専門家に聞いたところ、同じCD音源の楽曲を「有線接続」と「ブルートゥース接続(無線)」で聴き比べると、音質的に違いがあるという。例えば、ブルートゥースだと高域の細かな情報が失われ、痩せた感じや、変にとがった感じの音になりやすく、低音の音階が不明瞭になったり、エネルギー感が乏しいと感じたりすることもあるそうだ。

無線対応オーディオの音質は、有線とは違う?

読者からの質問

最近のオーディオ機器では、無線で音楽データを飛ばし、スピーカーで再生できますが、無線と有線とでは、音質に差があるのでしょうか? 私の耳では違いがわからないのですが、その差は、「アナログレコードとCD」や「CDと圧縮音源」のようなものなのでしょうか?(U.Tさん 滋賀県 59歳)

編集部:

これは、AVライターの鳥居一豊さんに聞きましょう。

専門家の回答

専門家:

「まずは無線方式の伝送規格の違いから整理しましょう。多くの人が利用しているブルートゥース規格では、音楽信号を圧縮して伝送します。圧縮方式(コーデック)はSBCが標準ですが、これは、安定した送受信を優先し、転送レートを低く抑えたもので、音質的には不利です。ほかのコーデックとして、iPhoneが採用するAAC、低遅延のapt(アプト)Xなどがあり、これらはCDと同等の44.1または48kヘルツ/16ビットで、音質にも配慮した方式です。さらに、48kヘルツ/24ビットで伝送できるaptX HD、96kヘルツ/24ビットで伝送できるLDAC(エルダック)といったハイレゾ対応の高音質コーデックもあります。

いずれも、対応したスマホや音楽プレーヤーが必要になりますが、これらの音質差もそれなりにあります。ただ、高音質コーデックに対応したブルートゥースヘッドホンには優れた製品が多く、実用上、不満のない音質のモデルも少なくありません。

一方、有線接続では、デジタル音源などもすべてアナログ音声信号に変換してから伝送するので、圧縮などは行いませんし、当然、圧縮による音質劣化は生じません。この点では、ブルートゥースと比較した場合、有線接続のほうが音質的には有利といえるでしょう。実際、同じCD音源の楽曲を有線とブルートゥース接続で聴き比べれば、音質的には違いがあります。例えば、ブルートゥースだと高域の細かな情報が失われ、痩せた感じや、変にとがった感じの音になりやすいですし、低音の音階が不明瞭になったり、エネルギー感が乏しいと感じたりすることもあります」

編集部:

やはり音質には差があり、有線のほうが高音質なんですね。

専門家:

「コーデックによる違いもありますが、無線のブルートゥース接続より有線接続のほうが総じて音質的には有利です。スマホやプレーヤーとケーブルでつないで使うヘッドホンやイヤホンに不満がなければ、有線タイプのほうが安価で高音質なものが多いといえます。ブルートゥースヘッドホンには、有線接続で使うことができる製品もあるので、聴き比べてみるといいでしょう。

ただし、数は少ないながら、スピーカーやイヤホンには無線LANのWi-Fi接続を行うものもあります。Wi-Fiならば伝送帯域も広いので、CDやハイレゾ音源をそのまま伝送することもできます。Wi-Fi接続の製品なら、有線接続との音質の差は接続ケーブルの音質差と同じくらいの微妙な差と考えていいでしょう。ワイヤレス接続でも、高音質を求めるならば、Wi-Fi対応のモデルを検討しましょう」

編集部:

同じ無線でも、ブルートゥースはコーデックにより音質に差があり、Wi-Fiは有線接続と同等という場合もあるんですね。了解しました!

画像: 無線対応オーディオの音質は、有線とは違う?

◆イラスト/はやし・ひろ

This article is a sponsored article by
''.