あなたは「オートミール」をご存知ですか? 麦の一種である『(オーツ麦)』を脱穀して、加工した食品です。最近、人気が高まってきているので、名前を耳にしたことがあるかたも多いかもしれません。欧米では昔から朝食として食べられていますが、最近、日本でも芸能人やモデル、アスリートなどが美容と健康のパフォーマンス向上のために食生活の取り入れていることからブームになっています。その効果は主にダイエット、便秘改善、美肌効果など。40kg以上の減量に成功して、リバウンドせず、スリムな体形を維持しているかたがたもいます。(文=森川隆太郎・企画編集部)
本稿は『だれでも美しくやせる!オートミールダイエット』(マキノ出版)から一部を抜粋して掲載しています。
オートミールのダイエット効果
ダイエット治療の専門医である工藤内科の工藤孝文院長によれば、オートミールにはビタミンB群やカルシウム、鉄などミネラルが豊富に含まれているうえ、さらに注目する2つの点があるといいます。
(1)糖質もしっかり摂取できる
(2)水溶性食物繊維が豊富に含まれている
近年、糖質制限ダイエットが人気ですが、全く摂取しないのは逆効果。低血糖を招きフラフラしたり、ほんの少しの糖質摂取で血糖値が跳ね上がったりする体になってしまうそうです。その点、G1値(食品の血糖値の上昇しやすさを示す値)が白米(GI値84)より低いオートミール(GI値55)は適度な糖質を摂取できるのでお勧めです。
やせホルモン「GLP-1」
さらにオートミールは、豊富に含まれる水溶性食物繊維により、「やせホルモン」として注目されている「GLP-1」の分泌を促すこともわかっています。
GLP-1とは、食欲のコントロールや肥満の解消に役立つホルモン。通常、栄養素は小腸を通る前に消化・吸収されますが、食物繊維は大腸まで行き分解されます。水溶性食物繊維はこの過程で腸内細菌によって短鎖脂肪酸に変容。この短鎖脂肪酸が小腸から大腸と進んでいく際にGLP-1の分泌を促すのです。
GLP-1は、脳の満腹中枢を刺激し、食欲を抑える作用があります。また血糖値を一定に保つインスリンの分泌を促します。これらはダイエットに非常に有効な作用です。
レシピも自由自在
「オートミールが健康によくてダイエット向きの食材だとわかったけど、毎日食べるのは飽きる」と思っているかたは、まずは朝食から始めるとよいでしょう。前述のGLP-1の効果で昼食でも血糖値の上昇が抑えられ、食べ過ぎを防ぐことができます。
また、オートミールは意外かもしれませんが、お米の代用(米化)として使えるんです。オートミール30gに水50㎖加えてほぐし、電子レンジ(500W)で1分加熱したら、米化の出来上がり!
おにぎり、いなり寿司、丼ぶり、ビビンバ、リゾットなどレシピの数も無限大です。また、小麦粉の代用としても使用できるので、ハンバーグ、チキンナゲット、チジミなどのおかずも作れます。
このようなレシピでオートミールを食べ続けた結果、99kg→51kgのマイナス48kg、108kg→65kgのマイナス43kgのダイエットに成功したかたがたがいるのです。さらに驚くことに、リバウンドいっさいなし!これも食事&糖質制限とは無縁のオートミールダイエットの魅力です。
料理に使うならこの2種類
オートミールは、スーパーに行けば、たくさんの商品が売られています。ご自身が料理して使う場合は、以下の2つのオートミールを使用するとよいでしょう。
(1)ロールドオーツ
(2)クイックオーツ
(1)は燕麦(オーツ麦)を脱穀して蒸し、平たく押しつぶした物。粒がしっかりしているので、米のかわりにするときに最適です。
(2)は、ロールドオーツをさらに細かくした物。ハンバーグやお好み焼きなどのつなぎとして小麦粉用途で用いるのに最適です。
ほかに「インスタントオーツ」という商品も売られていますが、これはすでに調理されていて味がついている物。牛乳をかけて食べたりするので、調理用には向いていません。もちろん(1)、(2)に牛乳をかけて食べるのもお勧めです!
穏やかな春が過ぎ、暑い夏はあっという間にやってきます!オートミールを食べて楽にやせて、健康的な理想のスタイルを手に入れてください!
なお、本稿は「だれでも美しくやせる!オートミールダイエット」(マキノ出版)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。詳しくは下記のリンクからご覧ください。