スキンケアで大事なクレンジング。アイテム選びのコツやおすすめの使い方、また、プチプラで買ってもいいアイテムやダメなアイテムについて、書籍『美肌をかなえる はーたん流 美容の正解』著者のはーたんさんに解説していただきました。
解説者のプロフィール
はーたん
化粧品会社でマーケティング職に携わったあと、大学院でマーケティングを学び、メイクを提案するパーソナルカラーサロン「le bois」をオープン。丁寧で明快な解説がわかりやすいと評判で、Twitterやnoteのフォロワーは累計20万人以上!
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本稿は『美肌をかなえる はーたん流 美容の正解』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
イラスト/久保田ミホ
メイクはオイルでとにかくしっかり落とす
クレンジング力は、ミルクタイプ→ジェルタイプ→クリームタイプ→オイルタイプの順で高くなります。
オイルタイプはメイクよりも油分が多く、クレンジングの油分にメイクが溶け込みやすいため、メイクをするりと簡単に落とすことができます。
オイルタイプは肌への負担が大きい、皮脂を落としすぎると考える人も多いかと思います。
私自身も以前、薄メイクならミルクやジェルタイプ、濃いめメイクならオイルタイプと使い分けていました。
ですが、オイルタイプを使わなかった日は、小鼻のつけ根や目の際など、パーツの際にメイクが残っていたことがあったんです。
また、パーソナルカラーサロンでお客様と接するようになって、顔を洗いすぎてトラブルになった話はあまり聞かないのに対し、ちゃんとメイクを落とせていなくて肌の炎症を起こしてた人はたくさん!
メイクが毛穴に詰まってニキビになってしまったり、ひどい場合は、マイボーム腺と呼ばれるまつ毛の生え際にある脂腺に詰まって炎症を起こし、ものもらいになってしまった人も……。
オイルを使う肌負担よりも、メイクをちゃんと落とせていないことのほうが格段に肌に悪影響だと気づき、以来クレンジング力の高いオイルタイプを使うようになりました。
薄化粧の場合はジェルタイプでも構いませんが、”自称薄メイク”でも実は薄化粧ではないことがほとんど……。
薄めのメイクとは、下地なしでパウダリーファンデーションのみ、もしくはミネラルコスメを使っていること。
つまり、油性の性質が強くないアイテムを塗っていることを指します。そうではない場合、やはりオイルタイプがおすすめ。
石鹸やお湯で落ちるタイプ以外の日焼け止めを使っている場合もオイルタイプを使いましょう。
ミルクタイプは肌にやさしいイメージがありますが、製品によってクレンジング力のバラつきが大きく、きちんとメイクを落とせないことも。
拭き取るタイプもしっかり落とそうとすると摩擦になるので、日常使いは避けたほうがよいでしょう。
本稿は『美肌をかなえる はーたん流 美容の正解』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
クレンジングは規定量の2倍使う
クレンジングをするときにいちばん避けたいのは、メイクを落とすことに躍起になって、肌をこすってしまうことです。
そもそもクレンジングは、メイクを浮かせることが目的。前述したようにオイルタイプを選べば、伸びやすく滑りがよいので、力を入れてこする必要はありません。
ではオイルクレンジングの方法を紹介していきます。
使う量は、規定量の2倍程度を目安にたっぷりと使うことで、クレンジング剤が潤滑油として作用し、摩擦を避けることができます。
もったいないと思うかもしれませんが、これだけで肌への負担がぐんと減るので、思いきって!
クレンジングオイルを手のひらに取ったら、両手をこするようにしながらオイルを温め、両方の手のひら全体に広げていきます。
最初に乗せるのはしっかりとメイクをしている目元や皮脂が出やすいTゾーンです。
指先を使って目の周りやTゾーンなどに伸ばしたら、おでこや頬などにも広げていきます。
顔全体に伸ばし終えたら、マスカラやリップなどのパーツメイクをやさしくなじませながら落としていきます。
焦るとどうしても手に力が入ってしまうので、1〜2分時間をかけるくらいの気持ちで、ゆっくりと伸ばすのが大事です。
皮膚が薄い目の周りは、特に力を抜いてオイルを広げていきます。
ポイントメイクリムーバーを先に使う場合は、クレンジングの量も少なく、時間ももっと短くていいのですが、ポイントメイクリムーバーを使うのは面倒じゃないですか?
