【ニトリのダッチオーブン】鉄鋳物製で税込み1,518円!炊き込みご飯とローストチキンで実力を試してみた

レビュー

多くのアウトドアブランドなどから発売されている「ダッチオーブン」。キャンプなどで格好よく使いこなしてみたい調理アイテムでしょう。ただ、分厚い鉄でできたダッチオーブンは重くて大きく、そこそこよいお値段。キャンプでしか使わないと考えると、あまりコストパフォーマンスが高くないように感じます。ところが、家具およびインテリアの大手ニトリが、直径19cmと小ぶりで、なんと税込1,518円という、驚くほど安いダッチオーブンを販売しているのを発見!この実力を、実際に自宅で試してみました。

執筆者のプロフィール

齋藤千歳(さいとう・ちとせ)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在は昨年8月に生まれた息子と妻の3人、キャンピングカー生活にハマっており、約1カ月かけて北海道を一周するなどしている。

税込1,518円は破格

予想以上にしっかりとした作り

アウトドア雑誌などで見ると、「鉄の塊」といった無骨な印象のダッチオーブン。使われている鉄の量も多く、なかかな高価な調理器具です。しかも、キャンプなどのアウトドアでしか使えないという印象でした。

しかし、「ニトリのダッチオーブン(19cm)」は税込1,518円。はっきりいって品質が心配になるレベルの価格です。

実際に店頭で実物を確認してから購入しようと、近くの店舗に行ったのですが、品切れ。仕方ないのでニトリネット(ニトリ公式通販)で購入しようとしても品切れと、かなりの人気商品です。

大きさが19cmとやや小ぶりですが、重さが3kgほどあるので、ネットでは送料が高いのではと思い、店舗で注文しました。でも実は、店舗受け取りならネットで購入しても送料は無料なので、どちらで購入してもよいでしょう。

筆者の場合、4営業日ほどの待ち時間で、店舗に取り寄せてもらうことが可能でした。

ダッチオーブンというと、普通は1万円前後の値段を覚悟しなくてはいけない印象です。その5分の1以下という価格の「ニトリのダッチオーブン(19cm)」とはどんな品質なのだろうと、実物を見るまで心配でした。

税込み1,580円という破格なので「貧弱なのでは」と心配しましたが、かなりしっかりしています。

実際には、心配するほどの品質の低さは感じません。ただし、ダッチオーブンとしては全体が薄い印象です。とはいえ、フタとナベ本体で約3kgなので、かなり重いナベといえるしょう。

また、商品名に入っている「19cm」は鍋の内径で、実際のサイズは幅が約24.5×奥行21×高さ11cm。夫婦ふたりと保育園に通う息子の3人家族である我が家には、ちょうどいい大きさです。

なんにしても、わずか1,518円税込とは思えない、しっかりとしたダッチオーブンといえます。

シーズニング(油ならし)を行う

ネギやショウガを炒めて鉄特有の臭いを抑える

一概にはいえませんが、一般的なダッチオーブンは使い始める前にシーズニング(油ならし)が必要になるそうです。同じダッチオーブンでも、鉄鋳物製品ではないとか、出荷前にシーズニングの処理が終えてあるといった製品があるのです。「ニトリのダッチオーブン(19cm)」は鉄鋳物製品で、シーズニングが必要と書いてありました。

鉄鋳物製品であるダッチオーブンは、初めて使う前にシーズニング(油ならし)が必要です。

「ニトリのダッチオーブン(19cm)」の説明書によると、手順は下記のとおり。

(1)台所用中性洗剤を使ってよく洗い、サビ止め用に塗られていた油を洗い流す。

(2)お湯で洗剤を十分に流し、水気をよくふき取る。

(3)本体を火にかけ、水分が蒸発し始めたら火を止める。

(4)食用油を引いて火にかけ、しょうがやねぎを強火で炒める(鉄特有のにおいを抑える効果があります)。

(5)油が全体になじんだら、炒めた野菜を捨てる。

以上の油ならしを行ってから、はじめて調理が可能です。

また、鉄鋳物製品は我々が思う以上にサビやすく、扱いもほかの鍋やフライパンと異なる部分が多くあります。取扱い説明書に、しっかり目を通しておくことをおすすめします。

お米を炊いてみた

手はじめに炊き込みご飯を作ってみた

普通の白いご飯を炊くか、炊き込みご飯かを悩んだ末、洋風の炊き込みご飯を作ってみました。
オリーブオイルでニンニク、トウガラシ、ベーコン、タマネギ、シイタケ、シソなどを炒め、無洗米の生米を追加してさらに炒めてから、炊き上げています。

