モバイルバッテリーの事故がなくなりません。身近なアイテムだけに怖い。しかも高温だけでなく、冬の低温も危険性があるといいます。そこに、高い安全性で注目されている準固体電池の新製品、HAMAKEN WORKSの「マグネット付きワイヤレス充電対応SSPB」が登場。早速試してみました。

一般的なモバイルバッテリーの動作温度は0℃〜40℃
実は夏の高温だけでなく、冬の低温も発火のリスクが潜んでいる

「マグネット付きワイヤレス充電対応SSPB」は保存温度と動作温度が明記されています。
モバイルバッテリーの事故をよく見聞きします。スマートフォンといっしょに急激に普及率が上がったので、毎年のように事故件数が増えている状態です。そして、多くの方が高温は危険と思っているのではないでしょうか。
実は、多くのモバイルバッテリーの動作温度は0℃〜40℃です。夏の閉め切った車のなかなどの高温が危ないのはよく知られていますが、実は0℃以下の低温も危険。ちなみに北海道に住む筆者にとって、冬は0℃以下が当たり前です。
とはいえ、一般的なリチウムイオンのモバイルバッテリーでは、低温下で金属リチウムが析出、そこから針状(デンドライト)に成長して、絶縁膜を突き破り、短絡(ショート)が発生することがあります。ここから、さらに急激な発熱、熱暴走から発火や爆発に進む可能性があるのです。

なお、初代HAMAKEN WORKSの「SSPB」から対応温度が明記されています。
これに対して、今回紹介する「マグネット付きワイヤレス充電対応SSPB」を含む、HAMAKEN WORKSの「SSPB(Solid State Power Bank)」は液体含有量がわずか3%しかなく、リチウムデンドライトが発生しにくい構造になっています。
これらの技術で「SSPB」は保存温度−40℃〜80℃、動作温度−20℃〜60℃を実現しています。冬場はマイナス気温が普通といえる北海道在住でアウトドア好きの筆者にとって、準固体電池を採用したHAMAKEN WORKSの「SSPB」は、どこにでも持ち歩けるモバイルバッテリーの数少ない選択肢といえます。この記事では、毎日使う常用の個人電源という視点を重視して評価を行ってみました。
すでに準固体電池の「SSPB」を導入していた筆者
マグネット式ワイヤレス充電と1%単位の電池残量表示で使い勝手が爆上がり

すでに愛用されている方も多いかと思いますが、マグネット式ワイヤレス充電は便利です。
アウトドアでも、普段の生活でも、常にモバイルバッテリーを使っており、複数個をいつも持ち歩いている筆者は、夏の高温対策としても、冬のアウトドアフィールドを楽しむためにも広温度対応の電源が必要だと考えていました。そのため、すでに初代「SSPB」を導入済みです。
しかし、今回試した2代目となる「マグネット付きワイヤレス充電対応SSPB」(2025年12月下旬発売予定)は筆者の生活スタイルにシンデレラフィット。5,000mAhタイプ(税込7,980円)と10,000mAhタイプ(税込9,980円)の両方をテストしたのですが、大きさと容量の違う、それぞれがとてもよいのです。
「マグネット付きワイヤレス充電対応SSPB」(以下「SSPB02」)はMagSafe互換のマグネット式ワイヤレス充電機能を搭載しています。おかげでiPhone 16eを使っている筆者は、ほぼ一日中iPhoneの背面に「SSPB02」を装着しっぱなしです。

電池残量が1%単位で正確に表示されるので、充電のタイミングが図りやすい。
5,000mAhタイプでも、10,000mAhタイプでも装着しておけば、1日中iPhoneの電池残量を心配する必要がありません。厚さが9.5mmと17mmなので、持ち歩きは5,000mAhタイプが便利ですが、スマートフォン以外にも電源を供給するなら10,000mAhタイプが容量的に安心です。
筆者は2つを同時にテストしたので、自宅で使うときは10,000mAhタイプを装着。その間に充電しておいた5,000mAhタイプを外出時のメインとしています。スマートフォンが常にコードレスで充電されているので、電池残量を気にする必要がなく、超快適です。
さらに新型の「SSPB02」は初代では5段階のインジケーター表示であった電池残量が1%単位で表示される方式に変更されました。おかげで、電源管理がシビアになる冬のアウトドアフィールドでも、電源管理の安心感が格段にアップしました。
安全性が高いのに小さくて軽いことに驚く
おかげでスマートフォンに装着したまま常用できる

