自作できる手軽さと災害時対策としても注目されているロケットストーブは、調理や暖房に使えます。そして、薪を束ねて針金でしばる「なんちゃってスウェーデントーチ」は簡単に作れて、初心者でもダイナミックな焚き火を楽しむことができます。書籍『キャンプて゛したい100のこと』(西東社)の中から、この二つの作り方をご紹介します。
本稿は『キャンプて゛したい100のこと』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
ペール缶でロケットストーブを作る
災害時対策としても覚えておきたい
少ない燃料で燃焼させられるロケットストーブは、調理用にも暖房としても使うことができる優れもの。自作できる手軽さと、燃料が従来のストーブよりも少なく、電気やガスも使わないことから災害時対策としても注目を集めています。
燃料を燃やしたときに発生する燃焼ガスを二次燃焼させる仕組みで、このときにゴーッという音がすることから、ロケットストーブと名づけられたのだとか。
シンプルな構造なので、原理さえ理解していれば、素材は身近なものに置き換えても。火力が強いのに、着火が簡単で火が安定しやすいのも人気の理由。バーベキューのときも、ロケットストーブだと煙やススが少ないので、みんなで火を囲むことができますよ。
ロケットストーブの作り方
▼材料
直径30cmくらいのペール缶 1つ
直径10cmくらいの煙突直管 2つ
直管と同サイズのエビ曲90度管 1つ
パーライト 1袋
▼道具
- グローブ
- ドリル
- 金切りバサミ
- 金ノコ
- ニッパー
- ハンマー
- やすり
(1)ペール缶に穴をあける
ペール缶に煙突管の直径と同じサイズの穴をあける。まず、煙突管をペール缶の側面に合わせてマジックでなぞる。次に、なぞった線に沿ってドリルで穴を開け、穴と穴をニッパーで切ってつなげる。切り口はハンマーややすりでならしておく。
(2)焚き口を取りつける
金切りバサミ(または金ノコ)で適当な長さに切った煙突管を、ペール缶の穴に差し込む。半分差し込んだら、上から90度管を入れて煙突管とつなぐ。パーライトを入れ、煙突管の下に詰める。パーライトなしでも作れるが、火力が弱くなる。
(3)ヒートライザーを作る
もうひとつの煙突管をペール缶の高さと同じ、または少し飛び出るくらいにカットし、ペール缶の上から差し込んで、(2)の90度管とつなぎ合わせる。
(4)断熱材を入れる
ヒートライザーの周りにパーライトを入れる。ペール缶の高さになるまでいっぱいにぎっしりと隙間なく詰める。砂利でも代用できる。
スウェーデントーチを楽しむ
▼スウェーデントーチとは
丸太に十字や八方に切り込みを入れ立てて使う焚き火。豪快な火力でキャンプが盛り上がる。
なんちゃってスウェーデントーチで豪快な焚き火
スウェーデントーチは丸太に切り込みを入れてそのまま燃やす豪快な焚き火です。
本場ではこの上にフライパンをのせて料理することもあります。が、太い丸太はなかなか手に入らないですし、キャンプ地で思いついてもすぐにはできません。
でも薪を束ねて針金でしばる「なんちゃってスウェーデントーチ」なら簡単に作って、ダイナミックな焚き火を楽しむことができます。大きすぎると燃え崩れたときに危ないので、ほどほどの大きさに。
薪を束ねて針金でしばるだけ
丸太か薪を6〜8本集めます。長さや太さをある程度そろえたほうが使いやすいですが、まったくバラバラにしても焚き火としては面白いものになります。
真ん中のあたりに固形の着火剤を挟み、薪をまとめます。それをぐるりと針金でしばれば「なんちゃってスウェーデントーチ」のできあがりです。
焚き火台に置いて使います。不安定なようならもうひと巻き巻いて安定させてもいいでしょう。
束ねた薪がすべて燃えたとき焦げ臭くならないよう、針金は樹脂などの被覆のないものを使用します。薪を束ねただけあってダイナミックな火力が楽しめます。燃え尽きるまで時間がかかるので、余裕をもって始めましょう。
▼なんちゃってスウェーデントーチの作り方
(1)丸太か薪を集める
丸太、または薪などを6〜8本ほど集める。長さはそろっていても、バラバラでもよい。
(2)針金で巻く
束ねた中心のあたりに着火剤を挟み、針金で巻いてしばる。
(3)使う
焚き火台の上に置いて着火する。長さのちがう薪を束ねてアクセントにするのも楽しい。
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なお、本稿は書籍『キャンプでしたい100のこと』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。本書は、キャンプの楽しみや喜びがさらに増すように、試行錯誤がより充実したものになるように「キャンプでしたいアイデア」を集めた、191ページに及ぶ良書です。掲載されているさまざまなアイデアを試して、ぜひ自分のスタイルを作り上げてください。詳しくは下記のリンクからご覧ください。
※(1)「キャンプ料理編 本格スパイスカレー・ピザ・炭火トースト」の記事もご覧ください。