生米をちょっと炒めると「本格ピラフ」っぽい気持ちになれて、個人的には好きです。

無洗米1合に対して、水は220ml程度にしました。水を投入後はフタをして沸騰するまで中火、沸騰後は弱火にして約15分。または焦げるような匂いがしてきたときは火を止めて、そこから15分蒸らして完成です。

野菜やベーコン、キノコと具だくさん。やや硬めの炊き上がりです。

炊飯器でお米を炊くよりも短時間で完成するのがよいところ。お米と水の割合は、好みなどで微調整するとよいでしょう。筆者が今回作った炊き込みご飯は、やや硬めの仕上がりでした。

カセットコンロでも簡単に調理できるので、ダッチオーブンでの炊飯はぜひマスターしておきたいアウトドアメニューです。

鶏胸肉のロースト

水分を逃さずしっとり焼き上がる

ダッチオーブンの料理でまず思い浮かぶのは、丸鶏のローストチキンでしょう。実際、「ニトリのダッチオーブン(19cm)」のパッケージの写真も、丸鶏のローストチキンです。

とはいえ、3人家族には丸鶏のローストチキンは多すぎますし、普段からそんなものばかり作れません。そこで、鶏胸肉のローストに挑戦してみました。

最初に、油を引いたダッチオーブンで鶏胸肉の表面を焼き上げてから、ひと口大に切った各種野菜を投入。ダッチオーブンにフタをして、200度のオーブンで20分をほど焼き上げて完成としました。

最初に鶏胸肉の表面を焼いてからオーブンで焼き上げるので失敗も少なく、いっしょに焼いた野菜もとてもおいしくなります。

フタをして焼き上げるので水分が飛ばず、野菜がしっとりと仕上がるのがうれしいところです。また、オーブンの天板で肉を焼くと後始末が面倒ですが、「ニトリのダッチオーブン(19cm)」は小ぶりなので、洗うのも簡単。見栄えもいいので、下にしっかり断熱板を敷けば、そのまま食卓に出せるのも便利な点です。

フタをして鍋ごとオーブンに入れられるので、肉も野菜も水分を逃さずジューシーに仕上がります。

何度か作ってみて焼き上げる温度などを微調整して、最高の状態を目指すのも楽しいでしょう。いつの日か、丸鶏のローストを作るときのための練習にもなります。

まとめ

自宅で使い慣れておけば、キャンプなどの本番でも安心

「子どもの友達や友人・知人といっしょに行くキャンプでダッチオーブンを使いこなして、おいしい料理を振る舞いたい」と思うのは、ダッチオーブンを買った人間なら誰でも思うことでしょう。

しかし現実は、そんなに甘くないことも多いわけです。まったく練習なしにご飯を炊けば、焦げたり、生煮えだったり。丸ごとのチキンを焼いたら火が通ってないなんてことは当たり前。それどころか、普段使い慣れていない炭やたき火でヤケドするなんて可能性さえあります。

そこで、できることなら自宅のキッチンで、普段から練習しておくのがおすすめです。多少、環境の違いがあるにせよ、ご飯を炊くコツや、肉や野菜を焼き上げる時間などを把握しておくことは大切です。

普段から使い慣れておくという意味では、本格的なアウトドアブランドのダッチオーブンよりも、ちょっと小さめで軽い「ニトリのダッチオーブン(19cm)」は、コストパフォーマンスだけでなく、使いやすさの点からもおすすめです。今すぐキャンプの予定がなくても、自宅で使い込んでおけば、本番で称賛を浴びられるかもしれません。

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齋藤千歳(フォトグラファーライター)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。北海道の美しい風景や魅力を発信できればと活動中。

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