実際に手に持ってみると小さいのはもちろん軽いのに驚きます。
おそらく、筆者はかなりモバイルバッテリーが好きです。一般的なリチウムイオンはもちろん、より安全性が高いといわれるリン酸鉄リチウムやナトリウムイオンのモバイルバッテリーも所有しています。これらも安心感があっていいのですが、ちょっと大きいのです。
この大きいと感じる理由はエネルギー密度にあるといいます。一般的なリチウムイオンバッテリーのエネルギー密度が約250Wh/kgといわれるのに対して、一般的なリン酸鉄リチウム電池は約110Wh/kg。ナトリウムイオン電池は現状それ以下です。
結果、同じ容量のバッテリーのサイズがかなり異なります。安全性が高いのはわかっているのに、小型のモバイル機器には採用しづらいわけです。一方「SSPB」に採用されている準固体電池はエネルギー密度が約280Wh/kgとなっています。

並べてみると、初代「SSPB」よりも「SSPB02」のほうが、さらに小さくなっています。
おかげでリン酸鉄リチウムを採用した電池に比べて小さいのはもちろん、一般的なリチウムイオン電池に比べても小型にしやすい。そのため、持ち歩きはもちろん、スマートフォンの背面に装着した際にも非常に使いやすいのです。
5,000mAhタイプで約105mm×68mm×9.5mm、重さは約120g。10,000mAhタイプでも約105mm×68mm×17mm、約200gしかありません。これが常用する際に思う以上のアドバンテージになっています。
税込9,980円はさすがに高すぎないかを計算してみた
サイクル寿命が2,000回なので1回あたり約5円とリーズナブル

10,000mAhタイプはUSB-A×1、USB-C×1の2ポートが装備されています。
モバイルバッテリーは毎日使う消耗品です。そのため、イニシャルコストやランニングコストが気になります。特に「SSPB02」は5,000mAhタイプで税込7,980円、10,000mAhタイプで税込9,980円とやや高価なのが気になるでしょう。
MagSafe互換のマグネット式ワイヤレス充電機能付きのモバイルバッテリーでも容量10,000mAh程度の安価なものは3,000円程度で入手できます。「SSPB02」の広温度対応や高安全性は理解できますが、価格差3倍は現実問題看過できません。

本体が薄く小さい5,000mAhタイプはUSB-C×1となっています。
計算方法はいろいろあると思いますが、準固体電池を採用する「SSPB」は充放電を行うサイクル寿命が約2,000回。これに対して一般的なリチウムイオン電池は約500回なのです。これを元に計算すると一般的なリチウムイオン電池のモデルは3,000円/500回で1回約6円、「SSPB02」の10,000mAhタイプで9,980円/2,000回で1回約5円と、実はランニングコストがよいのです。
しかも、サイクル寿命が2,000回だと毎日使っても5年ちょっと、500回だと1年と少ししか使うことができません。個人的にはモバイルバッテリーの環境負荷も気になるので、頻繁な買い換えが必要ないこともうれしいポイントです。
毎日使う筆者には、どこでも使える「SSPB02」はベストチョイス
子育て世帯の我が家ではワイヤレス充電は非常に助かる便利機能

子育て家庭では充電が有線かワイヤレスかで使い勝手が大きく異なります。
筆者は、この原稿を書いているときもモバイル環境でノートパソコンにモバイルバッテリーから電源を供給しています。そのため1日に20,000mAhクラスを複数本使い切ることも珍しくありません。
そのため、すべてのモバイルバッテリーを「SSPB02」に置き換えることは現実的ではないのです。使用シーンに合わせて使い分ける必要があるでしょう。ですが、最近メインの個人電源は、すっかり「SSPB02」です。
理由は、マイナス気温がデフォルトの冬の北海道でも好きな場所に、何も考えずに持ち歩けて、普段はスマートフォンの背面につけっぱなしで持ち歩けば、スマートフォンの電源問題も解決し、荷物も増えないから。最強の常用個人電源といえます。

使い勝手のもっとも大きな違いは、その厚さといえます。
また、5歳と1歳の息子がいる子育て家庭の我が家では、有線での充電はかなり困難。5歳の長男はケーブルを無理に引っ張ってコネクタを破損しますし、1歳の息子は猫のように充電ケーブルにじゃれついてくるのです。ワイヤレス充電なら、これらの問題が一挙に解決してくれます。
ランニングコストは安いですが、イニシャルコストはそれなりなので、すべてを「SSPB02」にするのは現実的ではありませんが、毎日持ち歩くメインとしては超おすすめです。毎日充放電しても、5年ちょっとは使えるのも家計にうれしい個人電源になっています。
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