レコードが復活したきっかけは、レコードに触れたことのなかった若い世代が注目したことが大きい。現在新しく発売されるレコードプレーヤーでは、USBでパソコンと接続できたり、ブルートゥースでスピーカーに音を飛ばして聴いたり、アンプとスピーカーを内蔵して単体で楽しめたりする製品も人気だ。

本稿は『極上 大人のオーディオ大百科 2023』(マキノ出版)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。

レコードプレーヤーの基本とトレンド

お手軽機から高級機まで、見た目も多彩な製品がいっぱい!

現在のレコードブームは、若年層の好奇心による要素が強い。そのため、手軽な価格でデザインがレトロふうだったり、王道なスタイルながら機能面は現代ふうだったりする製品が登場している。一方、オーディオマニアが好む純粋な高級プレーヤーも健在。その結果、バリエーションが多彩になり、にぎやかで選ぶ楽しみも増している。

カートリッジ付属、フォノイコ内蔵など、全部入りが当たり前に!

新規レコードユーザーに対し、新製品は利便性が増している。カートリッジの付属はもちろん、フォノイコライザーを内蔵し、一般的なオーディオ機器と接続しやすいように考慮された製品も多い。さらに、パソコンでのファイル化を想定してUSB接続できたり、ブルートゥース出力できる製品、スピーカーを内蔵した製品もある。

カートリッジの楽しさを知ると、レコードがもっと楽しくなる

レコードは究極のアナログ。ちょっとしたことで音質が激変するので、楽しみの奥行きがとても深い。その筆頭はカートリッジで、タイプや製品によって、音質や傾向がガラッと変わる。同じレコードを、カートリッジを替えて何度でも聴き直すのも一興だ。半面、底なし沼のように、正解も終わりもない世界でもある。

レコード盤は新作も中古も実に豊富。重量盤も続々登場!

レコードは生産枚数が多く、中古流通も非常に多い。傷や摩耗などの状態にもよるが、手軽な価格で入手しやすいのもレコードの魅力といっていいだろう。現在は、レコードブームなので、新譜のリリースも増加中。アーティストによっては、レコードの発売を先行させるなど新しい動きもある。重量盤のようなこだわりにも注目したい。

アナログはデジタルノイズとは無縁の〝究極の音源〟

オーディオファンにとって、レコードは原点ともいえる存在。「レコード演奏」という言葉があるほどで、プレーヤー、トーンアーム、カートリッジ、フォノイコライザーなど、ありとあらゆるディテールにこだわり、自分の思い描く理想の音を追求する愛好家も少なくない。

一般的にレコードがCDに置き換わった理由は、CDのほうが小さくて扱いやすく、ホコリによる雑音とは無縁で、さらに、再生によって摩耗せず、寿命が長いなどといった合理性が広く受け入れられたためだ。

また、レコードは原理上、低音の再現が難しく、左右チャンネルのクロストーク(混ざり)も避けられないが、CDはデジタルなので、低域音もデータとして記録でき、チャンネルセパレーションもパーフェクトと、メリットが多い。

しかし、本当にCDのほうが音がいいのかといえば、それは別の話。現在はCDよりもデータが高密度なハイレゾが話題だが、密度という点では純粋なアナログ波形にかなわない。A/D変換もD/A変換もないアナログは、デジタルノイズやデータの欠落とは無縁で、〝究極の音源〟といえるのだ。

たとえマスターがデジタル音源で、そこからレコードが作られていたとしても、デジタルノイズの連鎖を断ち切ることで、デジタルとは異なるメリットが得られるという考えもある。

最近のレコードプレーヤーは扱いやすさを考慮

さて、現代のレコードブームは、かつての全盛期とは状況が異なり、プレーヤー製品の機能に対する考え方も大きく異なっている。

レコードが復活したきっかけは、かつてのファンが戻ってきたことに加え、レコードに触れたことのなかった若い世代が注目したことが大きい。

理由としては、レトロさが逆に新鮮、ジャケットが大きく部屋に飾って映えるなどといったもの。確かに、高度に電子化され、仕組みを知らずに音楽を聴く世代には、針がビニールの溝をこすって音が出るというシンプルさは、手品のように映るかもしれない。

こうした背景もあってか、新しく発売されるレコードプレーヤーは、フォノイコライザーを内蔵し、ミニコンポなどとも接続しやすくなっている。

また、USB端子を搭載し、パソコンを接続してファイル化できる製品もある。このほか、ブルートゥース送信機能を搭載して、対応スピーカーに音を飛ばして聴いたり、プレーヤー自体にアンプとスピーカーを内蔵して、単体で楽しめたりする製品も人気だ。

ここまで来ると、往年のファンが考えるアナログとは別物になりそうだが、音楽を聴く楽しみが広がるのは歓迎すべきことだろう。とはいえ、針を下ろし、曲の選択は手動、盤をひっくり返したりホコリを取ったり……。こうした手間やめんどうさが、趣味としての楽しみであり、愛着を奥深くする儀式といったところだろうか。

今、注目したいレコードプレーヤー

オーディオテクニカ
AT-LP60X

実売価格例:1万1780円

画像: オーディオテクニカ AT-LP60X

購入したらすぐに使える手軽な価格のエントリーモデル
レコード入門者を想定した、手軽な価格のエントリーモデル。自社製のカートリッジを付属し、購入したらすぐに使える親切仕様。フォノイコライザーを内蔵し、出力端子は、Phono/LINEの切り替えも可能。

ティアック
TN-4D-SE/WA

実売価格例:7万4220円

画像: ティアック TN-4D-SE/WA

高い品位とモダンな機能を融合させた高精度なダイレクトドライブ機
高品位でモダンな機能を融合させた、新しい世代の製品。高精度なダイレクトドライブで、ブラシレスモーターによりコギング(カクカクした動き)を排除。トーンアームの受け軸はサエクのナイフエッジと、こだわりを凝縮。USB端子も搭載。

テクニクス
SL-1200GR

実売価格例:16万2800円

画像: テクニクス SL-1200GR

高精度かつスムーズな回転を実現。レコード趣味を本格再開したい人向け
人気のSL-1200シリーズのスタンダードモデル。専用の新規開発「コアレス・ダイレクトドライブ・モーター」によるダイレクトドライブで、高精度かつスムーズな回転を実現。趣味のレコードを本格再開したいマニア向けだ。

エラック
Miracord 90 HGWN

実売価格例:40万8240円

画像: エラック Miracord 90 HGWN

すべてのパーツをドイツで生産するハイエンドモデルでデザインも美しい
1950年代にドイツでトップシェアを誇ったというエラックのMiracordが2016年に復活。当時の技術者を呼び戻して丹念に設計し、すべてのパーツをドイツで生産するハイエンドモデル。デザインの美しさも格別。

■解説/鴻池賢三(AV評論家)

※情報は記事作成時のものです。
※この記事は『極上 大人のオーディオ大百科 2023』(マキノ出版)に掲載されています。



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