スペシャライズド・ジャパンがメディア向けにe-MTB(電動アシスト付きのマウンテンバイク)体験会のツアーを開催したので、今回は、その体験会の模様をお伝えできればと思う。
スペシャライズドのe-bikeを試乗
スペシャライズドとは
スペシャライズド(SPECIALIZED)は、1974年・米に誕生した自転車メーカーで、マウンテンバイクをはじめ、ロードバイク、クロスバイクなど、スポーツタイプの自転車の他、ヘルメットや専用シューズなど自転車に関連するアイテムを手掛けている。最近では、スイスに専門チームと研究開発施設を設けて、同社e-bikeシリーズ「Turbo(ターボ)」も世に送り出している。
e-bikeとは
e-bikeとは、スポーツタイプの自転車に電動アシスト機能を搭載したモデルのこと。一般的な電動アシスト自転車と、アシストモードの味付けが違い、より自然な感覚でアシストしてくれるバイクが増えてきている。
99万円の「Turbo Levo SL Expert Carbon 」を試乗
今回の体験会で試乗することになったのは、スペシャライズドのe-bikeシリーズ「Turbo(ターボ)」の上位モデルで、カーボンフレーム採用の超軽量モデル「Turbo Levo SL Expert Carbon(ターボ・リーヴォ・エスエル・エキスパート・カーボン」だ。お値段はなんと99万円で、中古の軽自動車が購入出来てしまうほどの価格だ。ちなみに、フレームにアルミを採用しているモデルもあり、こちらは、それでも64万9000円となかなかのお値段になっている。
Turbo Levo SL Expert Carbon の特徴
試乗したモデルの特徴は、軽さを重視したということで、軽快な走りが楽しめるモデルになっている。フロントとリアには、それぞれサスペンションを装備しており、荒れた路面も難なく走破できる頼もしい存在だ。アシストモードは、エコ・トレイル・ターボの3段階で、オプションのレンジエクステンダー(予備バッテリー)を取り付ければ、航続距離を50パーセントも伸ばすことができるから、安心して、ライドを楽しむことができる。
また、手持ちのスマホとリンクさせることもでき、バッテリーの残量を自動的に管理することも可能。長めのライドに使用したとしても、無事ライドを終えるまで、バッテリーの制御する事ができるから、安心して、ライドを楽しめる。
体験会ツアーの内容
今回の体験会ツアーでは、e-MTBというものがどういうモノでどのような使い方をするのかなど、実際の走行を交えながら体験できるものとなっていた。
MTB(マウンテンバイク)というと、大きくて、厳ついイメージがあり、限られた場所で楽しむものと思われがちだが、それはe-MTBも同じで、実際に目の当たりにすると、どこで使えるものなのかなど、少々不安を感じてしまった。しかし、スペシャライズド・ジャパンのスタッフから試乗車両の説明や走行方法などのレクチャーを受けることで、その不安はすぐに払拭された。
小回りが効いて乗り心地が良い
レクチャー内容は、次の通りで、大きな車両ながら、小回りが効くことやアシストモードの操作方法、前後にサスペンションが搭載されているから思いのほか乗り心地が良いことやディスクブレーキを採用しているから、安全に停車できることなどなど、安全に楽しく乗車するための内容だった。
ツアーを体験してきた場所は、神奈川県の小田原市周辺。当日朝8時半に小田原駅に集合し、近くの温泉施設で着替えを済ませ、スタッフが用意してくれた車両(Turbo Levo SL Expert Carbon)にまたがりツアーがスタートした。
当日のスケジュール
8:30 小田原駅東口 集合、その後徒歩で「万葉の湯」へ
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8:45 「万葉の湯 小田原 」到着(着替えなどの準備)
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9:10 「万葉の湯」出発。
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9:20 かまぼこ通りの練り物屋さん(小田原籠清)にてプチ腹ごしらえ。
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10:00 フォレストバイク到着 (初回講習実施後、フリーライド。)
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13:00 フォレストバイク出発
