暖かな光で夜暗を優しく照らしてくれる「ランタン」は、夜のキャンプの必需品だ。ランタンには大別すると「オイル(燃料式)ランタン」と「LEDランタン」の2タイプがあるが、初心者にも扱いやすいのはやはり安全性の高いLEDランタンだろう。LEDランタンは、オイルランタンに比べるとサイズも比較的コンパクト。荷物を減らしたいという場合はもちろん、メインのほかにサブ的なランタンが欲しい人にもうってつけだ。今回は、そんな便利なコンパクトLEDランタンを厳選して紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。
コンパクトLEDランタンとは?
LEDランタンにはさまざまな種類があるが、なかでもコンパクトタイプの魅力といえば「荷物にならない」点だろう。当たり前といえば当たり前だが、キャンプでは荷物は少ないほうが身軽に行動できる。クルマでたくさんの荷物を運搬できるオートキャンプですら、トランクからの積み下ろしなどを考えれば荷物は少ないに越したことはない。
コンパクトなLEDランタンというと、夜の灯りとして少々頼りなく思えるかもしれないが、以前と違って、いまは小型でも大型並みの明るさを実現したモデルも増えてきている。
もちろん、大型のLEDランタンにはバッテリー動作時間や凝った意匠など、大型ならではの良さがあるが、純粋な明るさを比較した場合のハンデはなくなってきている。小型でも性能によっては、十分メインをはれるランタンとして利用できるはずだ。
コンパクトLEDランタンの選び方のポイント
コンパクトLEDランタンといっても「LEDランタン」であることには違いない。従って、製品を選ぶ際のポイントも基本的にはLEDランタンのそれに準じる。
輝度(明るさ) | 明るければ明るいほど、夜間でも快適に行動できる。 製品カタログなどでは、輝度の高低を「ルーメン」の単位で示される場合が多い。 |
光色 | 「白色」と「暖色」の2タイプに大別可能。 暖色は、ややオレンジがかった色合いで暖かみのある灯りを満喫できる。 白色は、青白がかった明瞭な灯りで細かな作業をする際に重宝する。 複数の光色を利用できる超高機能を備えたモデルもある。 |
バッテリー | 通常、乾電池もしくは充電池を利用する。 乾電池タイプはバッテリー交換が容易な反面、構造上、筐体がやや大きくなりがち。 充電池タイプは筐体を小型化しやすい反面、 バッテリーが切れた場合に充電が必要な点がネックだ。 |
ポイントは以上の3つ。
「明るさ」については当然、明るければ明るいほど重宝することは間違いない。それに大抵の場合、ランタンには調光機能が備わっているため、暗くしたい場合には明るさを下げれば済む話だ。ただし、一般的には高輝度なLEDランタンほど価格も高くなるので、予算との兼ね合いで手頃な明るさで手を打つのもアリだろう。
「光色」については、極論すれば好みの部分ではあるが、雰囲気を大切にするキャンプの場では、オイルランタンと似た光色を満喫できる「暖色」が好まれる傾向が高い。というのも、「白色」のLEDランタンの灯りは、いってしまえば街の街灯と似たような無味乾燥な光色のため、キャンプ的な雰囲気にはそぐわないと感じてしまうからだ。
ただし、クリアーな色合いで隅々まで明るくできる白色LEDには、キャンプ料理や配膳など、夜闇のなかでも細かい作業がしやすいという得難いメリットもある。ゆえに、光色の異なるランタンを複数使い分けるのも手だが、ランタンはひとつだけで済ませたいというなら「調色機能」を搭載し、暖色・白色の両方を使えるタイプを選ぶといいだろう。
最後に「バッテリー」について。ランタンのコンパクトさにこだわるのなら、小型化の効く内蔵バッテリータイプが有利といえる。充電できる環境がないとバッテリー切れになった際に困るのがネックだが、最近の内蔵バッテリー型ランタンには2泊程度のキャンプなら十分しのげるものも多くある。また、ランタンによってはモバイルバッテリーを使った充電に対応しているモデルもあるので、長期間のキャンプの際にはこうしたグッズを利用するのもいいだろう。
乾電池型は、内蔵バッテリー型と違って簡単に電池の交換ができる点が大きな魅力。予備の電池をたくさん持っていけば長期間の滞在にも対応できるし、万が一ストックが切れても買い出しの際にコンビニやスーパーなどで入手できる点も安心感がある。
