【暖房機器・加湿器の選び方】コロナ禍の冬、換気をしながら快適に過ごすためのノウハウを紹介!

空調家電

ここでは、コロナ禍の冬、空調機器を上手に使って、快適に過ごすためのノウハウを紹介する。室温が下がるからあまり換気をしなかったかもしれないが、寒くても換気は必須だ。換気をしながら室温や湿度をキープするには、暖房や加湿にも工夫が必要になってくる。この冬を快適に乗り切るための方法を探っていこう。

監修◆中村剛
「TVチャンピオン」スーパー家電通選手権で優勝の実績を持つ家電の達人。家電製品総合アドバイザー。東京電力「くらしのラボ」所長。

目指せ!家電選びの達人今回の家電は「冬の換気・暖房・加湿」

コロナ禍の冬、空調機器を上手に使って、快適に過ごすためのノウハウを紹介!

コロナ禍で迎える初めての冬。例年は、室温が下がるからあまり換気をしなかったかもしれないが、今年は、寒くても換気が必須だ。

換気をしながら室温や湿度をキープするには、暖房や加湿にも工夫が必要になってくる。この冬を快適に乗り切るための方法を探っていこう。

換気
今、空調の最重要キーワード。寒い冬の空気の入れ替えはどうやるのが効果的?

暖房
メイン利用にはエアコンがおすすめ。体を直接温められる局所暖房にも注目!

加湿
専用機ならスチーム式、ハイブリッド式がねらい目。空気清浄機一体型も人気

この冬は夏以上に換気が大切

暖房をしながらも、まめに空気を入れ替えたい

新型コロナウイルス感染予防策として、今年は夏ごろから“室内の換気”が大々的に推奨されてきた。これまでは冷房中に部屋の換気を行っていなかった人も、今年の夏は積極的に部屋の空気を入れ替え、感染リスク回避を心がけたのではないだろうか。

換気
部屋を閉めきっていると、汚れた空気が室内にとどまり、体に害を及ぼすおそれがあるので、定期的な空気の入れ替えが必要。

一方で、冬の場合は、換気をすると冷たい空気が一気に室内に入り込んでくるため、夏に比べて空気の入れ替えに消極的になりがちだ。しかし、空気が乾燥する冬は、風邪やインフルエンザのリスクも高まってくる。夏よりも、室内の空気環境に気を遣いたい。

とはいえ、窓を開けて換気をしながら、室内の温度を保つのはやはり難しい。では、換気と快適さを両立させるには、どんな製品を選び、どう使えばいいのか。いつもの冬とは違う、今冬の部屋の空調について考えてみたい。

換気の方法には、「自然換気」と「機械換気」とがあり、前者は、いわゆる窓開け換気、後者は、建物の設備を使う換気で、三つのタイプがある。

自然換気
➡➡➡窓やドアを開けて、室内の空気と外気を入れ替える

対角にある窓を開けると効率がいい
換気をする場合は、対角線上にある2ヵ所の窓を開けると、空気の通り道ができて効率的。窓が一つの部屋では、ドアを開けて扇風機などを窓の外に向けて設置すると効果的だ。

◆参考:ダイキン「上手な換気の方法~住宅編~」
https://www.daikin.co.jp/air/life/ventilation/

機械換気
➡➡➡機械式ファンを使って強制的に空気を入れ替える

「機械換気」は3タイプ

【第1種換気】
機械給気・機械排気

給気、排気ともに機械式ファンを使う。安定した換気を行えるため、ある程度の気密性が必要で、オフィスやビル向き。

【第2種換気】
機械給気・自然排気

給気のみ機械式ファンで行う。室内の気圧が外より高くなるため、外気が侵入しない。無菌室などクリーンルームで使われる。

【第3種換気】
自然給気・機械排気

排気のみ機械式で行う。シンプルで設置コストが安く済み、メンテナンスが容易なため、一般住宅で最も多く用いられている。

今、家庭でメイン暖房として使われることの多いエアコンは、室内の空気を循環させながら温めているため、ほとんどの機種で換気は行っていない。そのため、家庭の24時間換気システムなどを活用しながら、定期的(1時間に10分程度)な窓開け換気も大切だ。

だが、中には換気機能を搭載するエアコンがある。ダイキンの「うるさらX」は、換気しながら加湿・暖房する機能を搭載した製品だ。屋外から新鮮な空気を取り込み、エアコンの熱交換器で適温に整え、室内に取り込む仕組み。これは第2種換気のタイプで、冷たいすき間風が部屋に入り込むことも防げる。

