ここでの疑問は、高価な電動ミル(グラインダー)は安価な製品に比べてどこが優れているのか?ということだ。いちばん価格差が出るのは、豆を粉砕する刃の部分。3000円程度の低価格帯から購入できる製品のほとんどはプロペラ式の刃を採用している。ほかには、臼式の刃や3万円を超えるような据え置きの高級タイプのディスク式についても解説していく。
回答者
川口雅也 講師
・UCCコーヒーアドバイザー
・UCCコーヒー抽出士
・UCCコーヒー鑑定士
・(ブラジル)コーヒー鑑定士
・(アメリカ)CQI認定Qアラビカグレーダー
高価な電動ミル(グラインダー)は安価な製品に比べてどこが優れているの?
いちばん価格差が出るのは、豆を粉砕する刃の部分です。3000円程度の低価格帯から購入できる製品のほとんどはプロペラ式の刃を採用。
これはプロペラのように回転するブレードによって、コーヒー豆を切るように粉砕するタイプで、一般的なフードプロセッサーなどと同様の構造です。手軽に使えて掃除もしやすい半面、粒度の調整を時間の長短で行う必要があります。
プロペラ式
・価格が安い
・微粉が出やすい
・粒度にムラが出やすい
・手入れがしやすい
これに対してミドルレンジの製品が採用するのが臼式の刃です。臼状の刃ですり潰すように豆を粉砕するので、あらかじめ粒度の設定が可能。極細挽きに対応する機種もあります。
臼式
(コーン式/コニカル式)
・コーン式は比較的安価
・コニカル式は高級タイプ
・粒度を調整しやすい
・極細挽きにも対応可能
さらに、3万円を超えるような据え置きの高級タイプになると、ディスク式が増えてきます。これは円形の金属刃を向かい合わせに回転させることで、その隙間に入った豆を粉砕するしくみ。
隙間の広さで粒度を細かく調整できるのはもちろん、粉砕した豆の粒の大きさをそろえやすいため、より正確にコーヒーの抽出をすることが可能になります。
ディスク式
・非常に高価
・粒度を細かく調整可能
・粒度をそろえやすい
・微粉が出にくい
Answer
高価な製品は粒度の調整がしやすく粒の大きさもそろえやすくなります
■イラスト 田村 梓(ten-bin)
※この記事は『自宅で楽しむおいしい珈琲の淹れ方』(マキノ出版)に掲載されています。