もし、ランニングコストを抑えたければ、エネループのような乾電池型充電池を利用するのもいいだろう。ただし、ほとんどのLEDランタンはこうした乾電池型充電池にも対応しているが、なかには非対応の場合もあるので注意すること。
バッテリーが切れても交換できる「乾電池対応」LEDランタン
予期せぬバッテリー切れを避けたいなら、乾電池式のコンパクトLEDランタンがベスト。内蔵バッテリー型と比べて筐体はややかさばるが、入手性に優れた乾電池を使えるのは安心感が高い。メインには充電型のLEDランタンを利用するにしても、万が一の抑えとしてひとつ持っておくとなにかと重宝するはずだ。
コールマン
バッテリーガード
LED ランタン/200
暖色系の柔らかな灯りを楽しめるLEDランタン。「バッテリーガード」の謳い文句どおり、消灯中の過放電を防いで電池を長持ちさせる機能を搭載している。IPX4の防水機能を備え、急な雨降り程度なら慌てることなく対応できる点も安心感がある。本体カラーはレッドとグリーンの2色展開。
明るさ(最大):200ルーメン/光色:暖色/電池:単3形アルカリ電池×4本/点灯時間:約15時間/サイズ・重量:直径7・4センチ×高さ12.6センチ・180グラム
●製品情報
ジェントス
EX-144D
水に浮くフローティング構造を採用したLEDランタンで、IP67準拠の防水防塵性能を有し、水深1メートルの水没にも耐える。ホヤ(グローブ)全体が発光する「シャドーレストップカバー」構造を採用し、影のない目に優しい灯りを実現している。さらに、光量がランダムに変化し、ろうそくの炎のような味わいを再現した「キャンドルモード」も搭載するなど、ちょっとした遊び心がある点もうれしい。底面には収納式のカラビナフックを備え、ランタンフックなどに簡単に吊り下げられる点も便利だ。
明るさ(最大):【Highモード】200ルーメン【Ecoモード】50ルーメン/光色:暖色/電池:単4形アルカリ電池×4本/点灯時間:【Highモード】8時間【Ecoモード】48時間【キャンドルモード】107時間/サイズ・重量:直径67ミリ×高さ120ミリ・156グラム(電池含む)
●製品情報
UCO
スプラウト+
人気のコンパクトLEDランタン「スプラウト」の新型モデルで、単4アルカリ乾電池3本のほか、専用充電池での動作にも対応。最大100ルーメンの暖色光に加え、中央のボタンを2回押すことで虫が寄りにくいといわれるブルーライトにも切り替えられる。IPX4の防水機能のほか、マグネット式のストラップを本体底面に備え、簡単に着脱できる点も便利だ。本体カラーはブラックとブルーの2色展開。
明るさ(最大):100ルーメン/光色:白色/電池:専用充電池・単4形アルカリ電池×3本/点灯時間:4時間(ハイビーム)、50時間(ロービーム)/サイズ・重量:直径6.4センチ×高さ4.6センチ・84グラム(電池含む)
●製品情報
超コンパクト筐体が魅力「充電式」ランタン
キャンプでは、テントやシュラフ、調理器具など、たくさんの道具が必要なため、ついつい荷物がかさばりがち。それゆえランタンひとつといえど、できれば持ち運びが苦にならない小型タイプを選びたくなるのが人情だろう。専用充電池を利用する充電式ランタンなら、一般的に乾電池タイプより筐体サイズが小さいため、荷物を少しでも減らしたい人にもうってつけだ。また、バッテリーには繰り返し利用できる充電池を用いるため、乾電池式より低コストで運用できる点も魅力。環境に優しいエコを重視するキャンパーにもおすすめのランタンだ。
Ledlenser
Ledlenser ML4 Warm
高さ97ミリの極小筐体を実現したミニLEDランタン。上部に大型のカラビナフックを備え、ランタンフックやテント内などにも簡単に吊り下げられる。最大300ルーメンの暖色光を利用可能なほか、ホヤ(グローブ)部分には最先端の「マイクロプリズムテクノロジー」を採用し、眩しさを軽減した効率的なライトアップを実現している。バッテリーの充電には、マグネット着脱式の専用USBケーブルを使用。ランタン本体と簡単に取り外しできるので、夜間のテント内など、薄暗い場所でもストレスなくケーブルをつなげられる。
明るさ(最大):【ブースト】300ルーメン【パワー】150ルーメン【ミドル】50ルーメン【ロー】5ルーメン/光色:暖色/電池:専用充電池/点灯時間:【ブースト】不明【パワー】2.2時間【ミドル】7時間【ロー】40時間/サイズ・重量:直径29ミリ×高さ97ミリ・71グラム(電池含む)