なお、この換気機能は、これまで最上位機種にしか搭載していなかったが、2021年モデルではラインアップを拡充して、「うるさらmini」やスタンダードモデルの「Vシリーズ」などにも採用されるようになった。

「吸気方式」を採用し、換気ができるエアコン

ダイキン
うるさらXシリーズ
実売価格例:25万790円(6畳用)~

フラッグシップモデルに加え、寝室利用を想定した「mini」や、業務用エアコンにも換気機能を拡大。リモコンだけでなくスマホからも換気運転が行え、外出先からの操作も可能に。

▲うるさらXシリーズのリモコン

屋外から取り込んだ空気を熱交換器で暖めて室内へ放出。同時に外気から水分も取り込むことで、無給水での加湿効果もうたっている。

ダイキン
うるさらmini Mシリーズ
実売価格例:18万5020円(6畳用)~

ちなみに、過去には他社でも換気機能を採用した製品を発売していたが、この機能を目当てにエアコンが選ばれることはなかった。

そんな中、ダイキンは機能を搭載し続け、現在、“換気ができる唯一のエアコン”をうたっているわけだ。「エアコンは室温のコントロールだけでなく、空調設備として換気も行うべき」といった考えが、認知され始めたといえる。

乾燥する冬は加湿が必須

換気をする場合、加湿機の設置場所にも注意

加湿機は、「超音波式」「気化式」「スチーム式」「ハイブリッド式」など、加湿方式の違いでいくつかのタイプがある。

2020年は、換気することで室内の温度が下がることが予想されるので、超音波式や気化式は満足のいく加湿効果が得られない可能性がある。一方、スチーム式とハイブリッド式は、自らが温度を高めるため室温の影響を受けづらく、安定した働きをしそうだ。

加湿
暖房を使用していると室内の空気が乾燥しがちで、ウイルスや菌が発生する危険性が高まる。湿度が低いと、暖房効果も下がるので加湿は重要。

加湿方式の種類
気化式
(ヒーターレス)
扇風機で濡れタオルを乾かすように、ファンでフィルター
の水を気化させる。蒸気の粒が小さいので広範囲の加湿が
可能。省エネ性が高い。
スチーム式
/スチームファン式
お湯を沸かして蒸気を発生させる電気ケトルのような方式。
電力は使うが、加湿効果や即効性が高い。シンプル構造で
手入れも楽。
ハイブリッド式
(温風気化式)
気化式にヒーター機能をプラス。温風で濡れタオルを乾
かすイメージで、加湿スピードが速い。ヒーターのオン/
オフは自動で切り替わる。
超音波式 超音波振動で水を霧状にする方式。粒が大きいため、周囲の
湿度が高くなる。タンク内に雑菌が繁殖しやすく、こまめな
手入れが必要。

まず、スチーム式の注目機種は象印。沸騰させた清潔なお湯を約65℃まで冷まして加湿するため、やけどの心配が少なくて安心だ。ただし、暖かい蒸気は、温度の低い部屋では天井近くに集まっていくので、サーキュレーターなどを使って、空気の循環を心がけるといいだろう。

象印マホービン
EE-RQ50
実売価格例:1万5600円

●幅240mm×高さ315mm×奥行き260mm
●2.4kg

ハイブリッド式では、ダイニチのメンテナンス性の工夫が話題だ。水をためるトレー部に、交換可能な専用カバーを導入したことで、めんどうな手入れの手間を大幅に軽減している。また、1時間最大1100ミリリットル(ターボ運転時)と加湿量が多く、静音性にもこだわりがある。性能と使い勝手が、ハイレベルにまとまっている。

ダイニチ
HD-LX1020
実売価格例:3万8280円

●幅390mm×高さ405mm×奥行き245mm
●6.4kg

空気清浄機と一体になった加湿空気清浄機では、パナソニックに注目。最新モデルでは、同社のエアコン「エオリア」との連係機能を搭載し、暖房と加湿のオン/オフが一度にまとめて行え、使い勝手が向上している。さらには、高濃度の「ナノイーX」をエアコンと加湿空気清浄機の両方から発生させることができるので、単独で使用したときに比べて、ウイルスやニオイの抑制スピードがアップした。

