オーディオ大国の英国には、世界的に傑出したスピーカーメーカーが蝟集しているが、その代表がKEF。そして、その最大の果実が独自の同軸ユニット「Uni-Q」で、広い周波数特性と、乱れのない音場特性などの美点を実現している。KEFの最新同軸スピーカー、LS50 Metaの素晴らしさを愛でるシステムだ。
本稿は『極上 大人のオーディオ大百科 2023』(マキノ出版)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
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スピーカー KEF「LS50 Meta」
イギリス
実売価格例:17万6000円(ペア)
●幅200mm×高さ302mm×奥行き280.5mm
●7.8kg(1本)
新技術「MAT」(高効率吸音)による、KEF創立60周年を飾るにふさわしいスピーカーだ。25ミリ・ドーム型ツイーター+130ミリ・アルミニウムコーン型ウーハーのUni-Q同軸を搭載する。
CDプレーヤーマランツ「CD60」
日本
実売価格例:10万4500円
●幅442mm×高さ129mm×奥行き396mm
●8.0kg
ネットワークやUSB DAC機能を持たないピュアなCDプレーヤー。同社アンプのMODEL 30シリーズと同じクラシカルデザインは、今後のマランツの基本トーンだ。
プリメインアンプデノン「PMA-1700NE」
日本
実売価格例:20万7900円
●幅434mm×高さ135mm×奥行き410mm
●17.6kg
デノン創立110周年記念モデル、PMA-A110の技術、ノウハウ、部品を多数投入。11.2MヘルツDSD、384kヘルツ/32ビットPCM対応USB DACを内蔵している。
組み合わせ価格:48万8400円
KEFの最新傑作同軸スピーカーの優秀音場を聴け!
高音質スピーカーの泰斗、KEFの最新同軸スピーカー、LS50 Metaの素晴らしさを愛でるシステムだ。オーディオ大国の英国には、世界的に傑出したスピーカーメーカーが蝟集しているが、その代表がKEF。そして、その最大の果実が独自の同軸ユニット「Uni-Q」で、広い周波数特性と、乱れのない音場特性などの美点を実現している。
初代のLS50は、Uni-Qを搭載し、デザイン性と音質を高い次元で満たすとの評判を得て、スタンダードモデルとなった。今回のLS50 Metaはその第2世代。ツイーターの背面から発する不要な音を吸収するMAT(Metamaterial Absorption Technology)という小さな吸音デバイスにちなんだネーミングだ。MATは、迷路のような構造で、共振作用で高効率に音を吸う。吸音はしたいが、音もよくしたいという二律背反をブレークスルーした。
CDプレーヤーは、マランツの最新鋭、CD60。この時代に、ネットワーク機能も付けずに、ディスク再生だけにこだわる潔癖さがいい。同社アンプのMODEL 30シリーズで導入したクラシカルデザインが採用され、価格を超えた高級感を醸し出す。上位機種のSACD 30nから、多数の部品、回路、ノウハウが援用されている。
プリメインアンプはデノンの新製品、PMA-1700NE。同社創立110周年記念モデルPMA-A110の技術を大胆に継承。コンデンサーや抵抗などのパーツのほとんどを共通化し、前モデルに比べて音質を大幅に向上させている。
この組み合わせで聴くLS50 Metaのサウンドは素敵。低域の面積が大きく、ピラミッド的な安定した周波数特性だ。高域に少しメタリックな質感が感じられるのが、色っぽくオシャレ。ボーカルの響きが上質で、ピアノの音も心地いい。
音の解像度的には、ややスイートなところもあるが、音楽的なまとまり感と音の厚み、そして緻密さはさすが。音質と音場描写の二つを高次元で両立させている。LS50との比較では、中高域の再現性とボーカルのフォーカス感がよりクリアになったのが進歩だ。
■解説/麻倉怜士(デジタル・メディア評論家)
※情報は記事作成時のものです。
※この記事は『極上 大人のオーディオ大百科 2023』(マキノ出版)に掲載されています。