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13:30 万葉の湯近く、SAKANACUISINE RYOでランチ
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14:30 ランチ終了&出発
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15:00 一夜城ヨロイヅカファーム到着 外で景色を眺めながらコーヒータイム
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15:45 出発
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16:10 小田原城到着&外から見学16:10 小田原城到着&外から見学
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17:00 万葉の湯 到着 &解散
久しく体験していなかったツアー、それも初めてとなるe-MTBの公道走行に、胸を高鳴らせながらツアーは開始した。
最初に向かった先は練り物屋
小田原駅で準備を済ませスタート後向かった先は、かまぼこ通りと言われる通りで、開始早々、練り物屋さん(小田原籠清)にてプチ腹ごしらえ。早朝に家を出て、集合が8時半だったこともあり、殆ど何も口にしていなかったため、立ち寄った練り物屋さんの作りものがこのうえなく美味しく感じた(実際空腹でなくても美味しいと思われる)。少し、腹ごしらえを済ませたので、いよいよ本格的な小田原散策の始まりだ。
広大な敷地のマウンテンバイクパークへ
次に向かったのは、「フォレストバイク」という森の中を走ることのできるマウンテンバイクパークだ。かまぼこ通りから時間にして30分程山側に向かって走行した場所にそこはあった。その道中、そこそこの上り坂を走ることになるのだが、アシスト機能が付いているから、まるで平地を走行しているかのような走行感覚で難なく目的地に到着した。
到着したのは、7ヘクタールという広大な森林にトレイルコースを作り、森の中を駆け巡ることのできる異空間。生まれて初めて、森の中を自転車で走れることへの高揚感は、これまでに経験したことの無いもの。高鳴る気持ちを抑えつつ、まずは、「フォレストバイク」でアクテビティを楽しむために必須となる講習を受けることに。内容は、MTBの基本的な操作方法、乗車姿勢、ブレーキなどの使用方法など、森の中を走行するにあたり、安全に楽しむための講習で、改めて基本に立ち返らせてもらえた。
講習後は、インストラクターのガイドのもと、いざ森の中に。インストラクターの説明は、とても丁寧なので、マウンテンバイクが初めてという方でも、安心して楽しむことができる。また、この施設では、レンタルバイク(e-Bike含む)も行っているから、汚れてもよい動きやすい格好の準備だけすれば、自転車用のヘルメット、グローブなどはすべてレンタル可能だから、それこそ手ぶらで訪れてもトレイルランを楽しむことだってできてしまう。ここでは、Levo SLのレンタルもおこなっているから、興味のある人は、公式サイト(下記)を覗いてみることをオススメする。
インストラクターのガイドのもと、いざ森の中に
私、自転車が趣味、と過去の記事でも書いてきたが、ロードバイク以外にもMTBを所有している。ただし、これまで林道や森の中などいわゆるトレイルライドは皆無に等しい。それどころか、MTBなのに、悪路走行の経験が乏しく、本来のMTBの遊び方をほぼしたことがなかった。
そんな私でも、インストラクターのガイドのもと実際に走行してみると、e-MTBの恩恵を存分に受けながら、かなり楽しく走行をすることができた。ちなみにe-MTBの恩恵とは、もちろん上り坂での使用場面になるのだが、不整地の場所で急な勾配など、通常のMTBでは、絶対に漕ぎ出せないような場所からでも、難なく漕ぎ出せたり、e-MTBだからこそできてしまう走り方で、余裕を持って楽しめること。
走行の際に余裕が生まれると、周りの状況や風景に目を向けることができるから、より安全にそして、より美しい風景を楽しむことができるのだ。これこそが、e-MTBの醍醐味かもしれない。
トレイルライドを楽しんだ後はエネルギー補給
森林コースを存分に楽しんだ後は、ランチタイムのため、「フォレストバイク」を後にし、スタート地点の小田原駅に戻ることに。ここで、しばしランチタイムを取った後、今度は、カフェタイムを楽しむために、小田原駅を再スタート。小田原漁港を横目にしながら、石垣山一夜城歴史公園近くにあるカフェに向かってLevo SLを走らせた。
