「毎日の買い物はまず『ダイソー』から」をモットーにする筆者が発見した気になるアイテム。今回紹介するのは組み立てて学ぶ『水圧式ロボットアーム』。以前も同シリーズの商品を紹介したが、今回は水圧の仕組みを利用してロボットを操作する童心くすぐる商品だ。夏と言えば自由研究! どうやって動かしているのか、なぜ水じゃないとだめなのか、実験して確かめてみよう。
おもちゃのようで実は学べるところがいっぱい! 大人になったからこそわかる物理の仕組み
迫力ある見た目、精密な動き、ものすごいパワー。ロボットアームは、モノだけでなく私達の心までを掴む機械だ。このロボットアームを動かすために、モーターや油圧・水圧が使われているのだが、モーターはなんとなく想像がつくとしても、油圧・水圧ではどのように動かしているのだろうか。ああ、理系魂がうずく!
ダイソー『組み立てて学ぶ「水圧式ロボットアーム」』(組み立て後サイズ:41×15×17cm・希望小売価格 税込550円・発売中)は、その動く仕組みを実際に組み立てて動かして体感できる「組み立てて学ぶ」シリーズだ。
機械に興味のない人には、ただのおもちゃに見えるかも知れない。しかし「なぜ? どうして?」の気持ちを持って組み立てれば、工場で動くロボットアームや建設現場のショベルカーなどのすごさが分かるはず。夏の自由研究も兼ねて、『組み立てて学ぶ「水圧式ロボットアーム」』を作ってみよう。
推奨年齢10歳以上って書いてるけど、絶対ウソ! 理系の筆者でも組み立て難易度激ムズ!
中身は木製パーツ4枚、シリンダ(大:4本、小:4本)、チューブ4本、ドライバー(9×1×1cm)、ねじ・ナット各種、実験手順書(2枚)。組み立てに必要な道具がすべてそろっているからとっても便利。
いざ組み立て! 分かりにくい・組み立てにくいポイントを解説
それでは実験手順書(という名の組立説明書)に沿って組み立てていこう。この実験手順書だけでは分かりにくい箇所も多かったので、補足・解説していく(機械工作をがっつりと経験した筆者でも難しいと感じたので)。
まず初めの組み立て。木製パーツを切り離し組み立てつつ、シリンダLを4本取り付ける。
「6mm螺旋のねじで止める」と書かれているが、これはおそらく画像の個所にねじ止めすると思われる。
また、シリンダは出っ張りを溝に差し込んで固定する。初っぱなから説明不十分で分かりにくい…。
続いての難所はココ。手順書では「先に組み立ててからねじ止めする」と書かれている。
だが筆者は、「先にねじを飛び出ない程度に取り付けて(軽く回して抜けないようにして)から取り付けた」。手順通りだとねじを取り付けるのが非常に難しいからだ。
先にねじを取り付けることで、ストレスなくスムーズに回せた。こうした工夫も知識となり、ノウハウとなる。
さらに続けていくと、至るところによく考えられているぁと感じる工夫が盛りだくさん。例えば、アームパーツの構造を見て触ってみると、どのようにアームの開閉を実現しているのかが実感できる。
外から見ているだけでは想像できない構造(機構)だ。
組み立てが終わったらいよいよチューブを繋げる。長さが異なるので、注意しながら繋いでいこう。
水を“入れず”に動かしてみる
『組み立てて学ぶ「水圧式ロボットアーム」』が完成したので、いよいよ動かしてみよう。と、シリンダの中に水を入れる前に、先にこのままの状態(空気だけ)で動かしてみたい。どうして水や油を使う必要があるのか、空気でも動くのではないだろうか。
そう思い、シリンダを動かしてみると、動いた! なんだ動くじゃないか。わざわざ水や油を使う必要はない。と、調子に乗って動かしていると違和感を覚える。
動きが妙にぎこちない。グッとシリンダを押し込むと、ワンテンポ遅れてアームが動く。しかも、ウイーンではなく、ビクン! とばねのように跳ねるような動き方。なぜなんだ……?
水を入れて動かしてみた
疑問はそのままに、続いて水を入れて動かしてみる。水はチューブを使いシリンダを引くことで入れることが出来る。この水の入れ方もなかなか工夫が必要だった。これだけでも自由研究できそうだ。

ワセリンの容器を……
水を入れて動かしてみると、先ほどの空気とは違い、ウイーンと、音はしないけどスムーズに動く。ビクンと跳ねるような動作もない。どうしてだろうか。

持ち上げられた!
ネットなどで調べてみると、これはどうやら空気と水の圧縮率に関係しているらしい。空気は密閉空間(シリンダ内)で圧縮されると縮まるのに対し、水はほとんど縮まることがない。そのため、押すとすぐにアームが動くのだ。

動作箇所のイラストまで描かれている。なんて親切!
そういえば小学生のころ、水鉄砲を飛ばす仕組みについて理科の実験をしたような気がする。水だけを入れた水鉄砲ではハンドルが固く遠くまで飛ばないが、空気を適度に入れることで空気を圧縮し力を溜めて遠くまで飛ばせた。
『組み立てて学ぶ「水圧式ロボットアーム」』のシリンダ・チューブの中の水と空気の割合を変えることで、操作性も変わるのかもしれない。こうして疑問と実験を繰り返していくことで、使いやすいロボットアームが生まれるのだろう。
最後はレポートを書いてしっかりまとめる!
始めは組み立てておもちゃにしよう! と密かに思っていた筆者だが、組み立てて動かしていくうちに好奇心と疑問があふれ出てきた。
最後には、組み立てて、動かして、上手くできたこと、失敗したこと、気が付いたこと、工夫したことなどをレポートにまとめよう。ただ組み立てて遊んだだけではおもちゃと変わりない。ここから学んだことを活かしてこそ、実験・自由研究の価値なのだから。
『組み立てて学ぶ「水圧式ロボットアーム」』は組み立て難易度もめちゃくちゃ高いので、休日家で過ごすアイテムとしてもピッタリだろう。大人でもかなり苦戦すること間違いなしだ。
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