●製品情報
DOD
LEDソーラー
ポップアップランタン
L1-427
ソーラー充電とUSB充電に加え、単3形アルカリ電池3本での動作に対応したコンパクトLEDランタンで、提灯のようなポップアップ式の構造を使用。収納時はコンパクトに畳んでおけるので、ストレスなく持ち運びができる。ホヤ(グローブ)と電源ボタンには蓄光素材を利用し、消灯後もしばらく光っているため、暗闇でもランタンの位置を把握しやすい。暖色と白色の調光に対応するほか、キャンドル風のゆらぎを再現したモードや夜間にほのかに灯りを照らす常夜灯モードも搭載。ホヤを取り外して簡易的なフラッシュライトとしても利用できる点も使い勝手がいい。
明るさ(最大):【白色】200ルーメン【暖色・強】100ルーメン【暖色・弱】20ルーメン/光色:暖色・白色/電池:専用充電池・単3形アルカリ電池×3本/点灯時間:【白色】10時間【暖色・強】25時間【暖色・弱】80時間【ゆらぎ】40時間/サイズ・重量:直径85ミリ×高さ110ミリ(ランタン時)高さ60ミリ(折りたたみ時)・161グラム(電池含まず)
●製品情報
収納サイズ:(約)直径85×H60mm
重量(付属品含む):(約)161g ※乾電池は含まず。
材質:本体/ABS,ホヤ部/シリコン,ハンガー部/スチール
連続点灯時間:ハイパワーモード/10時間(4時間),ノーマルモード/25時間(10時間),常夜灯モード/80時間(32時間),ゆらぎモード/40時間(16時間) ※()内はニッケル水素充電池の数値です
明るさ:ハイパワーモード/200lm(白色LED),ノーマルモード/100lm(暖色LED),常夜灯/20lm(暖色LED),ゆらぎモード/可変(暖色LED)
電源:単三乾電池(別売)
付属品:US…
キャリー・ザ・サン
キャリー・ザ・サン
ウォームライトミディアム
折りたたみ可能なPET素材のホヤを採用したLEDランタン。LEDには暖色系を用いており、最大100ルーメンの輝度をしっかり実現している。ホヤ(グローブ)部分には耐UV糸を織り込んだ丈夫な縫製が施されており、気になる強度も十分確保。バッテリーはソーラー充電のみに対応し、直射日光で7~9時間ほどでフル充電が可能だ。
明るさ(最大):【強】100ルーメン【中】20ルーメン【弱】10ルーメン/光色:暖色/電池:専用充電池/点灯時間:【強】10時間【中】42時間【弱】72時間/サイズ・重量:幅11センチ×奥行き11センチ×高さ11センチ(ランタン時)幅11センチ×奥行き21センチ×高さ1.2センチ(折りたたみ時)・86グラム(電池含まず)
●製品情報
色々と便利に使える多機能型ランタン
ランタンとしてではなく、懐中電灯やヘッドライドなどとしても使えれば、そのぶん余計な荷物も減らせて一石二鳥。それになによりこうした多機能ランタンは、まるで秘密道具のようなガジェット感に満ち溢れ、使っているだけでもワクワクとする。キャンプをいっそう満喫するための程よいスパイスにもなってくれることうけあいだ。
ゴールゼロ
Lighthouse Micro Flash
あまりの人気ぶりに品薄が続いているコンパクトLEDランタン。全長93ミリの極小筐体ながら、専用充電池により最大150ルーメンの輝度を実現している。先端にはフラッシュライトも備えており、最大120ルーメンでの照射も可能。本体には充電用のUSB端子を備えており、ケーブルレスでバッテリー充電をこなせる点もうれしい。IPX6の防滴性能に加え、先端に吊り下げ用のハンガーを備える点も使い勝手がいい。
なお、本機にはフラッシュライトを省いたランタン単機能モデル「Lighthouse Micro」をあるので、混同しないように注意したい。また、最近は品薄のため転売目的の高額品も目につくが、本来の実売価格は4290円程度だ。
明るさ(最大):【ランタンハイモード(最大時)】150ルーメン【ランタンハイモード(最小時)】20ルーメン【ランタンローモード(最大時)】75ルーメン【ランタンローモード(最小時)】10ルーメン/光色:暖色/電池:専用充電池/点灯時間:【ランタンハイモード(最大時)】7時間【ランタンハイモード(最小時)】80時間【ランタンローモード(最大時)】15時間【ランタンローモード(最小時)】170時間/サイズ・重量:直径37.75ミリ×高さ93センチ・68グラム