想像以上の急勾配でもグイグイ走る
石垣山と地名に“山”があることから上り坂だということは薄々分かっていたが、想像以上の急勾配に、思わず、Levo SLのアシストモードを最も強力なターボモードに切り替えて走行した。
勾配にして14パーセント以上はあるのでは?と思うほどの急勾配も、勾配のきつさを感じることなく走行できてしまうあたり、凄いの一言に尽きる。バッテリーの残量が減ってしまうのは分かっていても、ターボモードからアシストの弱いモードに落とすことはできなかった。とはいえ、ターボモードのおかげで、ふらつくこともなくまた、コスモスの花を眺める余裕すらもあった。
急勾配を走行してきたとは思えないほど、ラクに目的地に到着できたが、アシストを受けているとはいえ、それなりにじんわりと汗をかいていた。e-MTBはクルマやオートバイとは違い、基本は自分で漕いで走行する自転車だから、ちゃんと運動になっているのだと改めて感じることができた。
スペシャライズドのLevo SLは、アシストの入り具合が自然な印象だから、より、漕いでいる感覚が強いのかもしれない。そういう意味では、アシストに頼るというよりは、足りない部分を補ってもらう、といった感じだろうか。ナチュラルな漕ぎ味がとても心地よい印象だった。
「Levo SL」はオールラウンドに楽しめるバイク
カフェに到着して、お店オススメのシュークリームとコーヒーを飲みながら、一休み。e-MTBの話で盛り上がった後は、いよいよツアーも終盤へと移行する。
カフェタイムを終えた我々一行は、小田原駅に向かってLevo SLを走らせた。カフェに来る時に通ったルートとは別のルートで坂道を下ったのだが、急勾配の下りで、カーブもキツイ道に一瞬、不安を感じたものの、そんな不安も一蹴するように、大きな車両のLevo SLは、操作性が良く、小回りが良く効き、そしてとても安定した走行とともに下りの疾走感を楽しめた。
MTB特有のブロックタイヤでも問題なく舗装路を安定して走行することができ、改めて、Levo SLがオールラウンドに楽しめるバイクなのだと実感することができた。
ツアー最後に訪れた場所は…
このツアー最後に訪れた場所は、小田原と言えば、小田原城。ということで、小田原城に到着。城内敷地は、自転車での走行は禁止されているので、手押しで場内を散策。日も落ちてきたので、早々に引き上げ、ゴールとなる小田原駅に到着した。
これで体験ツアーはすべての行程を終了したのだが、最後にバッテリーの残量を確認してみると、私の車両はまだ、半分以上も残っていた。ターボモードを繰り返し使用して走行したにも関わらず、なかなかの優秀ぶりだ。走行距離にして、30キロ程度とはいえ、トレイルライドを存分に楽しみ、急勾配をものともせず走行できるターボモードを多用したにも関わらずだから、かなり凄い。
まとめ
今回、初めてe-MTBで公道走行、トレイルライドを体験してみたが、e-MTBの特性を存分に生かした、そんな体験ができた。
以前からe-MTBにはとても興味を持っていた。林道や未舗装など、ロードバイクでは訪れることのできない場所に、パンクなどのトラブルの不安もなく、また電動のアシストを受けることで、周りの景色にも目を向けることができる、そんな使い方ができるとわかっていたからだ。ただ、車両の価格が高いことや、トレイルライドとはいってもどこで走れるのかがイマイチ分からなかったりと、ハードルが高い印象を持っていた。
しかし、今回の体験会を通して、レンタルで楽しめたり、トレイルライドも楽しめたりする場所があることが分かり、改めて、e-MTBが幅広く楽しめるものだと分かった。また、トレイル走行ができる場所には、走行前に講習を受けることもできるから、初めての人でも、安全に楽しむことができるはずだ。
Turbo Levo SL Expert Carbonキャンペーンは12月31日まで
e-MTBに限らず、e-Bikeは、世界的にも大人気となっている。ようやく日本でも、その存在が広まりを見せ始めてきているが、それでもまだ、一部なのかもしれない。レンタルがもっと普及すれば、e-Bikeを使ってのツアーなども増えてくるのではないだろうか。体力に自信がない人でも十分に楽しめるe-Bikeは、これからのトレンドになりそうだ。
最後に、今回の試乗車両のスペシャライズド「Turbo Levo SL Expert Carbon」のキャンペーンが11月1日から12月31日までの期間で実施されている。詳しくは以下のリンクまで。ぜひ一度、体験してみてはいかがだろうか。
取材・文/藤田賢(特選街web編集部)