【中古キャンピングカーの恐怖】タイヤ、ブレーキ、ライトに不具合噴出!購入前の正規ディーラー点検を強くおすすめ

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筆者のキャンピングカーは、クルマ関係の仕事をしている知人から購入した中古車です。先日も、7ヵ月になった乳児の息子と家族3人で北海道一周を楽しんできました。ところが、この北海道一周から戻ってくるとブレーキに異常が……。ほかにも気になる部分があったので、正規ディーラーの12ヵ月点検を行ったところ、いろいろと出てくる不具合の数々。そんな中古キャンピングカーの恐怖をお伝えしたいと思います。

執筆者のプロフィール

齋藤千歳(さいとう・ちとせ)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在は昨年8月に生まれた息子と妻の3人、キャンピングカー生活にハマっており、約1ヵ月かけて北海道を一周するなどしている。

クルマのことを人任せにするのは危険

ブレーキ故障で正規ディーラーへ

筆者がキャンピングカーを購入してから約5ヵ月が経ちました。ちなみに筆者のキャンピングカーは、クルマ関係の仕事をしている知人から購入したものです。車種はヨセミテスポーツで、ベース車はトヨタのカムロード。クルマ関連の仕事している知人が管理しているので、安心だろうと思っていました。

しかし、その知人がつけてくれた冬タイヤは、交換したあとチェックすると8年モノ。キャンピングカーのタイヤについては過去記事「キャンピングカー専用タイヤの選び方」をご覧いただけると幸いです。まあ、8年モノのスタッドレスタイヤは、たとえ溝が残っていたとしても、まず使わないのが常識。家族を乗せて北海道一周をする予定だった筆者は、当然、新しいDUNLOPのWINTER MAXX LT03Mに交換。今シーズンは冬タイヤへの交換を2回行うという経験をしました。

このあたりから、いくらクルマ関係の仕事をしている知人とはいえ、人任せは危険だと思い始めたのです。そして、約1ヵ月の北海道一周の旅から戻るとブレーキの異常などもあったため、思い切ってベース車の正規代理店である近所の「札幌トヨタ自動車千歳店」に持ち込みました。

今回、お世話になった「札幌トヨタ自動車 千歳店」。細かな部分までしっかりと対応いただきました。

「12ヵ月点検」で洗い出された不具合

なぜか、筆者のまわりにはクルマ関係の仕事の人が多く、そのひとりである叔父から「正規ディーラーに持ち込むなら、せっかくだから『12ヵ月点検』とオイル交換は行っておけ」というアドバイスを受け、それを実行したわけです。

ちなみに「12ヵ月点検」は2年ごとに行う「24ヵ月点検」と同じ法定点検ですが、行わないことによるペナルティはないといいます。「24ヵ月点検」については車検と同じタイミングなので、その際に実施されるそうです。ブレーキやエンジン、ステアリングなど、軽自動車を含む自家用車の場合26項目が点検対象。しかし、筆者のキャブコンは小型トラックであるカムロード(ダイナ150)がベースなので自家用小型トラック扱いになり、82項目の細かなチェックが行われます。ブレーキ関連だけで20ほどのチェック項目があり、先に行っていれば、ブレーキの不具合は起きなかったのでは思うほど。

価格は以外と安く、「札幌トヨタ自動車 千歳店」では、カムロード(ダイナ150)で「12ヵ月点検」25,300円と「日常点検」1,210円で、合計26,510円でした。

そして、この「12ヵ月点検」でみつかった不具合は以下の通りです。

フロントブレーキ ディスク&パッド

ヘッドライト

オイルとフィルターの交換

シガーソケット

その他

このあとは、それぞれがどのような状況で、どのくらいの修理費が掛かったのかを紹介していきます。

普通乗用車以上に細かくチェックされた「12ヵ月点検」の記録簿。この点検で問題のあった部分を修理しました。

実際の修理と費用

ブレーキディスクとパッドをフル交換

筆者でもわかるレベルで不具合が出て、「札幌トヨタ自動車 千歳店」に行く原因にもなったのが、左のフロントブレーキでした。実際に分解してチェックすると、ブレーキパッドだけでなく、ブレーキディスクもガタガタになっていたため交換。保管状態がよくなかったのと、キャンピングカーのフロントブレーキは負荷の掛かりやすい部分なので片方だけが痛んでいるというのは考えづらいと、右もチェック。すると、こちらもパッドだけでなく、ディスクも傷んでいたので交換となりました。

また、リアブレーキはドラム方式なので、あまり壊れることはないそうですが、チェックしてもらい、問題はありませんでした。

さて、気になるのは値段です。フロントブレーキのディスクとパッドをフル交換ですので、すごい値段になるのではと思ったのですが、総額で55,682円。「あれ、意外と高くない」といった価格です。さすが国産の働くクルマと感謝した次第。細かなパーツはよくわかりませんが、フロントブレーキのディスクの部品代は1枚9,020円でした。

