1万円以下/月の料金設定を予定。
サーモ・モジュールを内蔵し、首に装着することで頸動脈を通る血液を効率的に冷却。深部体温の温度上昇を抑えられ、いつでもどこでも快適に過ごせる。通信機能としてNFCとブルートゥース4.2を搭載。スマートフォンからの操作を可能にするほか、生体情報をセンシングする機能を搭載予定。
とはいえ、残念ながら、この商品がいきなり量販店などに並ぶことはない。まずは、国内企業向けに順次提供される。
主に警備業や建設業、工場、イベント会場といった炎天下や空調が届かない環境で作業が必要となる業種が想定される。
例えば、警備員の位置情報やその場所の環境情報などをアプリに表示。天気や温度、湿度などの環境条件と生体情報を組み合わせ、警備員の健康状態を分析できるよう開発中とのことだ。
今年の夏も暑いことが予想される。だからこそ、企業が使うことで精度が高まったら、ぜひ一般の人たちも購入できるようにしてほしい。
ココが事件だ!
水冷方式を採用することで高い冷却効果を実現
ペルチェ素子を利用した水冷装置で、ネックバンド型の冷却部と腰に取り付けるラジエーターを接続して使用する。気温35℃を超えるような暑い日でも高い冷却効果が期待できる。
ココが事件だ!
体に装着した状態でも作業がしやすい
ネック部の重さは約170グラム。腰に着けるラジエーター部を合わせた重さも、約840グラムと軽量化を実現。両手があくので作業がしやすい。装着時にも目立ちにくい色やデザインに仕上げている。
ココが事件だ!
今後はIoT端末へと進化。装着者の健康管理も
天気や温度、湿度などの環境条件と生体情報を組み合わせ、リアルタイムに健康状態を分析できるよう開発中。異常を検知した場合には、アラートを発するなどの機能も。
解説者のプロフィール
滝田勝紀(たきた・まさき)
クリエイティブ・エディター&プロデューサーで、家電スペシャリストとして「All About」の家電ガイドを務める。30代男性向けのオフを充実させる電子雑誌『ds』編集長に就任。ドイツで開催される「IFA」ほか、海外展示会取材経験も豊富。
※価格は記事作成時のものです。
■解説/滝田勝紀