2020年は、新型コロナウイルスの発生に始まり、日本も含め世界中が大混乱に陥った。夏場の第二波による感染者数の増加は、秋になり、ある程度落ち着きを取り戻しつつあるが、未だ有効な対策が取れているとは言えない。気がつけば、インフルエンザが流行を見せ始める冬が、もうそこまで迫っている。そんな中、今注目が集まっているのが「空気清浄機」市場。家電量販店では、ウイルス対策のために空気清浄機を求める客が急増している。今回は、お手頃価格の空気清浄機から、最新のハイエンド製品まで、おすすめの製品を紹介しよう。
冬の空気清浄機の選び方
対応畳数とは?
空気清浄機を選ぶとき、スペックの中でまず目に入るのは「23畳」や「36畳」などと表示されている、対応する部屋の広さだろう。
これは基本的に、規定された粉じん濃度まで30分間で空気を清浄できる広さを示しており、実際の効果は鉄筋コンクリート造や木造といった構造、気密度などの環境でも異なってくる。そのため、使う部屋よりも広めの部屋に対応したモデルを選んでも問題はない。
実際の使用においては、広めの部屋に対応=清浄機能が強力で短時間できれいにできる、ということであり、日常的には素早く清掃が終わったほうが便利なことは確か。設置スペースや予算に余裕があれば大きめのモデルを選びたい。
加湿器と一体化した製品もある
最近増えているのが、加湿機能も備えた空気清浄機。冬場で乾燥が気になるとき、加湿器を使っている家庭も多いだろう。強力な加湿機能も備えた空気清浄機ならば、一台に役割をまとめることも可能だ。なかには加湿と除湿機能の両方を備えている製品や、ダイソンのように暖房や送風機能を備えて空調機のひとつとして使える製品もある。
上位製品ではスマホと繋いで操作が行えたり、画面上で空気の状況を確認できる製品も多い。エアコンのメーカーを揃えると連動して最適化した運転ができる場合もあり、使いこなせば便利だ。スマートスピーカーと連動して空気清浄機がスマート家電のひとつとして使える場合もあるので、家庭内のIoT化が進んでいるならそういった製品を選んでみるとより便利になるはず。
シャープ 加湿空気清浄機KC-J50-H
プラズマクラスター採用
シャープ独自の空気浄化技術、プラズマクラスターを採用した空気清浄機エントリーモデル。2018年モデルと古めだが、後継製品も空気清浄機としての基本性能はほぼ変わらず、実売価格は手頃となっているので最新機種にこだわらないならお買い得。クラウド対応やAIなど、各種自動化機能は搭載しないので、空気清浄機としての基本機能を重視する人、初めての空気清浄機を考えている人に。
加湿空気清浄機
KC-J50
ダイキンストリーマ空気清浄機MC55W-W
集塵・脱臭機能 ・静電HEPAフィルター搭載
集塵・脱臭機能が充実した、加湿機能も備えないシンプルな空気清浄機。ダイキン独自のストリーマを搭載し、アクティブプラズマイオンと合わせたダブル方式で空気を清浄。本体の高さを抑えた圧迫感のないデザインも特徴。
ストリーマ空気清浄機
MC55W
ツインバードマイナスイオン発生空気清浄機AC-D358PW
0.3ミクロンの粒子を99.97%キャッチ
実売価格で7000円を切りながら、フィルターによる集塵・消臭に加えてマイナスイオン機能も備える空気清浄機。ごくシンプルな空気清浄機を求めている人におすすめしたい。
マイナスイオン発生空気清浄機
AC-D358PW
バルミューダBALMUDA The PureA01A
2つのフィルターで有害物質を取り除く
航空機のジェットエンジン技術を応用した独自の構造で天井まで届く大風量を実現し、部屋中の空気を循環させることで毎分7000リットル相当の空気を清浄する空気清浄機。シンプルな本体と、給気口と流路が点灯する”光の柱”で空気がキレイにされるデザインも特徴だ。
BALMUDA The Pure
A01A
ダイソンDyson PureHot + Cool
空気中に浮遊する粒子状物質を自動で検知
空気をキレイにしつつ、寒い時期はファンヒーターとして、暑い時期は涼風ファンとしても機能する空気清浄ファンヒーター。旧製品に比べて暖房能力や空気清浄能力が上がったことに加え、送風口を正面ではなく背面に切り替えるディフューズモードを新たに搭載しており、身体に風が当たることが気にならなくなっている。
Dyson Pure Hot + Cool
HP04IBN
ダイソンDyson PureHot + Cool Link
空気中の花粉やウィルス、バクテリア、PM2.5も除去
空気洗浄ファンヒーターとして人気のダイソン・ホット&クールの旧モデル。背面から送風するディフューズモード非搭載などいくつかの違いはあるが、タイミングによっては新機種HP04より価格が大幅に安いときもある。
Dyson Pure Hot + Cool Link
HP03
シャープ プラズマクラスターNEXT搭載KI-NP100-W
AIが天気や部屋に合わせて加湿運転
シャープ独自の空気浄化技術として広く知られている「プラズマクラスター」をさらに進化させ、イオン濃度を高めた「プラズマクラスターNEXT」を搭載する同社のフラッグシップ空気清浄機。部屋全体の空気をキレイにする通常運転に加え、洗えないソファやカーペットを狙って強力消臭・除菌できるプラズマクラスターパワフルショット機能もプラズマクラスターNEXTによって消臭スピードが高速化されている。クラウドサービス「COCORO AIR」対応で生活や天候に合わせて成長し、運転の最適化・自動化ができるのも特徴。
プラズマクラスターNEXT搭載
KI-JP100
ダイキン うるるとさらら空気清浄機MCZ70W-T
加湿も除湿もできるダイキンの最高級モデル
加湿だけでなく除湿機能も備え、除湿・加湿・集塵・脱臭を1台ですべてカバーできるダイキンのフラッグシップ製品。四季を通じて宅内を快適な環境に保てる。ダイキン独自のストリーマ機能も2倍のユニットを搭載するツインストリーマで脱臭スピードが2倍。スマホとつなげて部屋の空気状況を確認したり、ダイキン製エアコンと連動運転させることも可能だ。Amazon AlexaやGoogleアシスタントにも対応している。
うるるとさらら空気清浄機
MCZ70W-T
まとめ
近頃気温もぐっと下がり、暖房をつけ始めたという人もちらほら見かける。冬の空調対策に空気清浄機の購入を検討している人は、対応する部屋の広さや加湿機能の有無、価格帯など、それぞれのニーズに合わせた製品を選んでほしい。
◆文・大坪知樹
オーディオやPCといった記事を多く手がけてきたが、ガジェットはもちろん白物家電、クルマ・バイク、模型や玩具、時計に服・靴など基本的にモノが好きな物欲系フリーランスライター。