カムロードベースのキャンピングカーに乗っているみなさん、フロントブレーキは意外と安かったです。気になったら交換しましょう。

ブレーキパッドだけでなく、ディスク部分も腐食して溝ができているため交換となりました。

ヘッドライトをLED→ノーマルへ

次に、点検でひっかかったのがヘッドライトです。「こんなに暗いライトで、よく運転してましたね」といわれました。

しかしですね、キャンピングカーを購入するまでトラックなんて運転する機会がなかったんです。トラックのヘッドライトがどのくらい明るいかなんて、知らないわけです。

さらに、元の持ち主に「ヘッドライト、暗いと思うんだけど」と言ったところ、「そんなはずはない。LEDに交換しているから、普通より明るいはず」と言い切られていたので、「そうなんだろう」と思うしかなかったのです。

ところが。

LEDは焼き付いたようになっており、まったく光量が出ていませんでした。同じような社外品のLEDに交換すると部品代は約3万円、ノーマルに戻すと4,400円。壊れたLEDよりはノーマルでも十分明るいというので、純正のノーマルに戻しました。

技術料(工賃)が4,840円、部品代が4,400円で計9,240円。夜すごく走りづらかったのが解消されました。おかしいと思ったら、きちんと正規ディーラーで点検してもらう方がいいですね。

分解したヘッドライト部分。元オーナーが取り付けたLEDは真っ黒になっていました。

シガーソケットを新品に

筆者のキャンピングカーの場合、元々ベース車についている運転席のシガーソケットが1つと、住居スペースにシガーソケットが2つあるので、シガーソケット自体は計3つあります。筆者の理解が間違っていなければ、住居スペースにあるシガーソケットは、キャンピングカーのサブバッテリーを経由しているので、エンジンを止めても使用できますが、エンジンを掛けているときの運転席にあるシガーソケットほどの電圧はないようです。そのため、電力の大きなポータブル電源などを充電するには、運転席にあるシガーソケットを使う必要があります。

つまり運転席のシガーソケットは、ある意味もっとも重要といえるのですが、使用頻度が高いためか、ソケット部分が浮いてプラプラしていました。元オーナーには、引き渡し前に修理を頼んでいたのですが、そのままだったのです。運転中も目に入りますし、使う度にイライラするので、今回、修理しました。実はパーツが緩んでいたのではなく、シガーライターのステー自体が破損していたとのこと。パーツ代が4,180円、技術料1,100円、合計5,280円ですっかり直りました。

シガーソケット部分もキャンピングカーでは壊れやすいパーツですが、修理にさほど費用は掛かりません。プラプラしなくなったことで、キャンピングカー使用時のストレスが非常に軽減されました。

ずっと壊れたままだったシガーソケット。この機会に修理しました。

オイルとフィルターを交換

ちょうど北海道一周3,500kmから戻ったタイミング。しかも、前回の車検からエンジンオイルの交換を行っていなかったので、エンジンオイルとオイルフィルターも交換しました。オイル交換の技術料が2,090円、オイルパンドレンプラグガスケットが88円、オイルフィルターが1,540円、オイルがトヨタキャッスルDL-1 5W-30が7Lで7,084円、合計10,802円。

オイル交換については必要経費といったところでしょうか。

心配していたバッテリーもチェックしてもらいましたが、問題ありませんでした。ひと安心です。

中古車は購入前に「12ヵ月点検」を!

「12ヵ月点検」と「日常点検」で26,510円。筆者は、なぜ購入交渉中に、この料金を負担してでも、中立的な立場のプロの目でキャンピングカーの状態を確認してもらわなかったのか? この点を深く後悔しました。相手が知人でクルマの専門家といっても、売り手の立場からすれば、「ライトが暗い」とか「シガーソケットが緩んでいる」などは、「なんともない」ことにしたいのが本音でしょう。

しかし、12ヵ月点検と故障箇所のチェックと見積もりをしておけば、シガーソケット修理代5,280円は売値から引いてほしいとか、ヘッドライトは車検の通らない状態だから修理代を負担してほしいといった交渉ができたでしょう。また、ブレーキパッドの残量やタイヤの溝といったチェック項目もあるので、ブレーキの故障も予見できたかもしれませんし、タイヤが古すぎて硬くなっていることも指摘してくれたと思われます。

筆者のキャンピングカーのようにカムロードやハイエースベースなら、個人売買後も近くのトヨタのディーラーでクルマをみてもらうことになるでしょう。ですから、自分で点検費用を負担してでも、購入前に正規ディーラーの「12ヵ月点検」でチェックしてもらうのがおすすめです。売り主が「正規ディーラーの点検は嫌だ」という場合は、購入は見合わせたほうがいいと思います。

次の車検までに直しておいたほうがよい細かな点も、いくつか指摘してもらいました。

まとめ

タイヤやブレーキ、ヘッドランプなど、安全にかかわる問題に気づかないまま、家族を連れてキャンピングカーで旅行していたことに、筆者は心底、恐怖を覚えました。約2万5000円で、ある意味「神」の裁きを受けられる正規ディーラーの「12ヵ月点検」。できれば売買前に、難しければ買ったらすぐに行うことを、実体験からおすすめします。

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齋藤千歳(フォトグラファーライター)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。北海道の美しい風景や魅力を発信できればと活動中。

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