多めのクレンジングオイルで一気に落としてしまうほうがラクで私のライフスタイルに合っていました。
落とすときは、夜入浴するついでに、シャワーで一気に流してしまいます。
シャワーの水圧が肌の刺激になるので、手のひらに水をすくって優しくすすぐのがいいという話も聞きますが、私は面倒なので気にしません。シャワーの水圧を強くしなければいいだけです。
唯一気をつけているのは、洗い流すときの水温を38度以上にしないこと。
水温が高すぎると、乾燥するなどの肌ダメージにつながります。
ポイントは押さえ、抜けるところは手を抜く、それが続けるコツです。
動画でチェック! 正しいクレンジングの方法
本稿は『美肌をかなえる はーたん流 美容の正解』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
クレンジングオイルはプチプラを選ばない
私が化粧品を選ぶときにいちばん重視しているのは、「処方」と「原料のグレード」です。
処方とは、化粧品に配合する成分選定とその組み合わせの仕方のこと。原料のグレードとは言葉の通り、どれくらいの品質の原料を使っているかということ。
クレンジングを選ぶときに特に大事になるのが、原料のグレードです。
原料のグレードは、化粧品の価格帯を左右する要素のひとつになっています。
化粧水など、基材(ベースとなる成分)が水である化粧品は、原料費を安く抑えられるため、お手頃な価格でもよい製品が見つかります。
一方、オイルが基材になっているクレンジングの場合、そもそも原料費が高くなって当然。
メイクとのなじみがよく、それでいて肌負担の少ない上質なオイルを使用するとさらに製造コストがかかるため、原料にこだわればこだわるほど、商品の価格は上がります。
逆に言うと、あまり安すぎる商品は原料の質に不安が出てくるということです。
最低でも2000円前後から3000円の商品を目安に選ぶとよいでしょう。
おすすめクレンジングオイル
くすみの原因の古い角質を分解し、肌を明るく見せます。一般的なグルーを使用したまつ毛エクステをつけている方もOK。香り付きのアロマタイプもおすすめ。スキンクリア クレンズ オイル 無香料タイプ ¥1,870/アテニア
さまざまな種類のオイルを配合しておりうるおいを守りながら落とせるので、乾燥による小じわが目立たなくなります。濡れた手で使えるのも便利。マイルドクレンジング オイル ¥1,870/ファンケル
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どうしてもクレンジングできない日の裏ワザ
よく耳にする「メイクを落とさないで寝ると3歳老ける」というのはちょっと大袈裟ですが、あながち間違いではありません。
肌のためにはクレンジングと洗顔をしっかりとしてから寝るほうが賢明です。
メイクをしたまま寝たとき、悪さをするのは、自分の肌についたままの化粧品ではありません。酸化した自分の皮脂です。
皮脂は、肌のバリア機能のひとつですが、空気に触れると、時間とともに酸化してしまいます。
%%酸化した皮脂は皮膚を刺激する過酸化脂質に変化して、毛穴に炎症を起こします。
これによりターンオーバーが乱れ毛穴が目立つようになり、酸化した皮脂はニキビの原因になったり、くすみやシミをもたらしたりと、さまざまなトラブルを引き起こします%%{ulpink}。
皮膚は自ら汚れを落とすことができません。クレンジングや洗顔で除去するしか解決策はありません。
もし疲れ果ててクレンジングも洗顔もできないという日は、せめてクレンジングウォーターなどの拭き取りタイプだけでも使いましょう。
使い方によっては肌の摩擦が起きやすく、完全に汚れを除去するのは難しいのですが、酸化した汚れを残すよりはマシ。
ちなみに、ヨーロッパのように冷涼な気候で硬水の地域では洗顔すると肌が乾燥するので、クレンジングはクレンジングウォーターを使うのが主流なようです。
おすすめクレンジング ウォーター
クレンジングと洗顔と化粧水がこれ1つで完了するオールインワンタイプ。肌負担が少ないのでクレンジングだけでなく拭き取り化粧水としても使っています。ミセラークレンジング ウォーター ¥2,860/ラ ロッシュ ポゼ
メイク落ちがいいので軽く拭き取るだけでスルッとメイクが落ちる優れものです。さっぱり感が強いためその後の保湿ケアはしっかりと。ビオデルマ サンシビオ エイチツーオー D ¥2,530/NAOS JAPAN
本稿は『美肌をかなえる はーたん流 美容の正解』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
「クレンジングだけ」「ぬるま湯洗顔だけ」はNG
なかには洗顔をせずに、クレンジングだけで済ませている人もいるかもしれませんが、クレンジングと洗顔はセット、いわゆる「ダブル洗顔」が基本です。
クレンジングだけでメイクが落ちていたとしても、クレンジング料に含まれる油性成分が肌に残ってしまいます。
また「朝はぬるま湯で流すだけでいい」「朝晩の両方に洗顔は不要」など、さまざまな意見もありますが、洗顔料は朝と夜、1日2回使うのがおすすめです。
以前、皮膚常在菌採取の被験者として、1年かけて常在菌を採取する実験に参加しましたが、お湯洗いだけで済ませた場合、肌からカビが検出されてしまいました。
洗顔料を使う洗顔に変えたところ、カビが減少し常在菌のバランスが改善したのです。
それ以降も、さまざまな方法を試し比較していますが、朝晩の両方に洗顔料を使って洗うようにしてから、角栓が溜まりづらくなる、肌に透明感が出るなどを体感できました。
顕微鏡レベルでも、実感としても、1日2回の洗顔料を使う洗顔が必要だという考えに至っています。
乾燥肌の方で、ダブル洗顔をするとどうしても肌が強くつっぱってしまう方は、オリーブオイルやスイートアーモンドオイルなどを主体とした植物オイルを使ったクレンジングにしてみましょう。
ミネラルオイルなどを使ったものより肌にやさしいからです。
どうしてもダブル洗顔なしで済ませたいなら……
サラサラとした伸びのよいオイルがメイクや角栓と瞬時になじみ、メイク落としと同時に毛穴ケア効果も。乳化力が高く油分の残留が少ないのでダブル洗顔不要で、ズボラな方にも◎。スージング クレンジング オイル ¥5,390/ボビイ ブラウン
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なお、本稿は書籍『美肌をかなえる はーたん流 美容の正解』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。Twitterフォロワー13万人の著者が、自身の経験を活かしたスキンケアやメイクの知識、効果を実感した使い方、悩みに応じたアイテムを「正しい知識でラクして結果を出す」コツとともに紹介しています。自分の魅力をより引き出すパーソナルカラーについても解説しています。