パナソニック
F-VXT90
実売価格例:10万5600円

●幅398mm×高さ640mm×奥行き287mm
●11.7kg

アプリで暖房をオンにすると同時に加湿を開始。2018年以降発売の無線LAN搭載エアコンで連係可能。

なお、せっかく加湿機を使っても、設置場所によっては、加湿効果が発揮されにくいことがある。

例えば、加湿機にセンサーが付いている場合は、エアコンの風が直接当たるとセンサーが誤検知してしまうため、風が直接当たらない場所に設置したほうがいい。また、換気扇や部屋の出入口の近くに設置すると、加湿された空気を送出しても部屋に広がる前に逃げてしまい、部屋の湿度が上がりにくくなる。結露が出やすくなる窓際も、避けて設置しよう。

加湿機はどこに置くのがいい?

(1)エアコンの風が直接当たらない場所
➡➡➡センサーが誤動作しないようにする。

(2)換気扇や出入口の近くは避ける
➡➡➡加湿された空気が部屋に広がる前に外に逃げるのを防ぐ。

(3)窓から離れた場所
➡➡➡結露を発生させないようにする。

今年は局所暖房が活躍する

遠赤外線で、体の中から温められる製品に注目

換気によって室内温度のコントロールが難しくなる今年は、人の近くに置いて、体を直接温められる局所暖房も活躍しそうだ。中でも遠赤外線の輻射熱は、体に吸収され、体の中から温めるので、換気の影響を受けにくいといえる。

注目の個性派暖房機器
換気が必須の今冬は、人の近くに置いて直接温められる局所暖房にも注目したい

ダイキンセラムヒートは、体に吸収されやすい波長の遠赤外線を放射することで温熱効果が高く、35年のロングラン商品となっている。最新モデルは換気を考慮し、部屋のいろいろな場所で使えるよう、電源コードを3メートルまで延ばした。丈夫な被覆コードにすることで、ねじれなどにも強くなっている。

ダイキン
セラムヒート
ERFT11XS
実売価格例:4万3890円

人に吸収されやすい波長域の赤外線を放出
人に吸収されやすい3〜20ミクロンの波長域の赤外線を放出。首振りが可能なほか、横向きに回転させて幅広モードでも使える。タイマーや人感センサーなど、便利な機能も搭載。

●幅342mm×高さ652mm×奥行き342mm
●8kg

デロンギオイルヒーターも輻射式だが、最近はその進化版のマルチダイナミックヒーターが注目されている。安全性や快適性などオイルヒーターの長所を継承しながら、短所を改善。高いといわれてきた電気代が63%節約でき、暖房速度も2倍となっている。

デロンギ
MDHAA15WIFI-BK
実売価格例:8万7670円

輻射熱と対流熱で暖房。スマホアプリで操作できる
輻射熱と対流熱で暖房を行うマルチダイナミックヒーター。スマホでリモート操作が可能だ。温度管理の精度が高く、プラスマイナス0.1℃の範囲で安定させるため、節電効率が高い。

●幅275mm×高さ665mm×奥行き495mm
●12.5kg

ディンプレックスベリーニはファンヒーターだが、ゆらゆらと揺れる炎を投映し、暖炉のような趣きを再現しているのが個性的だ。視覚的に火が見えると暖かい気持ちになり、リラックスした雰囲気も楽しめる。そんなアプローチを取り入れるのも一興だ。

ディンプレックス
オプティフレーム
ベリーニ
実売価格例:7万6780円

独自技術で炎の質感をリアルに再現
光の反射・屈折による独自技術で炎の質感をリアルに再現。熾火(おきび)のような炎から、燃え盛る大きな炎まで、炎の大きさは5段階。室温設定は、18~30℃まで1℃ずつ調整できる。

●幅650mm×高さ865mm×奥行き195mm
●22kg

まとめ

海外で第2波の拡大が報道されるなど、コロナ感染はまだまだ警戒が必要だ。やはり今冬は、換気を前提に、暖かく過ごせる環境を整えておこう。

室温を確保するのはもちろんだが、乾燥を防ぐため湿度にも気を遣いたい。適度な湿度を保つことは、体感温度を上げることにもつながるほか、ドライアイや静電気の防止に役立つ。

テレワークの際にも、快適で集中しやすい環境を整えてくれるだろう。

※価格は記事作成時のものです。

取材・執筆/諏訪圭伊子(フリーライター)

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