●製品情報
ジェントス
EX-418H
老舗の国内懐中電灯メーカー・ジェントスらしい、実用性を重視した質実剛健さにあふれる1台。白色と昼白色、暖色の3色を利用できるほか、専用充電池と単3形アルカリ電池のバッテリー動作に対応。無段階調光機能も備え、スイッチの長押しで好きな明るさに変更できる。
さらに、ろうそくの炎のような揺れを再現した「キャンドルモード」も搭載。カバー(ホヤ)は取り外し可能で、付属のランタンフックを利用すれば吊り下げ電球のように使える。また、IP66準拠の防水防塵性能を備え、アウトドアシーンでも安心して利用可能だ。
明るさ(最大):【白色】500ルーメン【昼白色】300ルーメン【暖色】200ルーメン(最大時)/光色:白色・昼白色・暖色/電池:専用充電池・単3形アルカリ電池×4本/点灯時間:【白色】30時間(弱)8時間(強)【昼白色】63時間(弱)5時間(強)【暖色】52時間(弱)7.5時間(強)【キャンドル】60時間/サイズ・重量:直径80.2ミリ×高さ153.3ミリ・276グラム(電池含む)
●製品情報
セット内容・付属品:本体、ハンガーフック、マイクロUSBケーブル(50cm)、専用充電池(内蔵)
明るさ(専用充電池使用時):白色 強/500ルーメン、白色 弱/60ルーメン、昼白色 強/300ルーメン、昼白色 弱/30ルーメン、暖色 強/200ルーメン、暖色 弱/30ルーメン、使用電池:専用充電池または単3形アルカリ電池×4本(別売り)
実用点灯(専用充電池使用時):白色 強/8時間、白色 弱/30時間、昼白色 強/5時間、昼白色 弱/63時間、暖色 強/7.5時間、暖色 弱/52時間、暖色 キャンドル/60時間
機能:2m…
RovyVon
RovyVon
Aurora A5x 7075
全長6センチほどの超小型LEDフラッシュライトで、側面にランタン感覚で使えるサイドライトも搭載。フラッシュライト利用時は、最大650ルーメンにも及ぶ高輝度を実現している。バッテリーは充電式で、本体のマイクロUSB端子経由から充電可能。サイドライトは白色光のほか、UVライトにも切り替えられる。本体には蓄光素材を用いており、ライトを消してもしばらくのあいだはほのかに光っているため、暗闇でも見つけやすい。帽子のツバやベルトなどの取り付けに便利な専用クリップも付属する。
明るさ(最大):【フラッシュライト強】650ルーメン【フラッシュライト中】400ルーメン【フラッシュライト低】25ルーメン【フラッシュライト超低】3ルーメン【サイドライト強】65ルーメン【サイドライト弱】17ルーメン/光色:白色/電池:専用充電池/点灯時間:【フラッシュライト強】1.5分+75分※発熱により光量が自動低下【フラッシュライト中】1.5分+150分※発熱により光量が自動低下【フラッシュライト低】10時間【フラッシュライト超低】66時間【サイドライト強】3時間【サイドライト弱】12時間/サイズ・重量:直径15.6ミリ×高さ60.5ミリ・14.8グラム
●製品情報
8便利な設定:4一般的な使用のためのメインの輝度レベル(高|中|低|月光)。ナイトビジョン、バイクライト、緊急事態用の4つのユニークなサイドライトモード(ホワイトローホワイトハイハイレッドレッドフラッシュ)。キーホルダーに取り付けるだけで、この小さなLED懐中電灯に…
まとめ
普段の生活からは想像できないほど、キャンプ場の夜は暗いものだ。なにかしら灯りになるものを準備しておかなければ、食事はおろかちょっとした移動すらままならないケースもある。初めてのキャンプではついテントやシュラフなど、目立つ道具にばかり注意がいってしまいがちだが、それと同じくらいランタンも重要といえる。コンパクトLEDランタンなら荷物の邪魔になることもないし、キャンプ道具に常に忍ばせておきたい。そうすれば、万が一、メインのランタンを忘れた場合も慌てることなく対処できるはずだ。
◆篠原義夫(フリーライター)
パソコン雑誌や家電情報誌の編集スタッフを経て、フリーライターとして独立。専門分野はパソコンやスマホ、タブレットなどのデジタル家電が中心で、息抜きでキャンプも嗜む。初心者にも分かりやすい記事をモットーに執筆活動を展開中。